業界を変えても、子育て中でも。デザインスキルを応用して成果を出せる環境に|デザイナー 松倉 聖美
こんにちは、「RAKSUL DESIGN MAGAZINE」です。
RAKSULには、バックグラウンドが異なるさまざまなデザイナーが所属しています。その中のひとり、松倉さんは新卒からゲーム業界で活躍してきたデザイナーですが、子どもが保育園に行き始めたフェーズでRAKSULに転職しました。ソーシャルゲームとRAKSULが取り組む産業DXはかけ離れた印象があります。そんなまったく違う業界から来た松倉さんは、どうやって転職を決めて、いまの職場で活躍されているのでしょうか。話を聞いてみると、実は「ゲームデザインから活かせている経験はたくさんある」そうです。デザイナーならではの技術の応用や効率化、そして仕事と子育ての両立の秘訣を聞いてみました。
ゲームデザイナーがなぜ産業DX企業に?
── 松倉さんのRAKSUL社での業務を教えてください。
プロダクトデザインチームに所属しているデザインマネージャーです。2022年9月に入社してから、プロダクトデザイン、コミュニケーションデザイン、どちらも担当しながらデザイン組織を運用していくためのさまざまな業務を行っています。
軸としてはプロダクトデザインがあり、サービスの機能改善や新規画面の作成を行う中でマーケティング的な課題があった際にはコミュニケーションデザインの手法で解決するなど、事業にまつわるデザインを幅広く担当しています。バナーを作ったり、LPを作ったりすることもあります。
── RAKSULに入社する前は、どのような仕事をされていたのでしょうか?
新卒ではソーシャルゲームの会社に入社し、ゲーム内で使用されるグラフィック周りのクリエイティブを担当していました。そこからゲームUIに興味が湧き、次の転職先でゲームのUI/UXに専門を切り替えました。そして妊娠、出産を機にフリーランスとしてスタートアップ企業のUIやブランディングを担うお仕事をさせていただく機会もありました。
子どもを保育園に入れられたタイミングで新しい仕事を探していたのですが、ちょうどそのころに過去に一緒に働いていたVPoDの和泉さんに声をかけていただき、結果としてRAKSULに転職することになりました。
── ゲーム業界が長かったんですね。どうして転職ではゲームやエンタメ領域ではない事業会社に行こうと思ったんですか?
実は、子どもが生まれてからゲームをすることがなくなってしまって……。私はもともとゲームがすごく好きだったんですが、自分の子どもには小学生になるくらいまで抽象度の高いゲームよりも、外で遊ばせることをしたいなと思っていました。なので、自分も「デザインのスキルを活かせる他の仕事をやってみよう」と思い、転職先はあえてゲームではない業界を選びました。
── 事業の種類やデザインの領域を変えることに、迷いや不安はありましたか?
この道を選ぶことに迷うことはなく、子どもが産まれてからずっと考えていたことだったので、満を持して転職するという気持ちでしたね。
ただ、不安はありました。自分のデザイナーとしてのキャリアがすごくゲームに偏っているので、どこまで通用するのかわからなかったんです。
特に育児をしている間に社会から孤立してしまっていたことによって、自分の評価やアイデンティティが不明確になってしまったことも大きいです。育児が始まったころは社会との接点が保育園やベビーシッターさんなどに限定されてしまい、「お母さん」としてしか周りにみられなくなる感覚でした。そうすると「自分は一体何者なんだ」と思ってしまい、仕事でアイデンティティを再獲得することに使命感を強く持っていました。なので、無事に就職できたときにはすごく嬉しかったです。
構造化して考えることで学習コストを削減 デザイナーならではの効率化メソッド
── ゲーム業界から産業DXのRAKSULに入り、過去の経験から活かせていることはありますか?
ゲーム業界でデザイナーとしての基礎を築いていたことはよかったです。たとえば、なにかを分析する際に構造的に捉えられることは、絵やデッサンの経験があるからこそだと思います。観察の仕方や物事の捉え方はそこから鍛えられたんです。
現場に入ってからすぐに馴染めたのもそのおかげかもしれません。なにかを理解するときに、「AとB、全然違うけど構造化すると骨組みは一緒になる。だからこの技術や知識が応用できるな」「この部分が足りてないから、これから積極的に習得していこう」など、素早く判断することができました。
構造化することによって応用できることを見つけられるので、ゼロから学び直さずとも少ないコストや工数で実行できていることが多いです。子育てをしている身としては、自分の使えるリソースがすごく少ないと感じているんですが、その少ない時間の中で最もインパクトのある仕事はなにか、フォーカスするべき部分を見定めて集中し、そこから崩していくやり方をとっています。効率の良い方法をとらないと、そもそも仕事を遂行することが難しいので、それは過去のデザイナー経験から活かされていることだと思いますね。構造化することや工数に対しての考え方はゲームの仕事で培われました。
── 逆にゲームのデザインと大きく違うことはありますか?
