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心理学のリーダーシップ『スタンフォード式 最高のリーダーシップ』

 こんにちは、リードプロジェクトの藤原です。
 今回はスタンフォード大学の心理学者であり「リーダーシップ・イノベーション」というプログラムで指導しているスティーブン・マーフィー重松氏が著者の『スタンフォード式 最高のリーダーシップ』について紹介したいと思います。


注意点

 本に書かれていることはすべてが正しいわけではなく、受け入れがたいものや理解が難しいものもあります。
 それでも1冊の本から役に立つ教訓を1つでも見つけられたなら、読者様の人生にとってプラスになるのではないでしょうか。

アサーティブ・リーダーとは

 スタンフォード大学とコロンビア大学のリーダーシップを研究する心理学チームは、「優れたリーダーはバランスよく自己主張をし、チームを引っ張る人物」だと発表しました。
’強すぎる’リーダーは部下から間違いを指摘しづらく、不満や本音を教えてくれなくなります。自分の弱さを認められるリーダーこそ、部下が信用できるリーダーです。
 逆に弱すぎるリーダーというのも問題です。決断を下すべき場面で自分の意見を言わず、トラブルが起きた際に対処から逃げ、致命的な失敗をしたあと責任を取らない…こういったリーダーもまた部下からは信用されません。弱いリーダーの代わりに部下から真のリーダーが登場し、「船頭多くして船山に登る」という状況に陥ることでしょう。
 この本では「アサーティブ・リーダー」になれ、と説いており、最初に言及した’優れたリーダー’です。アサーティブとは直訳すれば「主張型」「積極性」という意味になります。しかしこれがアサーティブ・コミュニケーションとなると、相手を尊重しながら意見交換ができるコミュニケーションという意味に変化します。アサーティブ・リーダーはこのニュアンスを取り入れた定義となっており、簡単に言うと強すぎず弱すぎないリーダーということになります。

■アサーティブ・リーダー:自分自身を尊重し、人を否定することなく、自分とチームの利益のために行動できるリーダー

『スタンフォード式 最高のリーダーシップ』

リーダーに必要な4つのスキル

 この本によるとアサーティブ・リーダーとしてのリーダーシップを発揮するためには、以下の4つのスキルが必要だとしています。

①積極的なリーダーに必要な「個人としての土台」
⇒Authentic Leadership(本質的なリーダーシップ)
②部下を前に出す「謙虚さ」
⇒Servant Leadership(支援するリーダーシップ)
③「自分の力で変えられるもの」を変えてゆく勇気
⇒Transformative Leadership(変容をもたらすリーダーシップ)
④人、もの、価値観など、様々な「違い」を理解するための知恵
⇒Cross-Border Leadership(壁を超えるリーダーシップ)

『スタンフォード式 最高のリーダーシップ』

①Authentic Leadership(本質的なリーダーシップ)

 自分の感情や考えを知り、積極的に表現し、自分の人生のリーダーになることをいいます。ありのままの自分を表現するため、嘘や気取りがなく、周りの人から信用されます。
 自己理解は簡単なようでそうでないような、見えない壁に挑戦するような話です。私はリードプロジェクトという事業を通して皆様の知的向上のお手伝いをすることが人生の目標ですが、これを見つけることに30年以上…といっても生まれてからの年月ですが、かかってしまいました。自分の理解となると人生目標だけでなく性格、傾向、環境、相性などいろいろな事項が出てきます。これら全てを理解したなどととても自分に言えるわけもなく、たとえ理解したとしても、新たな気づきは必ず訪れるでしょう。自分とは長い年月の付き合いになりますから、自己理解に努める価値は高いと思います。

②Servant Leadership(支援するリーダーシップ)

 部下の能力を引き出すために奉仕をするリーダーシップです。みんなに「リードされている」と感じさせず、「自分でやり遂げた」と思えるようなリードをします。
イメージしやすいのは「コーチ」で、まだ仕事の要領を覚えていない新人に対し、レベルに応じた適切なアドバイスで仕事を支えます。部下のレベルを理解する必要があるため、他者理解がある程度求められます。

③Transformative Leadership(変容をもたらすリーダーシップ)

 自分だけでなく自分のチームを変容できる力を持ったリーダーシップです。適切な変化ができるリーダーが率いるチームは業績がよくなり、メンバーの満足度も高くなります。
現在のビジネス環境において「変化」は必要不可欠となりましたが、特にIT業界やDX(デジタル・トランスフォーメーション)においては環境の変化が速いためより重要となります。

④Cross-Border Leadership(壁を超えるリーダーシップ)

 人と人との間にある「壁」を超えて、違いを持つ人々がお互いの違いを尊重しあう環境を作れるリーダーシップです。最良の人間関係を長く続けられるため、安心して仕事に取り組むことができます。
 異文化理解力の本紹介記事でも書きましたが、日本は単民族国家なのでこの能力が低めです。同じ日本人なのでそこまで必要ないということですね。逆にアメリカは移民が多いので「壁」がどうしてもできてしまいます。だからこそ、このリーダーシップが重要視されているわけです。
 では日本ならいらないのか?というとそうでもなく、日本でも移民は増えてきていますし、何より日本人でも性別や性格の違いはあります。人間関係の悪化による退職というのは日本でも珍しくありません。日本であるがゆえにこの能力を磨くことは簡単ではないですが、まずは人と人の間にある「壁」を認識することから始めてみてはいかがでしょうか。

最後に

 『スタンフォード式 最高のリーダーシップ』では他にも「リーダーに必要な4つのスキルの詳細」など、マインドフルネスやEQ理論を通じたリーダーシップを理解できる内容となっています。気になった方は読んでみてはいかかでしょうか。

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