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映画の感想まとめNo.121~130

映画の感想をまとめたメモ書きです。
映画館で観たやつは★マークがついています。

No.121『イニシェリン島の精霊』★

2023年上映/マーティン・マクドナー監督/製作国:アイルランド、イギリス、アメリカ
鑑賞日:2023年4月29日
・1923年アイルランドのイニシェリン島。この島で暮らすパードリックは、長年親友だったコルムからある日突然絶縁される。急な出来事に動揺を隠せないパードリックだが、理由は分からないまま。妹のシボーンや近所に住むドミニクの力を借りて仲直りしようとするが、コルムが「これ以上話しかけるなら自分の指を切り落とす」と宣言する・・・という話。
・偶然YouTubeで予告編を見て、いつか観たいな~と思っていたら近所の小さい映画館でやっているとのことだったので急いで観に行った。
・とりあえず予告だけは観ていたけど、アイルランドがどういう歴史を持っているのか等は全然知らないし歴史にも疎かったので、まさかこの映画がアイルランドの内戦を暗喩した映画だとは思いもよらなかった。観たあとでいろんな人の感想を読んで初めて知った。びっくりした。
・コルムに激しく拒絶されて背中を丸めて落ち込むパードリックが寂しそうでものすごく悲しくなった。少しネタバレになるが、パードリックはこのあとどんどん独りぼっちになっていくので、ますます悲しかった。つまらない話を聞かされるコルムの一人になりたいという気持ちも分からんでもないけど、あそこまで激しく拒絶せんでもよくない?と思ってしまう。
・パードリックをやっているコリン・ファレルは私の好きなDr.パルナサスの鏡という映画ではものすごくはっちゃけた役をしていたし、ザ・バットマンではめちゃくちゃ特殊メイクしてペンギンの役をやっていたので、今回ものすごくしょんぼりした悲しいパードリックの役をやっているのが結構新鮮で、本物の俳優さんってすごいなと思った。
・あまりにも切なくて寂しい、悲しい映画だったので、パンフレットのオフショットで笑顔の役者さんたちを見てすごくほっとした。そういえば、この映画って登場人物が笑顔になるシーンが一つもない。もしかして、この映画ってジャンル分けしたら鬱映画になるのかな?
・宗教にも戦争にも歴史にも詳しくないけど、戦争ってこうやって始まるのかな?と思った。お互いの考えていることや価値観などが違って、それが分からないから、戦争って始まるのかな。難しくて、観た後もいろんなことを考えてしまう映画だった。

No.122『グレイテスト・ショーマン』

2018年上映/マイケル・グレイシー監督/製作国:アメリカ
鑑賞日:2023年5月1日
・「地上で最も偉大なショーマン」と呼ばれた、19世紀アメリカのP.T.バーナムという人の人生を描いたミュージカル映画。
・映画が公開されたときから、少し気になっていたんだけどミュージカルをほとんど観ないのとヒュー・ジャックマンがそんなに好きじゃないという理由で今まで観なかった。
・ストーリーはあまり濃くなくて、王道でシンプル。なのでストーリーだけだったらあんまりおもしろくない。けど、歌がめちゃくちゃ良くてそれで点数を稼ぐみたいな感じの映画。
・ヒゲが生えた女の人が出てくるんだけど、その人の歌がめちゃくちゃ良くて泣かせにかかってくる。この人が歌うだけで感極まって泣いてしまう。特にThis is meという歌の時が最高にかっこいい。「気をつけろ 私が行くぞ」という歌詞がまた似合ってていいな~って思う。
・P.T.バーナムの人生もすごかったのかもしれないけど、ヒゲの女の人や小さい人や黒人の人などの人生にも触れてほしかったな~と思った。なんせストーリーが薄いので。。。映画を観たいというよりは歌が聞きたい人におすすめする映画だなと思った。

No.123『ウトヤ島、7月22日』

2019年上映/エリック・ポッペ監督/製作国:ノルウェー
鑑賞日:2023年5月2日
・ずっと前から観たいと思ってた映画。72分間ワンカットというところと、実際の事件を基にして作られたというところに惹かれて。
・いざ観てみると、長回しのワンカットが結構疲れる。最初は臨場感もあって怖いなと思えてたんだけどだんだん疲れてきた。
・主人公のカヤが終始妹妹と言っていてそれにも疲れてくるというか、少しイライラする。もう妹いないだろうにテントまで見に行ったりだとか、妹を探して走り回ったりだとか。もう妹いないだろって思う。そしてあのラストか~。なんかドッと力が抜ける。
・でも、臨場感とリアルさは本当にすごいなと思う。最初に銃声が聞こえてきたときの分からなさとか、訳も分からずとりあえず建物の中に避難するときの緊張感とか。逃げてるときも、フィクションみたいに合理的に逃げるなんて無理なんだなと思った。
・私はこの映画の元になった事件を知らなかったので、調べてみようと思った。この映画は少々疲れるけど、事件を風化させないためには一役買ってるなと思う。

