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娘に贈る恋唄

二人の娘を授かって以降、心にグッと沁みてくる曲が増えたように思う。特に「花嫁」(はしだのりひことクライマックス)、「速達」(ばんばひろふみ)、「木綿のハンカチーフ」(太田裕美)の三曲は、涙なしには聴けなくなってしまったほどだ。

この三曲を聴くと、自分の娘たちにも「いつか来るであろう、その日」を、意識せずにはいられないからだろうと思う。

幼いころ、大きくなったら父ちゃんと結婚したいと言っていた娘たちにも、今や煙たがられる存在になってしまった。娘たちが成長している証だ。喜ばしい限り、負け惜しみではない😢

実際早ければ、あと数年もすれば、「会わせたい人がいる」と言ってきても、不思議ではない年齢に、長女は差し掛かってきている。

二人の娘には、誰と付き合ってもかまないと言っている。異性でも同性でもいいし、赤であろうと、白であろうと、黒であろうと、黄色であろうとかまわない。ただし、義理と人情を解さない奴は勘弁してくれと、酔った時などに冗談めかして話している。

また、その話の続きに、「だけど、お前たちがどんなパートナーを連れてこようと、父ちゃんは絶対に会わへん」と付け足すことも忘れない。

そんな父ちゃんの話を、娘たちがどれぐらい真面目に受け取っているのかは知らないが、僕としては本気も本気で言っている。

娘を持つ男親としては、という言葉使いがもう古臭くて、娘をやりたくないなどと言えば、子どもは親の持ち物ではない、子どもの人権無視だと批判されるだろうと思う。

ごもっともである。わからいでかいな~。他人様に対してなら、そのように理性的にいられるのだろうが、いざ自分の娘ともなると、いとも簡単に道理が引っ込む。
ダメダメな親父である。

だけど、娘たちよ。

「花嫁」、「速達」、「木綿のハンカチーフ」を君たちに贈ろう。

結婚しろ、早く孫の顔が見たいなどと、言うつもりは一切ない。一生シングル。娘たちが自分で決めたことなら、それも結構なことだ。

だけど、娘たちには、できることなら、人生で一度ぐらいは、身を焦がすような「恋愛」を経験してもらいたい。さらに、無いにこしたことはないのだろうが、「失恋」の辛さも経験してもらいたいとも、父ちゃんは思っている。

郵便物は来ないはずの日曜
思いがけず着いた赤い速達
日差しうすい窓で 読んだ文字が
なぜか なぜかにじむ 冬の黄昏

一度二人でおいでとだけ
書かれた手紙 握りしめて
すぐにあなたに 会いにゆこう
心の中で くり返してる  

父が 許して くれました            
             「速達」 ばんばひろふみ



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