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顧客の価値は、必ず顧客に聞け【経営者に贈る5つの質問】

最近、ドラッカーに関する本を読んでいます。

特に、この「経営者に贈る5つの質問」は
中々本質的で、応用が効きそうだなぁ

…と、感じているところです。

今日は、この本で私が
最も大事だ…と思った点である
「顧客の価値は、必ず顧客に聞け」
という話を例を含めて紹介します。


原則は、顧客はみな正しいとすることである。ほとんど例外なく、彼らの行動は合理的である。したがって、答えを想像してはならない。必ず、顧客から直接答えを得なければならない。

P.F.ドラッカー. 経営者に贈る5つの質問[第2版] (Kindle の位置No.571). ダイヤモンド社. Kindle 版.

答えを想像してはならない

顧客から直接答えを得よ

これがドラッカーの教えです。

ドラッカー自身も
これを実践していたそうです。

毎年、一〇年前の卒業生五〇人から六〇人に電話をし、「振り返ってみて、この大学院はあなたに何を貢献したか?今でも役に立っていることは何か?私たちはどうしたら改善できると思うか?私たちが止めるべきことは何か?」と聞くことにしている。
 実のところ、こうして私が得た情報は、大学院の運営に非常に役立っている。

P.F.ドラッカー. 経営者に贈る5つの質問[第2版] (Kindle の位置No.573). ダイヤモンド社. Kindle 版.

実際の顧客にヒアリングをするというのは
私も採用担当として大事にしたいことだと
感じています。

ついつい、勝手に想像して
勝手な施策をやりがちだったなぁ…と
多いに反省しているところです。


とあるホームレス用施設の例

この例は、まさに
「直接聞いたからこそ」成果につながった例として
非常に印象的でした。

施設側が、ホームレスの人たちにとっての価値と考えていたものは、食事と宿泊施設だった。しかし、理事とスタッフによる聞き取り調査の結果、たしかに食事と宿泊施設は評価されていたものの、彼らの本当の望みは、ホームレス状態から抜け出すことだとわかった。必要とされていたのは、生活を立て直す基盤としての宿泊施設だった。

P.F.ドラッカー. 経営者に贈る5つの質問[第2版] (Kindle の位置No.590). ダイヤモンド社. Kindle 版.

「ホームレス用施設なんだから
食べ物と泊るところの提供が価値だろう」
…と考えるのはとても自然で
実際、ホームレスたち自身にも
評価されていました。

しっかりと「本当の価値」を聞くということを
やらなかったら、きっとこの
「ホームレス状態から抜け出すこと」
という価値には
たどり着けなかっただろう
と思います。

そこでその施設は、それまで前提としていたものを捨て、大幅に規則を変えた。
 「この施設を彼らのホームにするにはどうしたらよいか」
 まず、出て行けと言われる心配をしないですむようにした。かなりの日にちを過ごせるようにしたうえで、生活の立て直しについて相談にのることにした。
 今日では、施設を利用するホームレスの人たちに一定の自己責任を課している。かつては、空腹をかかえて顔を出すだけでよかった。今日では、自ら生活の立て直しにコミットしなければならない。滞在を続けたいのであれば、ホームレスからの脱出に正面から取り組まなければならない。
 こうしてこの施設は、顧客にとっての価値を増大させ、成果を増大させた。

ただの食べ物と泊るところを
与える施設から

生活の立て直しを実現し
ホームレスからの脱却を
与える施設になった

…というわけです。


これを、私自身の採用の仕事に
置き換えてみると

もしかすると、学生が求めているのは
単なる「安定」とか

「住みたい場所」に住めて
「やりたい仕事」ができる とか

…ということだけではないのかも?

もっと先の「本当の価値」が
あるのかもしれない
…と
思うようになってきました。

これは、今のところは
単なる想像なので
「顧客」にしっかりと向き合い
直接話す機会を取っていきたい
と思います。

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