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醤油煮汁がしみしみイワシの生姜煮 お醤油との繋がり良しサルディーニャ島の赤ワイン

バーガーチェーンでのテイクアウトが続いたためか、癒しの和食が食べたくなる。

仕事帰りにスーパーに寄ると、ちょうど求めていたお惣菜が目に入る。イワシの生姜煮(409円)。

3尾は仲良く整列、トップに生姜の千切り。醤油ベースの煮汁にザブンと浸かっている。煮汁が多いと必然的に漏洩リスクが高まるが、それでも消費者の口に入る直前まで煮汁を魚体に染み込ませようとする崇高な精神!もしかすると煮汁が漏れたとクレームするようなお客もいるかもしれない。が、そのリスクを甘受してでも美味しさを届けたいのか。スーパーのお惣菜コーナーで、事なかれ主義で一日を終えた自分が恥ずかしくなる。イワシの生姜煮だけを持ってレジに。

過去、イワシを梅煮にしたものをスペインのカヴァ、フランス ロワールの赤ワイン(ピノ・ノワール品種)に合わせていた。後者となかなか良い相性を見せてくれた。

自宅でお皿にのせて『いただきます』。醤油ベースの煮汁はイワシの旨味を際立てる。イワシに染み込んだ煮汁がそのまま私の身体に染み込んでいく。トッピングされた生姜が余韻を爽やかに、次のひと口を誘う。
どのワインに合わせようかとセラーで開栓済ワインを眺めて一考。スペインのスパークリングワイン カヴァ、イタリア サルディーニャ島の赤ワイン(カンノナウ品種)を取り出す。いずれも1本2,000円台前半。

フードフレンドリーなカヴァの泡、果実味、酸味は期待通り、予想通りの相性。生姜の効いた醤油ベースの煮汁を吸ったイワシの旨味に一歩踏み込んだ好相性を見せてくれたのはサルディーニャ島の赤ワイン。

さて、イワシの生姜煮とそれぞれのワインの相性について詳しく。


パーラ, チェントセーレ, カンノナウ, イタリア, サルディーニャ, 2021, 14%, 2,189円
Pala, Centosere Cannonau, Sardegna, Italy

パーラは創業1950年。海抜150~180mに位置する粘土石灰質土壌の畑から樹齢平均35年のブドウを使用。名前のチェントセーレは「何百もの夜」という意味。なんだかロマンチック。
香りには完熟アメリカンチェリーに野イチゴ、ドライローズ。全房発酵かヴェジェタルなニュアンス。黒コショウのスパイス、ミント、ダークチョコレートのビターなニュアンス。
味わいには瑞々しくもパワフルで甲高い調子の果実味。強めのアルコールに喉が少し熱くなる。甲高い酸味、中盤から余韻にかけてビターネス。しっとり当たり持続的なタンニン。

イワシの生姜煮にワインを合わせる。ワインのやや甲高い果実味、ほどよく緩さのある果実味は驚くほど醤油との相性が良い。醤油の余韻にワインが一体化。生姜の爽やかな香味はワインが含むミントや黒コショウのハーブやスパイス香に相性良い。煮汁との相性そのままに、イワシにも調和が展開していく。素晴らしい相性だが、イワシの旨味への繋がりはさらに高いレベルを期待していたので四つ星。相性: ★★★★☆

このワインはサバのカレー風味野菜炒めとも好相性だった。お魚好きは常備しておいて損はないサルディーニャの島ワイン。


アンヌマリー, コンテッスカヴァ, ブリュット・ナチュレ, レセルヴァ, NV, カステル・ダージュ, スペイン, 12%, 2,266円
Anne Marie, Comtesse, Cava, Brut Nature, Reserva, Castell DAge, Spain

バルセロナ近郊でビオディナミ栽培されるブドウを使用。チャレッロ、マカベオ、パレリャーダ品種のブレンド。ゆっくりプレスしステンレスタンク内発酵、24ヶ月間瓶内2次発酵後、補糖無しで瓶詰めされたドライなスタイル。
香りにはリンゴジャム、バニラ香、白コショウに微かに干しワラのヴェジェタル、海藻のミネラルのニュアンス。白い花とアカシア、厚みありつつも上品なまとまり。
味わいは瑞々しくジューシーな果実味。きめ細やかな泡の舌あたりが心地よい。キレのある酸味、余韻に苦みやミネラルのニュアンスに富み、上品でドライなフィニッシュ。

イワシの生姜煮に。ワインのスパイシーなニュアンスは生姜への繋がり完璧。ただ、醤油ベースの煮汁を含んだイワシの旨味への繋がりは期待を超えなかった。ケンカはしなかったが。相性: ★★★☆☆

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