見出し画像

中三の夏、最後の大会で蹴ったPK

ナマステ!
本日は事務所の移転手続きで秋葉原に。その後親友の家で作成中の広告動画の最終チェックも兼ねて作業しておりました。今日が金曜日ということに先ほど気づいた宮田です。

本日は
「中三の夏、最後の大会で蹴ったPK」

"PK"という言葉をご存知だろうか。
サッカーをやっている人だけでなく、スポーツが好きな人ならなんとなくわかるこの言葉。しかし、サッカーに詳しくない人はあまり知らないのではないだろうか。よく”オフサイド”がよく分からないという話を聞くが、オフサイドよりは簡単だ。

PKはペナルティ・キックの略である。ペナルティエリアというゴール付近でファールなどがあった時、キーパーと一対一で至近距離で蹴るやつ。本田選手がW杯にいけるかどうかの運命の一戦で、PKをど真ん中に蹴り込んだのをご存知の方も多いかもしれない。

PKの説明は一旦この辺りにしておいて。

僕は、小学校2年生から中学3年生までずっとサッカー一筋だった。まあサッカーには本当に色んなことを教えてもらったのだが、僕は大して上手くもなかったので、高校では音楽の道に進んだのだけれども。

僕は中学ではクラブチームなどには所属せず、部活動でサッカーをやっていた。小学校の頃はキーパーがいなかったので泣く泣くキーパーをやったり、中学2年の途中で突然フィールドプレイヤーになったりとかなり慌ただしかった思い出がある。

そんな僕のサッカー人生が終わった日のことを書きたい。

僕らのチームは、夏の最後の大会の1回戦を3-0で勝利し、次は2回戦という状況だった。まあ正直優勝が狙える程のチームではなかったのだが、中学最後の試合が一回戦で終わらなくて良かったなとあの時は思っていたと思う。

そんな2回戦は中々の接戦だった。
前半に僕らのチームが一点を決め、このまま終了するかと思われた後半に、相手チームに一点返されるという展開。同点のまま前後半が終了し延長戦へ。

延長戦も拮抗した戦いが続き、延長前半終了。その辺りから僕の心臓の鼓動はかなり早くなっていた。

なぜそんなドキドキしていたかというと、遡ること2か月前。

別の大会の1回戦で、僕らのチームは確実に勝てる相手と引き分けたのだ。そして勝敗を分ける戦いとしてPK戦が行われた。

僕は一番手。これまでPK戦を経験した回数はわずか2回。人生の中でも1.2を争う緊張感の中で、1番手を任せられた。

そして、迎えた僕のPKは見事にゴール左隅をかすめて左に逸れていった。外したのだ。正直、かなり狙いすぎた自分もいたが、完璧に気持ちで負けていた。

僕が外したあと、チーム全体の指揮も下がり敗北。かなりのトラウマを抱えた。

そんなトラウマがあったので、延長後半くらいで急にPK合戦が脳裏に浮かんできたのだ。僕は高鳴る心拍数を隠すために、ただひたすらボールを追いかけていたと思う。

そして無情にも審判のホイッスルは鳴り響いた。延長戦終了のホイッスルだった。

そこからベンチに戻り、PK戦のスターティングメンバーの発表が顧問の先生から行われた。僕の顔はその時青ざめていたと思う。前回のトラウマが僕を小さくしていた。

そんな中でも顧問は、

「一番手は、キャプテンの宮田でいこう」

と言った。

正直、僕はかなり困惑していたと思う。蹴りたくないとも思っていた。前回外した僕はPKのメンバーから外れると思っていたから。

それでも、顧問は僕を信頼して、中学最後の試合になるかもしれないこの大一番に僕を選んでくれた。名誉挽回のチャンスをくれていたと今では思う。

僕は覚悟を決めてグラウンドへ向かった。ボールをセットした時、前回の外した記憶がフラッシュバックした。

でも、なんだがその時はリミッターが外れていたのかもしれないが、全て忘れることにした。顧問の先生の信頼だけを胸に抱えて。

そして、中学最後の試合になるかもしれないこの日に、僕は蹴る覚悟を決めた。

正直ほとんど覚えていないのだが、とにかく思いっきり蹴ること、後悔しないことだけを心に誓って蹴った。

幸いにもボールはゴールの左隅に突き刺さった。PKが成功したのだ。安堵で崩れ落ちそうな自分を何とか誤魔化して、メンバーがいるところに戻った。

その後、他のメンバーが立て続けにPKを外してしまい、敗北。僕のサッカー人生は幕を閉じた。

その時は、負けたという事実を受け入れるのに時間がかかったのと、自分がPKを決めたことの安堵とでいっぱいいっぱいだった。

今になって思う。
最後のあの大舞台で、前回の失敗を挽回させてくれた顧問には今でも頭が上がらない。最後まで僕を信頼してくれて、後悔のないサッカー人生を送らせてくれた。
 
と、ちょっと昔話もしてみたり。フェリベトウンラ!


この記事が参加している募集

夏の思い出

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?