No124『妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク』★

2023年上映/坂本浩一監督/製作国:日本
鑑賞日:2023年5月3日
・.妹がどうしても観たいというので映画館まで観に行った。本当はこれに1000円出す価値があるか…?と不安だった。
・一応サメ映画というジャンルには入るんだろうけど、どちらかというとサメよりニンジャが主役。忍者ではなく、ニンジャ。あるいはNINJA。外国人が一番最初に想像しそうなニンジャ像がそのまま映像化されているという感じ。
・サメの出番が結構少ないというか、短い。最後の最後にドドーンと出てくる感じなので、サメを目的に観に行ったらちょっとがっかりするかもしれない。本編を観た後予告編を改めて観たら、サメの出番がもう全部載ってた。
・サメ映画をほとんど観たことがないのであまり語れないが、サメ映画にしてはストーリーが結構しっかりしていたように思う。どうなんだろう。ツッコみどころはもちろん多々あるけど。
・この時代に、分かりやすいCGと安価な血しぶきやグロさで勝負してきたのは面白いなと思った。それにしても、みんな首が取れやすすぎるんじゃないかとは思うけど。

No.125『オールド』

2021年上映/M・ナイト・シャマラン監督/製作国:アメリカ
鑑賞日:2023年5月4日
・ビーチにバカンスで訪れた複数の家族たち。家族たちは、ホテルの人から人里離れたプライベートビーチを特別に教えてもらい訪れた。楽しいひと時を過ごしていたとき、母親が息子を探し始める。母親が息子の姿に気付かないのは、目を離した隙に少年から青年へと成長を遂げていたからだった…という話。
・この監督の映画は『シックスセンス』しか知らなくて、でも大好きな作品だったので期待して観たが、少しだけ期待外れだった。でもまぁまぁ面白かった。
・「急速に歳を取る浜辺」ってなんのこっちゃい、という設定だが、結構面白くストーリーが進行するので良かった。
・病気が悪化する人、子供から大人に成長する人、老化で痴呆が出る人、パニックになる人などなどそれぞれたくさん問題を抱えていた。共通点は、家族に一人必ずなんらかの病気を抱えている人がいるということ。そこがオチに繋がるので面白いなと思った。
・途中で、少女から大人になっちゃったキャラが妊娠するシーンがあって、そこが面白くて笑った。急速にお腹が膨れ上がって、一瞬で子ども産むんだけど赤ちゃんはすぐ死んでしまう。笑っちゃいけないんだけど、あまりに展開が早くて笑ってしまった。あと腫瘍を取り出すシーンも面白かった。
・黒人の男の人がなんでずっと鼻血を出していたのかが分からなくて、だれか理由が分かる人いたら教えてほしい。なんで?

No.126『劇場版夏目友人帳 うつせみに結ぶ』

2018年上映/大森貴弘、伊藤秀樹監督/製作国:日本
鑑賞日:2023年5月4日
・小さな頃から、他の人には見えない妖を見ることができた夏目貴志。亡き祖母レイコが仕掛けた勝負に負けた妖に名前を書かせた契約書の束「友人帳」を継いで以来、用心棒のニャンコ先生と共に妖に名前を返す日々を過ごしていた。そんなある日、夏目は名前を返した妖の記憶に出てきた女性、容莉枝と出会う。…という感じの話。
・夏目友人帳はちょこちょこアニメで観ていたので設定や温度感などはなんとなく理解していたが、今回はテレビアニメよりももっと切なくて内容も盛りだくさんだった。
・ニャンコ先生が3匹に分かれたときは、話盛り過ぎじゃない!?これちゃんと話着陸するか!?と心配になったが、まさかこう繋がってくるとは…と感心した。
・払い人という人たちは、どっちの妖を探していたのかがちょっと分からなかった。ムクオさんを探していたの?
・ニャンコ先生が3匹に分かれてからみんなの記憶が少しずつ薄れていくところが結構怖かった。でも結局なんとかなってよかった。最後にはなんとかなるのはテレビアニメ版と変わらなくて安心した。
・妖怪モノの作品にしては珍しく、血なまぐさくもなくて優しいストーリー。もっと観たくなった。

