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8%がもたらした歪み、ふたたび?

「結局、経済成長の終わった先進国に暮らす私たちは、増税を受容して何とか暮らしていくしかないのだが、受容と黙認は違う」

作家の高村薫さんの「作家的覚書」の中に、2014年4月に、消費税が8%に上がった時に書かれた文章(読売新聞2014年4月22日、寸草便り掲載、八%がもたらす歪み)がありました。

高村さんは、増税について「受容と黙認は違う」と強調された後、以下のように続けています。

「たとえば税金の使い道は適性だろうか。今回の消費増税は、そもそも社会保障費の増大に対応しながら財政再建を進めるために行われたはずだ。ところが、国家予算は相変わらず膨張し続けているし、医療制度の見直しもほとんど進まず、逆に復興特別法人税の前倒し廃止が決まったり、法人税減税が俎上にのぼったりする始末ではないか」

「いったい何のための消費増税だったのか。8%のうわついた騒ぎに躍っただけで政治のルーズさに怒ることもしなかった私たちは、まだどこかで根拠のない甘い夢を見ているにちがいない」

私は、2014年に書かれた高村さんの文書を読んで、あれ?あれ?と思いました。

10月1日、消費税は8%から10%に上がりました。

やれ、ドラッグストアやスーパーで9月30日に駆け込みのお買いものがあったとか、

8%のものと、10%のものがあって分かりにくいとか、キャッシュレスがお得だとか、それって、やっぱり「うわついた騒ぎ」よね。

今回の増税も、社会保障費の増大に対応して財政再建することが目的だと、

聞いたような…。

私は、結局、黙認してしまっているのかもしれません。

この増税分、本当に、目的を果たすために使われるのかしら?

そこのところ、どうしたら、確認できるだろう。


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