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日々の時事ネタから気になるニュースを取り上げます。
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記事一覧

誤解を解く:ロボアドは本当に低コストか?

 先日の日経にロボアドに関する記事がございました。内容が投資初心者のミスリードを誘う内容になっておりましたので私の見解を示します。  何がミスリードなのかというとタイトルの「手軽に低コストで分散投資」の太字の部分です。ロボアドは確かに手軽です。これは事実として正しいです。また多くのロボアドはポートフォリオ理論に沿ってアセットクラスの分散が効いている場合が多いので分散投資という表記も間違いではありません。  しかしながら「低コスト」という表記は明らかに間違っています。日経

投資信託の選別加速

 先日の日経で下記の投信に関する記事が掲載されました。  投資信託はNISAの開始以来、注目が高まり・手数料の競争も加速し、バリエーションが増えました。一方で消費者=投資家は膨大な数のファンドの中から自身の投資目的に沿った投信を適切に選択することが求められます。  投信を取り巻く環境は間違いなく、ここ10年で各段に進歩しました。NISAやイデコなどの制度の拡充に加え、低コストインデックスファンドの普及、販売手数料無料化など投資家にとって恩恵のある方向に進みました。

「トークン化」という幻想を乗り越える

トークン化米国債の需要が急増 コインデスクで以下の記事が気になりました。  2017年頃から「トークン化」という「錬金術」が流行っています。このような記事を書いている私も2014年~2018年頃まではその可能性に賭けていたビジネスマンの一人でした。  私は比較的早いタイミングで仮想通貨・ブロックチェーンビジネスの世界に足を踏みいれました。2014年のタイミングから所属組織において事業化の可能性を模索していたこともあり、比較的古株に分類されます。  10年弱の間、業界

GPUの効率的な活用:マイニングよりAI

 海外メディアの記事でNVIDIAのCTOが「仮想通貨は社会の何の役にも立たない」と述べ話題となりました。 原文と日本語抜粋記事は以下を参照ください。  NVIDIAはゲーム・暗号資産・AIなど様々な用途で用いられるGPUを製造するグローバル企業で業績も急拡大を続ける成長企業です。世界的に影響力を有する企業のCTOがこのような発言(一部業界を敵に回しかねない)をしたことには少し驚きましたが、一方で真実とも感じました。  実際、昨年末に登場したChatGPTなどのAI

シャドーインサイダー取引

 本マガジンは時事ネタ(主に経済)をトピックに呟く分量の短いシリーズです。考察も含まれますが感想メインです。 1. インサイダー取引の高度化先日の日経で以下の記事が気になりました。  技術の進化に応じてインサイダー取引の手法も高度化しているという事例です。本件では個別株を用いず業種別ETFなどを用いて間接的にインサイダー銘柄を取引するという手法が紹介されています。  規制と不正はいたちごっこであるため、抜け穴が発見されては塞がれての繰り返しとなります。米国の場合、業

SECによるステーキング判断の影響

 本マガジンは時事ネタ(主に経済)をトピックに呟く分量の短いシリーズです。考察も含まれますが感想メインです。 1. 取引所ステーキングサービスの見直し 先日のコインデスクで以下の記事が気になりました。  本件の概要は以下の通りです。  本件から推測できる点があります。一番分かりやすい点として、取引所で利回りを謳っているステーキングサービスを停止せざるを得ないということ。次に名称が何であれ証券投資のスキーム(Howey test)に該当する場合、同様の規制を受ける可能

投信残高、インデックス型が首位に

 本マガジンは時事ネタ(主に経済)をトピックに呟く分量の短いシリーズです。考察も含まれますが感想メインです。 1. インデックス投信が残高首位に 先日の日経で以下の記事が気になりました。  eMAXIS Slim 米国株式ファンドがついに残高首位となりました。アライアンスバーンはネット証券利用者の認知度は高くありませんが、対面系証券でごりごりに販売されこれまで首位をキープしてきました。  しかしながら、昨今の積立ブームにより定期的に資金流入が続く格安インデックスフ

日銀新総裁と金融政策の転換

 本マガジンは時事ネタ(主に経済)をトピックに呟く分量の短いシリーズです。考察も含まれますが感想メインです。 1. 異次元緩和の終焉と金融政策の正常化 先日の日経新聞で以下の記事が気になりました。  日銀総裁の後任人事に関する記事です。黒田総裁は4月で任期満了となり、市場では次期総裁の行方が注目されております。これまでも複数名の候補の名前が挙がっておりましたが、このタイミングで日経が雨宮副総裁に後任打診という記事を掲載したことはインパクトがあります。波乱が無ければ雨宮さ

仮想通貨に対するマンガーの目線

 本マガジンは時事ネタ(主に経済)をトピックに呟く分量の短いシリーズです。考察も含まれますが感想メインです。 1. 米国における独占禁止法強化の流れ 本日の日経で以下の記事が気になりました。  バフェットが仮想通貨に対してネガティブであることは周知でしたが、マンガーも同様でした。やはり両者の投資哲学には共通する点が多いのでしょう。記事では以下のように示されております。  概ね正しいですが、仮想通貨の発行・流通及び詐欺パターンは無数に存在するので、上記に該当しないケー

独占禁止法強化に感じる米国社会の変容

 本マガジンは時事ネタ(主に経済)をピックアップする短いシリーズです。考察も含まれますが感想メインです。 1. 米国における独占禁止法強化の流れ 昨日の日経で以下の記事が気になりました。  バイデン政権は当初からビッグテック(ITプラットフォーマー)を敵視し規制強化を目指していました。”米国のことなのでご自由に”という感はありますが世界をリードする強力な企業の力を政府が主体となって弱めることは国力の維持という観点から政策的に正しいのか気になりました。  アップルやグ