インタラクションデザインは、ゲームとSaaSで大きな違いを感じています。いまのプロダクトだと、インタラクションまで考慮されているケースのほうが少ないですが、ゲームはインタラクションや演出がすべて、と感じる部分もありました。画面を触って手触りがいい、気持ちがいい、そういった感覚的なところから分解して挙動を整えるといった工程があるんです。
当社の仕事ではBtoB色が強く、動的なものを作ることはめったにありません。個人的には、デジタル媒体におけるサービスというのは二次元的なものではなく、多次元的なものだと思っています。しかし今現在、ユーザーが触っている時間軸の中でなにが起こっているのか、複合的に考えることがあまりされていないですね。プロダクトによってはゲーミフィケーションなどゲーム文脈を用いたものもありますが、BtoBサービスだとコスト的にも難しいのかもしれません。今後自分の能力をフルに活かすのであれば、そういった視点もデザインに取り入れられればと思っています。
── 確かに、それはゲームを作っていたからこその視点ですね。
そのほかにも、データの活用はゲーム業界時代と違うと感じています。ゲーム開発の現場ではデザイナーまでデータが届きにくいので、ユーザーから取得したデータをダイレクトにプロダクトに活かしていけるのが嬉しいですね。
いまは定量的な分析から定性的なインタビュー、ヒューリスティック評価など、さまざまな手法から得たデータをデザインに反映させることに挑戦しています。リサーチの手法は転職して新しく学んだことのひとつです。
子育て中のライフスタイルにマッチした、無理なく成果を出せる環境
── 松倉さんは現在2歳の双子の育児をされているとのことですが、ライフワークバランスで苦労することなどはないですか?
意外とうまいことやれています。RAKSUL社のコアタイムは11時から16時なので、自分の働ける時間は子どもを保育園に預けている間と寝ている間しかなく、その時間に集中して業務に取り組んでいます。基本は10時から17時くらいでやってますが、たまに寝かしつけてからもやることがあります。「ギリギリだな」と思うこともあるんですが、子供が健康なのでなんとかなっていますね。成果を出せればOKというところも合っています。
── フレックスタイムならではの柔軟さが活かされていますね。
私のほかにも子育て中のメンバーは多く、イレギュラーがあっても「がんばってね」と声をかけていただくこともあります。男性の育児参加率は特に高いんじゃないでしょうか。男女関係なく子育てに対する理解があります。年齢のボリュームゾーン的にも30〜40代が多く、みんなで助け合える雰囲気なのはありがたいです。
── RAKSULの子育てをサポートする制度は使っていますか?
私自身は特に使っていないんですが、たくさんあるのは知っています。カナエル(KanaL)という社員の働き方を支援する福利厚生の制度には子育てを支援する内容も多くあり、こういった制度があると入社前に聞いて、すごく良いなと思いました。私は産まれてからの入社だったことや、意外と家庭がうまくいっていることもあってまだお世話になってはいないのですが、活用している人は多いです。
カナエル(KanaL)とは
ユーザーの手元に届くのは印刷物!デジタルで完結しない面白さ
── 松倉さんが「RAKSULはここが面白い!」と感じることはどういった点ですか?
ラクスル事業はオンラインサービスなんですが、印刷を通じた物理プロダクトもあるのが面白いですね。ゲームは実態がないものだったので、アウトプットが手で触れられるものになることに感動があります。工場で印刷されて、それが商品として発送されてお客様の手元に届くので、Webだけで完結しないことが新鮮です。
ユーザーが注文してから印刷会社や配送会社との連携が発生するので、想像以上にサービスに関わるクライアントやカスタマーの種類が多く複雑なところも私にとっては挑戦しがいがあります。複雑な仕組みを整えていくのが好きなのかもしれません。
── 最後に、RAKSULのデザイン組織にマッチするデザイナーはどんな方だと思いますか?
印刷に興味がある人ももちろん楽しいと思いますが、それ以上に「産業改革してやる!」と大きな挑戦をしたい方はやりがいを感じると思います。印刷だけでもさまざまなことができますし、現時点で事業もハコベル、ノバセルなど幅広くあります。多彩なビジネスの仕組みを知れることだけでなく、一緒に働く人から学ぶことも多いので、知的好奇心が強い方は特に楽しめる環境です。
また、デザイン組織もすごくレベルが高いです。入った瞬間からリサーチもやるし、UIデザインもやる、とにかくフルスタックデザイナーになっていきます。ひとりでいろんなことをやってみたいタイプのデザイナーさんにはすごくオススメです。
── 松倉さん、ありがとうございました!
RAKSUL DESIGNについて
✔︎ RAKSUL DESIGN MAGAZINE(note)
✔︎ Twitter
✔︎ RAKSUL DESIGNの紹介
✔︎ RAKSUL デザイナー採用情報
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?