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「子供が産めるということは、未来のある場所だというコトですからね」〜離島医療人物図鑑〜島根県 隠岐島

こんにちは!離島医療人物図鑑のコトクです!

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離島医療人物図鑑」は、離島・僻地で働く医療従事者の想いや活動を紹介し、世の中に発信するWEBメディアです。島の医療に関する情報が次々飛び出す図鑑のようなメディアを作っています。


先日、隠岐島の加藤一朗先生にオンラインでお話をしていただきました。

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加藤一朗先生は言わずもがな、漫画「コウノトリ」17巻のイチロー先生のモデルになった先生です!



日本で産科総合診療医と呼ばれる人は加藤先生しかコトクは知りません。


お産をとりながら、お年寄りから子供まで幅広く診る総合力で島の医療を守っています。


まさしく、コトクが理想とする先生なのです!!


そんな先生に会えて本当に嬉しい!感激でした!


離島は”超”少子高齢化が進んでいます。だけど、これは都会の人も他人事ではなく、日本の数十年後の未来なんです。


つまり、離島医療をするということは、未来の医療を体験するタイムスリップ的なことになりますね。


さあ、そんな将来お産が減っていく、未来の日本では産婦人科医は必要なのでしょうか?



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答えは、”必要だけど、それだけでは不十分”です。


お産が沢山あった昔は妊婦さんだけをみていれば忙しく毎日が過ぎていたかもしれません。


だけど、少子化で高齢化が進んだ未来の日本は、高齢者を診る総合診療医の先生が忙しくしていて、産婦人科専門医が暇にしているってことが起こりうります。


実際にほとんどの離島の現場では産婦人科専門医は暇そうにしていて、総合診療医が忙しそうにしていることが多いです。


そして、いつの間にか島の人口が1万人を切って、お産施設を島は維持できなくなり、産婦人科医は撤退して、ますます人口減少に拍車がかかるという、悪循環になっています。


漫画コウノトリでイチロー先生が、産婦人科医のいなくなった島では、若い女性たちの「産み控え」が起きることを伝えていました。


加藤先生も実際に、隠岐島で産婦人科医がいなくなった後に、島の小学校のクラスが3つから2つに減ってしまったとのことでした。


もともと、僕が産科総合診療を目指した理由としては、色んな島を回っているうちに離島医療の問題は「医療」ではなくて、圧倒的スピードで進む「人口減少」にあるんじゃないかと気付きました。


そして、産科総合診療医がいる島では人口減少が増加に繋がるんではないかと仮説をたて、産科総合診療医を目指すことにしたのです。


でも、世界の論文を調べても明確に、この仮説を証明する研究が見つかりませんでした。


だったら、自分が証明すれば良いじゃないかと思いました。


つまり、人口減少している島に「産科総合診療医」というお薬が投与されて、人口が増えるのかの実験です!


でも、そんな一人の産科総合診療医に何ができるのだろうかと不安に思うことがありました。


そんな時に、今回実際に離島で産科総合診療医として働いている加藤先生とお話をすることが出来て、本当にうれしかったです。


この仮説を加藤先生に質問してみると、


漫画の中では3つあったクラスが2つになりました。


その時、総合診療医だった加藤先生が産婦人科を勉強し直して、島に帰ってきて再び「お産の取れる島」にしました。


そして、なんと2つになったクラスが3つに戻ったのです!!


自分の仮説は間違っていないと確信しました。


これから、日本は人口がどんどん減少していきます。


医者は都会に集中し、田舎の医師不足はますます深刻になってきます。


それでも加藤先生は離島で”ゆりかごから墓場まで”みる産科総合診療医として島でお産をとり続けます。


「子供が産めるということは、未来のある場所だというコトですからね」



未来の日本が、どこに住んでいても安心して子供が産めて、健康に生きることができる場所になると良いですね。




















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