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全人類がもしもベジタリアンやヴィーガンになった場合の農地使用効率と環境への影響

現代社会において、健康や環境、動物福祉への関心が高まる中、ベジタリアンやヴィーガンといった動物性食品を避ける食生活を選択する人々が増えています。このライフスタイルが地球に与える影響について、興味深い研究結果がvegconomistによって報じられています。それによると、もし全人類が植物ベースの食生活になった場合、実は農地面積を大幅に削減できる可能性があるとのことです。

一見すると、動物性食品を避けるという選択を取ると、その代わりとなる植物性食品の生産のために更なる農地が必要になるのではないかと思われがちです。しかし、実際にはその逆が真実であり、農地の使用効率を高めることが可能です。国連食糧農業機関によれば、地球上で居住可能な土地の約半分が農業に利用されており、その大部分が動物の飼料用として使用されています。特に、大豆などの作物は収穫量の約77%が飼料用として使われているため、これらを人間の直接の食料として利用すれば、より少ない土地でより多くの食料を生産できるのです。

vegconomistによると、仮に動物性食品の生産を完全に停止した場合、農地面積は現在の4分の1にまで減少させることができるとされています。これは、非効率的に使われている土地が削減され、土地の使用効率が飛躍的に向上するためです。さらに、このような変化は温室効果ガスの排出削減にも寄与します。例えば、高所得の国々が食生活を植物ベースに変えることによって、農業が原因で発生する温室効果ガスを大幅に削減できるということです。具体的には、これらの国々で食事が動物ベースから植物ベースへと完全に移行した場合、農業からの温室効果ガス排出量を年間で61%削減することが可能です。さらに、全世界の高所得国が同様の食事変更を行った場合、全世界の温室効果ガス排出量を14年分相当減らすことができるとされています。このデータは、食生活の変化が地球温暖化に与える影響の大きさを示しています。


これらの研究結果は、食糧政策、気候政策、公衆衛生政策を結びつけることの重要性を示しており、政策立案者にとって食生活の変化が経済的な利益だけでなく、環境の改善にもつながる「二重の配当」を提供する可能性を示唆しています。非効率的な食料システムが環境に与える負の影響は明らかであり、植物ベースの食事への移行は、森林破壊や生物多様性の喪失を減らし、増加する世界人口を支える解決策となるでしょう。

近い将来、完全な菜食主義の世界が実現するかは未だ不明ですが、動物性食品の削減と植物ベースの食事への移行が、地球の未来を良い方向に変えるための鍵となる可能性があります。

この大きな変革には多くの挑戦が伴いますが、私たち一人一人の食生活の選択が、地球環境に大きな影響を与えることを忘れずに、今後もこのテーマに注目していく必要があります。

参照 
2022年02月02日 07時00分食
世界中の人が菜食主義になると農地面積はむしろ小さくて済む

参照 Gigazine
世界中の人が菜食主義になると農地面積はむしろ小さくて済む

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