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長時間労働の従業員側の問題点

現場で長時間労働を強いられていた私は、悪いのは経営者側ばかりではないと感じています。
「働き方改革」はある種『流行』となりました。
ブラック企業の実話は需要が高く、その手の話しは私も腐るほどもっています。
そんな私が、あえて今回は従業員側の問題点を記事にしてみたいと思いました。
『いいね!』や『フォロワー』を集めるためには、どちらかに偏ったインパクトのある記事がうけます。
ですが、私は客観的に生産性のある記事を書きたいので、実際のところをそのまま文章にします。

経営者側の方には「どうしてこのようなことが起こるのか。」を。
労働者側の方には「自分はどうなのか。個人のスキルを上げるためには。」を。
記事から考えて頂ければ嬉しいです。

残業2時間、ムダ2時間のある日のできごと

工場内にある事務所で、設計から購買担当まで入った広いワンフロア。
部署ごとに机の『島』をつくっています。
私の机からは、フロアのほとんどが見渡せました。

ある日。
工場の従業員から、「必要な書類をもらっていない。作業が進められない。」との連絡が事務所の人間に届きました。
私が見た限り、そこから2時間程度、4~5名集まって以下のやり取りを続けました。

「なんでなくなっちゃうの?」
「本当に発行したの?」
「はんこ?誰にもらったの?」
「誰が発行したの?」
「次は誰にまわしたの?」
「そのあとは?」
「この机にあったの見た?」
「本当に次の人に渡した?」
「俺は間違いなく次の人に渡したよ!」
「本当は発行してないんじゃないの?」
「もらったけどなくしたんじゃないの?」
「じゃあなんでないのよ!」

可能性はいくつかあります。
1. 発行モレ
2. 受け取ったけどなくした
3. 誰かが間違えて処分した
原因の特定は『すぐにやらなくてはならないこと』でしょうか?

私が思うに、「必要な書類がない」と連絡が来た時点で、発行担当の方へ「忙しいところ申し訳ない。もしかしたら失くしちゃったかもしれないんだ。悪いけど再発行してもらえないかな。」と頼めばいいと思うんです。
パソコンから印刷すればいいだけの書類です。
発行してもらったら現場へ持って行って、直接手渡せばいい。
現場の作業はそのまま進めることができます。
渡したらその問題は終了です。

『どこで誰がミスしたのか』は大きな問題ではありません。
今、作業が止まることが問題です。
真っ先に作業を流すための行動が必要です。
その後、『どうしてこのようなことが起きるのか』を問題にします。
誰が悪いかの問題ではなく、『どうすれば同じような問題が起きないか』を問題にするのです。

・机の書類に埋もれてしまうのならケースに入れる
・電子化してメールでのやり取りにする
・一人の担当が責任をもってまわす
解決策はいくつかあります。
その中で、関係者でどの方法が妥当かを相談し、やってみます。
それでも同じような問題が起こるのであれば、また別の方法を試します。
それではだめなのでしょうか?

同じような騒ぎは時折起こります。
私はこの一連の流れを見ていて、会話のやり取り自体が
『トラブル発生!大変な業務!!』という位置づけなんだろうな。と感じました。
数人で集まって他部署の悪いところを言い合う。
「だからだめなんだよ。」
「俺たち迷惑かけられて大変だよな。」
この会話が『大変な仕事』という扱いなのです。

この騒動の中心にいた人は、その日2時間程度の残業が発生していました。

的確に指示・指導できる上司がいない

その場に的確に指示できる存在がいたらどうでしょうか。
「〇〇さん、今すぐ書類を現場へ持っていってもらえる?」
とりあえず現場に書類を届けさせる。その後、
「書類を間違いなく渡すにはどうしたらいいかな?」
関係者を集め、意見をまとめて改善案を試すよう指示する。

落ち着いた後、ゆっくり指導します。
「必要な書類を持っていくことが先だよ。『誰がミスしたか』ではなく、『どうすればいいか』を考えなくてはだめだよ」

一つ一つのケースで指導することはとても重要です。
実際に現場へ走り、あわてた体験と強く結びつきます。
きちんと指導を受けた人は、次に同じような問題が起きても落ち着いた対応が可能でしょう。

例えば、現場の担当者から怒声を浴びたとします。
書類の発行担当者から嫌味を言われたとします。
それも含め、この場でフォローすることが理想です。

事務所5名+工場数名×2時間

ムダにした時間です。
会社にとってもムダな時間と経費(人件費)ですが、本人たちにとっても大きなムダです。

この騒ぎを『仕事』と位置づけ、日常的に行うことは彼らのなにを育てるのでしょうか。

私自身、こういった騒動の輪の中にいたこともあります。
実体験を客観的に切り取ると、
『愚痴るだけでいいから楽』
『人の足りない部分にフォーカスすることで感じる優越感』
長時間労働の憂さ晴らしで長時間労働を呼び込む。
労働者側の意見として、実際にこのような出来事は数多くあります。

労働者側として、労働者側に問いたい。
勤めている会社がなくなる可能性を考えたことはありますか?
転職をイメージしたことがありますか?
自分の市場価値を考えたことはありますか?
武器になるものはありますか?

経営者(管理者)側へ問いたい
どうしてこのようなムダが発生するか考えたことがありますか?
部下(従業員)がなんのための仕事をどのように行っているか、概要だけでも把握していますか?
役職者は適材適所に配置されていますか?

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