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#25 ド〜する?!日本の介護事業者

こんにちは。弊社ベストライフは、おかげさまで11期目を迎えることができ、先日全従業員の皆さんに向け経営方針発表会を行いました。そこで今後の業界における環境変化について話した部分を、ブログでも少しまとめたいと思います。

事業者に都合の良い制度改正は期待できず。

図1 弊社『第11期経営方針発表会より(2023.4.14)』スライドより

介護保険事業者にとって冬の時代が続いている。受け皿確保のために介護サービスを民間へ解放して20年ほどが経った今、通所介護などは、もはや新規参入が有り難がられるという状況ではなくなっている。

 また、市町村権限でデイサービスの新規出店をコントロールできる地域密着型は、数年前から規制する地域が出始めている。多すぎるのである。利用者が100%自腹で払ってデイサービスにいくのであれば多すぎて困ることはないのだが、介護保険によって自己負担は1割、残り9割の保険給付の財源が不足し、これ以上新規出店させるわけにはいかないのである。

 国もサービスの単位数を見直したり、“地域包括ケアシステム”という錦の御旗を掲げて介護保険を利用できる対象者を絞り込んだり(介護予防日常生活支援総合事業)と必死である。介護事業者の評価もアウトカムをより重視し、期待に応えていない事業者には退場してもらって良いですよ、と言わんばかりである。

国の次の一手がヤバそうである。

そんな状況の中、次に国がやろうとしていることが結構ヤバそうなのである。

図2 弊社『第11期経営方針発表会より(2023.4.14)』スライドより

これまでも、大規模事業者と比較して収支差率の低い小規模事業者の再編・統合・大規模化の推進が指摘され続けてきたのだがなかなか進んでいなかった。
 それが、コロナで従業員の陽性や濃厚接触者が出て、小規模事業者ほど人員確保ができずにサービス継続が困難な状況が浮き彫りになったことにより、国にとって再編・統合・大規模化を一気に進めるための口実になってしまった。

 図2は、財務省の資料を引用する形で弊社の経営方針発表会で使用したスライドであるが、さらっととんでもないことが示されているのである。
 介護事業者にとって、介護報酬の単位数が上がるのか下がるのかは大きな関心事である。現状では事業者全体の平均収支差率を基に報酬改定が行われているが、今後、収支差率の低い小規模事業者はその計算から除外し、複数の拠点を持つ法人や大規模事業者など「一定の経営基盤を有する法人」の平均収支差率を基にして報酬改定すべきということが書かれている。つまり、小規模事業者にとっては、今後の報酬改定に耐えることが厳しくなるということである。ちなみに事業者全体の4割が1法人1事業所の小規模事業者である。

頭は常に柔らかくしておきたい。

図3 弊社『第11期経営方針発表会より(2023.4.14)』スライドより

介護保険制度について書いてきたが、より大きな視点で見ると、介護だけでなく、日本の社会保障自体がこれからも続くという前提から疑った方がいいような気もする。
 毎年の年金・医療・介護・福祉の年間給付額は国家予算を上回っている(図3)。これに比べると防衛費を6兆だか7兆だかに増額する話なんかは小さいように感じてしまう。
 さらに2040年くらいまでは高齢者人口が増え続けるので、120兆円では全く足りなくなる。しかし財源の半分以上を賄っている保険料は、労働者人口が減る局面で増えていくことは考えにくい。保険料のアップもあるだろうが、そもそも労働者の賃金が上がっていないのでこれ以上の負担は限界だろう。税収も同じである。

 …というくらい見通しが厳しいので、介護保険制度で求められていることを理解し愚直にしっかりやっておけばOKという考えで果たして良いのだろうか、とも思えてくる。
 今期11期目の弊社では、「制度の期待に応える」という原則を大事にすることで、ここまで成長することができた。しかし、「これが正解である」と決めつけず、常に頭を柔らかく、いつでも柔軟な発想ができるようにありたいと思う。

おまけ:介護保険制度が崩壊した世界線を考えると。

引用:株式会社マルハン WEBサイトより

最後に、もし介護保険制度が崩壊したとして、今提供しているサービスが10割負担となっても利用者は来てくれると思いますか?

 私自身、この問いに「YES!」と即答できるかというと、ちょっと詰まってしまう。そんなことを考えてかどうか、パチンコ店大手の株式会社マルハンが、『ラスベガス』というデイサービスを開業した。ラスベガスは、日本シニアライフ株式会社が全国展開されているデイサービスで、この度ライセンス契約によってマルハンの子会社にて開業することになったようである。
 保険給付でパチンコや麻雀をさせることの是非については以前より賛否があり、介護業界の人ほど冷ややかな目線で無関心のような気がするが、そんな“プロたち”の意見はよそに、しっかりとユーザーの心は掴んでいるようである。果たしてサービスが10割負担になっても、弊社のデイサービスはラスベガスと勝負できるだろうか?そういう視点も忘れずに経営せねばと思う。

#デイサービス #経営 #介護 #リハ特化 #在宅支援

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