No.127『EO イーオー』★

2023年上映/イエジ―・スコリモフスキ監督/製作国:ポーランド、イタリア
鑑賞日:2023年5月5日
・灰色のロバのEOは、相棒のパフォーマーカサンドラとサーカス団で生活していた。ある日、サーカス団が動物愛護団体から糾弾されて破産し、EOはどこかに引き取られてしまう。予期せぬ放浪の旅の中、EOの前には様々な人が現れる。・・・という話。
・イニシェリン島からロバ繋がりで観たくなって鑑賞した。が、なんだか抽象的でよく分からない映画だった。
・EO含めて動物が酷い目に遭う映画なので、そういうのが苦手な人は要注意すべき作品。私も、割と序盤から最後まで、「EO死なないで!!」と願っていた。
・あらすじを読むと、「善人にも悪人にも出会う」って書いてあるけどほとんどがEOにとってはあまりいい人ではなかったように思う。仕事をさせられたり、食肉として運ばれたり。
・ロバのEOを中心に物語が進んでいくので説明がなくて分かりにくい映画なんだけど、人間の世界を皮肉ってる作品なのかなと思いながら観た。愛や憎しみや仕事を一方的に押し付けていく人間の都合の良さを、EOはただ見ているだけ。
・EOはただそこにいて、草を食べたり何かを見つめたり歩いたりしているだけで、何も分かっていない。だから、最後が唐突に終わってしまうので不安になった。EOは最後死んでしまったのかな。何かを切るような音で終わるから、死んでしまったのかもしれない。すごく悲しくて、怖かった。
・赤いストロボがチカチカするシーンがかなり多くて目が疲れる。赤いシーンはEOの心を表しているのかなと思ったけど、どうなんだろう。なんか、解釈が難しい映画だった。

No.128『シルクロード.com ―史上最大の闇サイト―』

2022年上映/ティラー・ラッセル監督/製作国:アメリカ
鑑賞日:2023年5月6日
・天才的な頭脳に恵まれたロスは、「世界を変えたい」という一心で、表では買えない違法薬物などを匿名で売買できる闇サイトを立ち上げた。「シルクロード」と名付けられたそのサイトは、瞬く間に熱狂的なブームを巻き起こす。そんなロスを追う警察の中に、リックという男がいた。リックは問題行動を起こして麻薬捜査課からサイバー犯罪課へと派遣されていた。パソコンが使えず足手まといのリックだったが、独自の捜査でロスとの接触に成功する・・・という話。
・インターネットにそんなに詳しくないので、シルクロードというサイトが本当にあったことも知らなかったけど、まぁまぁ面白く観れた。
・独自の方法でどんどんロスとの距離が近くなっていくところは面白かったけど、リックがロスを逮捕するスカッと話かと思っていたので最後の方は結構拍子抜けした。
・人より賢いからと自信満々で突っ走るロスの若者像や、ベテラン刑事が足手まといで邪魔者扱いされるところがリアルだなと思った。こういう人いるよね~って思った。
・ロスとリックのチャットのやり取りが多いけど、肝心のシルクロードに関する描写がちょっと少なくて、もっと観たいなと思った。

No.129『キャンディマン』

2021年上映/ニア・ダコスタ監督/製作国:アメリカ
鑑賞日:2023年5月6日
・シカゴにある公営住宅「カブリーニ・グリーン」地区。ここでは、鏡に向かって5回キャンディマンの名前を唱えると、右手がフックになった殺人鬼に殺されるという都市伝説が語り継がれていた・・・という話。
・最近注目されてるジョーダン・ピールが制作に関わっているとのことだったので期待して観たんだけど、思ったより普通だった。
・クチコミでは黒人差別が根底にあると書いてあったけど、あまりよく分からなかった。私がアホなだけか?とりあえず何となく、無実の罪で殺された黒人の総称がキャンディマンである、ということはわかったんだけどこれで合ってるのか?
・日本だろうがアメリカだろうが、国関係なく「名前を呼んだら現れるおばけ的なヤツ」が流行るのは面白いなと思った。こっくりさんとか花子さんみたいなやつの概念って万国共通なんだなと思った。
・もしかして、これって一番最初の古い方のキャンディマンを観てからの方がいいのか?この作品だけ見てもイマイチよく分からないところが多々あるので。。。

No.130『X エックス』

2022年上映/タイ・ウェスト監督/製作国:アメリカ
鑑賞日:2023年5月7日
・1979年テキサス。女優マキシーンはマネージャーや他の出演者、自主映画監督らと共に映画撮影のためにとある農場へ行く。映画のタイトルは「農場の娘たち」。農場で彼らを待ち受けたのは、老人のハワード。彼らを宿泊施設である納屋へ案内する。その時、マキシーンは母屋の窓ガラスからこちらを見つめる老婆と目が合ってしまう。・・・という話。
・A24のホラー映画があると聞いて観たのだが、前半はずっとセックスしててなんか観るのが退屈だった。早く怖いシーンにならないかな~とずっと思っていた。
・簡潔に言うとおばあちゃんが人をバッサバッサ殺していく映画なんだけど、なんかあまり新鮮味がないな~と思った。観た後で知ったけど、いろんな映画からオマージュした作品だとのことで。だから新鮮味がなかったんだと思う。
・後半、おじいちゃんとおばあちゃんがセックスするシーンがあるんだけど、そこがいちばん面白かった。老人のセックスは見たことがなかったので。
・おばあちゃんがずっとムラムラしてて、若さに対する嫉妬心がめちゃくちゃ強くて面白かった。なんか、7月にこのおばあちゃんの前日譚を描いた映画が公開されるらしいので、観てみようと思う。楽しみです。

今回は以上です。
今月5月は映画月間だと勝手に決めたので、たくさん観てみようと思います。さようなら。

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