今年の夏は裸足でPRO-kedsを履いて過ごすようになった成り行きについて
一年前の冬に、スーパーの靴売り場でPRO-Keds(以下、プロケッズ)のキャンバススニーカーが1,000円で山積みになっていた。
かつてキャンバスのバッシュと言えば、西のコンバースか東のプロケッズと言われていた。ちなみに東というのは東海岸のこと。
コンバースがなめらかな曲線でフィットするのに対して、プロケッズはシャープな線で細身にみえる。
当時でいえばJプレスのような、ややカチッとしたトラッドを着崩すときに似合うと雑誌には書かれていた。アイビーやプレッピーには使いでのあるアイテムだ。
特にローカットのキャンバスに関しては、履き古してもお行儀の良さ感が保たれるプロケッズを好む人も少なくない。(だから復活してくる)
同じ老舗ブランドでありながら、コンバースが安定した人気を保っているのに比べ、プロケッズは人気の乱高下が激しい。
とはいえ素材や造りを変えたにしても1,000円は安い。
色も限られてはいて、定番の白や黒やプロケッズらしいロイヤルブルーはなかった。ただこのバーガンディレッドも悪い色ではない。
定番ブランドであるはずのプロケッズが1,000円で山積みになっているのを目の前にして考えたこと。
消費の時代に生きて来たから、輸入ブランドの栄枯盛衰は嫌というほど見てきた。
ここで不思議なのは、廃れるだけではなく、かつてはBクラスにみられていたものが、人気ブランドとして上昇することもあることだ。
目の前にあるプロケッズは、明らかに値崩れした処分品のBクラス扱いである。
なぜこうなったのだろう?老舗ブランドが定番のキャンバスのローカットを叩き売る必要はあるのだろうか。
ここからは靴の山を目の前にしての妄想である。
経験の範囲にすぎないが、海外ブランドは輸入元やライセンス契約が切り替わる時、もしくはブランド価値の再構築を仕掛けるときに、市場をリセットするために、一気に在庫を大放出して処分しがちだ。
モノの良し悪しとまったく別に、ビジネス上の都合で叩き売られることがある。
これはなんかそんな気がした。
ファッションという商売の難しさについても考えこんでしまった。
どちらにしてもプロケッズは好きだから、迷わず1,000円で2足買った。
10倍!20倍・・・一体どうしたのだ、プロケッズ!?と慌てふためいてしまった。
そしてこの記事を書いた理由は、気まぐれにamazonでプロケッズのキャンバススニーカーを検索したら、一万円台後半から二万円になっていたからだ。モデルはクラシックでもちろん製造内容は違うと思う。
ことわっておくと、以前にスニーカーチェーン店で久々のVANSを買ったら、大昔の記憶にあったソールの固さを感じないような気がした(それがイヤで履かなくなった)。スケーターの友人にたまたま雑談で話したら、「日本向けはカジュアル仕様のゴムを使っていると聞いたことがある」と言われた。スケボーで使う彼らは輸入品のソールの方が使いやすいという。
そうやって輸入元は日本市場向けに工夫をするから、まったく同じ商品かどうかはわからない。同じかどうかの判断は難しい。
加えてネットで売られているプロケッズが、USデリバリー向け商品を並行輸入しているなどの事情があるのかもしれない。
どちらにしても、1,000円のプロケッズをなんの不自由もなく履いている。
値段が値段だからガンガン履いている。
2万円で買っていたらこうはいかない。
今年の夏は裸足で、履き続けようと思っている。
夏が越せたら、洗って、靴下を履いて、履くつもりである。
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