見出し画像

そろそろ職場で真剣に「銭金の話」をしたほうがいいかもしれない

先日の報道番組でハワイの物価の高さについての特集がありましたが、日本なら600円ぐらいのトンカツ弁当が何と4500円(32ドル)もするとのことで、海外旅行の厳しい現実を改めて思い知らされました。
(これでは水際対策が完全に撤廃されても海外に行く気にはなれません…)

こんな感じで今では何かと「安いニッポン」なんて揶揄されていますが、何でこんなに貧しくなったのかについては政治だの国際情勢だの色々な意見はあるものの、一つ身近なところにも大きな要因があるのではないかと考えています。

それは本来はお金を稼ぐことが目的であるはずの職場で「銭金の話」がほぼタブーになっているということです。

例えば営業部門では「今期の目標は〇〇億円だ!」「達成率は〇〇%だ!」という話はさんざんするが、「これだけの売上を上げれば会社はこれだけ儲かるので、みんなの給料もこれだけ上がるよ」なんて話はほとんど聞こえてきません。

また、評価面談の場でも上司は「今期は目標に対して達成率が95%だったので、評価はBのままだね」という話はするものの、部下に対して「年収を100万円上げたいなら〇〇をする必要があるよ」という話を上司がすることもほとんどありません。

(下記は以前に書いた記事です)

本来は会社の業績は個人の給料に反映されるものであり、個人にとっては自分の給料が上がるからこそ仕事で頑張る意味があるのですが、そこが切り離されてしまうと売上目標は単なる「押しつけられた数字」になってしまい、仕事は「嫌々やるもの」になってしまうため、これでは生産性も上がらず、高い付加価値なんて生み出せません。

そして「銭金の話」を避けているうちに企業としての稼ぐ力も落ちてしまい、結果的に給料も伸びずにみんなジリ貧になっていくのが今の日本の姿ではないかと思っています。

こういうことを言うと不快に感じる人もいらっしゃるかと思いますが、日本の働く人は世界一真面目で勤勉なのに、給料が増えないのは「お金にならない無意味な仕事」を一生懸命やっていることに他なりません。

売れないものを一生懸命大量に作ったところで、売れなければ1円にもならないというわけです。そんな無駄なことに時間と労力を費やすぐらいなら昼寝していたほうがマシかもしれません。

そんなわけで、個人的には職場で真剣に「銭金の話」が飛び交うようになるとかなり変わるのではないかと思っています。

例えば

「その仕事って本当にお金になるのか?」
「それをやることでお客様は本当にお金を払ってくれるのか?」
「この会議の時間って私たちの給料に見合うのか?」

といった会話があると、お金にならない無意味な仕事に時間を取られることが減っていくので、その分本当に意味のある仕事(お金になる仕事)に注力することができます。

もちろん、何がお金になるのかやってみないとわかりません。やってみた結果無駄だったということもあります。

しかし、それも「銭金の話」をするからこそ気づくのであり、「銭金の話」から目を背けてしまうと「とりあえずやってる感」で始めたことを延々とやり続ける羽目になってしまいます。

と、ここまで長々と書いてきたものの、やはり「銭金の話」は卑しいものとして敬遠したくなる気持ちもわかります。

また、みんながみんな給料を上げたいとは限りません。
中には「私は今の給料のままでいいので、無理なく仕事をしたい」という人もいらっしゃいます。

ただそれも「銭金の話」をするからこそ相互に理解し合えるのであり、「銭金の話」を避けてしまうと本当は今の給料のまま無理をしたくない人に「もっと上を目指せ」と無理強いしてしまうことにもなります。

何だかんだで「お金」は大事なことなので、サラリーマンこそもっと職場で堂々と「銭金の話」をしてもいいかもしれません。

「お金」に対する考え方は本当に人それぞれなので、「銭金の話」こそ多様性に富んだ話題であると言えます。

最後までお読みいただきありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?