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平成最後のフジロック

2018年7月。平成最後の夏。
20周年を迎えたこのイベントの3日目に参加してきた。
数多くの偉大な人々と言葉によって叙述されてきたこのイベントを改めて自分の言葉で書き残したいと思う。

世界一クリーンなフェスと称されるフジロック。
大自然との闘い・共存を思わせる苗場の自然環境という他では真似できないライブ環境。
フジロッカーと呼ばれる根強いファンを生み出す独特の雰囲気。

だが、何と言っても
野っ原一面に広がるテントはこのフェスの象徴だ。

ロックフェスの走りとなった60年代アメリカのウッドストック・フェスティバルでのヒッピーとか難民キャンプを思わせる光景が新潟の山奥の奥
苗場で展開される。

苗場のバブリーな雰囲気×キャンプ文化×音楽
そのどれもが私の胸を躍らせた。

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前日は
上越国際スキー場駅の民宿に宿をとっていた。
このあたりはスキー客を狙っての民宿が非常に多い。

イベントで押し寄せる客に地元の方もうんざりしているかと思いきや、
話をきいてみると、宿の利用者も増えるし、イベントさまさまのとのこと。

関係者の前乗り準備期間中の宿泊や飲食も含めると地元経済に及ぼす影響は計り知れない。

越後湯沢駅前にあるうどんすきの店に入った時も、店員さん含め多くの人がフジロックというイベントに対して、好印象を持っていた。

少なとも実利がある方々は歓迎してくれているようだ。

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翌朝、8時頃のバスに乗る。

そこまで混雑はない。

車内では延々 分別や分煙などマナーに関する映像が流されていたが、このようなマナーが自然発生的に守られているからフジロックが凄いのであって、
お上からあーだこーだ言われ筋合いはないだろう。

なによりその運営姿勢がロックじゃない。
何がロックかの議論は他に譲るとして、
ほどなくバスは苗場プリンスホテル前に到着。

高原特有の清々しい空気に包まれる中、会場へ。

そこら中にあるのは
テントと仮設の椅子とトイレ。

様相は
遊牧民のお祭りの感があった。

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国籍不明のアートがたくさん散りばめられ、テーマパークとなる。

その土地の文脈とはあまり関係なく突如として、登場するステージやアート作品たち。

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ふらふら散歩しているうちに、早く音が聴きたくなった。

早く音を聴かせろー!!」と心から願っていると
木々の隙間からギターの音色が聴こえてきた。

ボブ・マリー
「no woman no cry」

カバーだが、情感たっぷり。
周囲の森に溶け合い、絡み合い、聴いてて心地いいことこの上ない。

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迷い込んだそこは中井大 氏のステージだった。

時間より早かったが、洋楽カバーメドレーをやっていたのだ。

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だが、朝の目覚めには何か物足りない。
そうなると聴きたくなるのは
ハードコアだ。

続いて迷い込んだのは333のステージ。
カッコよくて暴れまわる音楽をかき鳴らしながらも、体型は少し太った中年と来たもんだ。
なんだか妙に愛らしくなってきた。

激しい音楽を鳴らしながら、お腹が跳ねる。揺れる。たわむ。
新時代のハードコアをそこに見た。

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引き続いて会場を見歩き
数多くの伝説のライブを生んだGreen Stageへ
Suchmosヲ聴ク。
ギターをぐいぐい搔き鳴らし、ベースも安定したいいバンド。

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バランス良く上手い。

近くにあった
REDMARQUEEスタージにも顔を出したが、出入り口が一つしかない致命的構造のため、そこまで楽しめず。。

出演していたバンドHINDSは良かった。
世界が恋に落ちたガールズバンドという形容は伊達でなく、とかく可愛かった。

そしてまたもやWHITESTAGEへ戻る。

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Kacey Musgravesのステージ。

米国発のシンガーソングライター。
ふんわりギターミュージック。森との親和性高く、心を鷲づかまれた。

そしてまた

飯を食べる。酒を飲む。また飯を食べて、音と親しむ。

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フジロックを「自分を取り戻す場所」

にしている人も多いのかもしれない。

夕方に入り、真打ち登場。

まずは、ジャック・ジョンソン

アメリカ国民の共感を誘う歌詞が特徴だ。

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続いて出ましたボブ・ディラン

「悩んでも仕方ない。答えは風の中さ」とフジロックの森に包まれ歌い紡ぎあげる。

遥か彼方まで埋め尽くした観客はレジェンドの登場に酔いしれていた。

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私的に最も最高のステージを披露してくれたのが「Vampire Weekend」。
登場から鳥肌がたった。

これが本物のロックスターか。。

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夜中の心地いいエレキサウンドとテンポの良さに溢れたハワイアンロックに自然と体が揺れる。
気づいたら自分の周りにいた人皆が、その場でステップを踏み、国籍性別を超えたダンスパーティが始まった!

どこかのステージで誰かが言っていた
「俺たち言葉は通じないが、音楽を通じて語り合えるなんて最高じゃないか?」
って言葉を思い出し、鳥肌が立った。
A−Punkを大合唱。
そして
「最高の曲を引っさげてまた戻ってくる」と語ったVampire Weekend

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またぜひ日本へ。

こうして私の初フジロックは幕を閉じた。

来年はキャンプサイトでヒッピーになりたいと思う。

一言で

人間讃歌!文化!ビール!音楽!それは至高の贅沢




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