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OODAループという思考法


こんにちは!MEDIATORのPlanner水野です!
今年も残すところあと2ヶ月です!早いですね!!

今回ご紹介するテーマは『OODAループ』です!
な、なんて読むんだ!?っという感じかもしれませんが、“ウーダループ”と読みます。
ドラえもん口調で言うと凄くポップに聞こえる最近知った単語です笑
(はい、皆さんこれでもう忘れないと思います)



What is OODAループ?

「OODAループ」とは、元アメリカ国空軍大佐ジョン・ボイドが編み出した意思決定に関する行動理論で、超簡単に言うと「高速に行動するための理論」です。元々は航空戦に臨むパイロットの意思決定を対象に扱われていた理論で、作戦術・戦略レベルにも敷衍されてビジネスや政治など様々な分野でも導入されています。

ビジネスでも決断が早いことは、最も重要な資質の一つです。
今では、シリコンバレーの名だたる企業の現場で戦略の基本として定着していて、常に「状況認識を見直していく思考法」として活用されています。

状況認識という言葉は、何となく想像しづらいと思うので言い方は悪いですがもっと簡単にいうと、要は「いちいち命令を出さなくても、現場の人間が自ら迅速に判断し対応するための思考法」ということです。

自分なりの仮説や世界観、判断基準を持ってその状況や対応を相手に合わせてアップデートしながら、軍事でいえば『敵の戦闘意志』、ビジネスでいえば『お客さんの想い』を探りつつ、相手の心を動かすことで目的を確実に実現するのが狙いです。

これは私たち広告業界にいる人間(特にプランナー)は、「同じ状況(条件)では二度とこない問題解決屋」として仕事をしているため特に日常的に近しい状況にいると思ったのでこのテーマを選んでみました。

もっと言うと個人的な体験ですが、最近はQTbyとMEDIATORという2つの事業部を並行してお仕事をすることが日常的になってきたので改めて「組織における最適な行動」って何だろうなと考え直したのがきっかけです。

どの会社も最初から有名なのではなくて、小さく体制を作ったり色々な行動プロセスや風土があってこそ唯一無二の組織になっていることは普遍的です。

今回テーマに上げた、「OODAループ」は意思決定のスピードと生産性が一気に上がるというナレッジとして使われていて、「個人」と「組織」の2つにおいて実行することができます。
一般的には効率化を図るときによく使われる「PDCAサイクル」とよく比較されて話されることが多く、改めて違いについて調べて見たところ歴史からみれば元々OODAループは、紀元前1600年に中国の古代王朝である『夏』を『殷』が倒した戦い以降の、人類史上の戦闘の研究がベースになっているそうです。

あの『孫子』や『五輪書』などに基づいているので、PDCAは『戦後の理論』であるのに対して、OODAループは『有史以来の兵法そのものの理論』ということですね。

さらに、PDCAが全てのモノゴトが想定できる世界(安定した環境且つ心理や感情など人間的要素を無視できる世界)で機能するの対して、OODAループは想定外のことが起きる状況でも有効(メンタルや感情などより人間的な側面を重視)ということです。

PDCAサイクルは、日本だけで使われている「継続的改善手法」ですが、計画を立てても、目的が達成されなければ意味がありません。日本人は理論的に理解していてもPDCAのこのステップにおいて、やらされていると感じることも多いようです。

ソースが2017年とちょっと古いですがIT技術者の開米さんという方が両者の違いを綺麗に資料化してくださっているので興味がある方はこちらをご一読ください。


現代は情報量は増える一方で集団的行動力=組織力(大小ありますが3人のチームでも、広義で見れば国も組織ですし)は高まらずで、こと日本においては人口は減っていく事実。
ITが発展してからこの人類史上における時代の変化のサイクルが加速している近年では、より一人一人の行動と判断力が問われているではないかと思ってます。その上で「最適な行動法」とは何かということで注目され始めたのだと思います。

OODAループの基本的な構造

過去一、前置きが長くなりましたが4文字の横文字系には大抵頭文字を使った略称であることは皆さんご存知だと思うので改めてその意味をご紹介します。

OODAループは、人間の行動を以下の4段階に分解したものです。

①観察(Observation)
②方向性の決定(Orient)
③判断/仮説作成(Decision & Hypothesis)
④行動/試行(Action & Test)
→そして①に戻る

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たったこれだけです。


とてもシンプルですがOODAループの凄いところは、「より高速に行動する仕組み」と「相手を圧倒する速度で行動した場合どうなるか」を研究して全く新しい行動理論を組み上げたというところです。

現実社会は想定外のことが起きまくり、膨大な情報が飛びかっています。
既存の合議制やピラミッド型の組織やPDCA方式では対応できず、混沌としている組織が多く現代の変化に対応できる仕組みとしてOODAループが求められていると言うことですね。

状況変化が加速した状況では型にハマると逆に無駄が多かったり、スピードが遅くなったてしまうというPDCAの欠点を排除するには、縦横無尽に構えを変えるOODAループの考え方も活用してみると良さそうです。

今では、アメリカやイギリスでは軍事面だけではなく、ビジネスは勿論のことスポーツや災害対策などでも応用されているそうです。


ビジネスでは、十分な時間と100%の情報があっても正しい判断ができない人は、無能と評価されるでしょう。120%の情報が揃ってからでないと判断しようとしない人は、もはや仕事をする気がないと思われてもしかたありません。では、80%の情報に基づいて1か月で正確に判断しようとする人と、50%の情報で決定的に間違っていない判断を1日でしようとする人は、どちらが価値があるでしょうか?

著書の紹介にはこんな言葉が記されていました。


つまるところ、私たちは人間の中でも世界一の飽きっぽいさを兼ね備えた人種である「若年層マーケティング」を強みに戦っている組織にいるので問題を整理して、筋道立てて考えるロジカルシンキングでは説明がつかないこともあります。
歴史的経営者の予想外の成功は、大胆な思考と行動によって生まれることもあるので私たちも「仮説を立てまくって行動」し、時には理論をすっ飛ばしてじゃんじゃん検証しまくることで変化の揺るぎない対策法を提供していくのが使命かと思った三連休の終わりでした。


おしまい。