れん子

小さな都会のどこかで、ひっそりとクリエイティブの仕事をしています。散文。Twitter…

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小さな都会のどこかで、ひっそりとクリエイティブの仕事をしています。散文。Twitterやっています。 |民俗学や歴史が好き|アジア文化|お酒と音楽|寺社仏閣 | 写真 |ソロ活が好き|

最近の記事

心中| 何者でもないことが苦しいという話

大きくなったらアイドルになる! 大きくなったらプロ野球選手に!  そんな夢を誰もが一度は持ったことがあるだろう。かく言う私も、子供の頃は「アクターズスクールに入って踊れる歌手になりたい」と母によく言っていた。中学生になれば「漫画家になりたい」「音楽家になりたい」そんな大きな夢をいつも心に持っていた気がする。 しかし、実際はどうだろう。どれだけの人がその夢を叶えることができたのだろう。 私は高校生になると、自分には歌の才能も、楽器の才能も音大へ進学する余裕も、絵の才能だって

    • 転職 | 骨を埋めると心に決めた会社を辞めた話

       骨を埋めると心に決めた会社を最近辞めた。  理由は色々あるが、一番の理由は「勢い」で、未だに自分でもやめた実感がない。  まずは時を戻そう。  私はリーマンショックと東日本大震災の影響で就活に大変苦労した「13卒」だ。今のリクルートがどのようなものかは採用目線でしかわからないが、当時は完全な買い手市場だった。  洗脳のようなインターンシップ、息苦しいほど大人数の集団面接、水面下でマウントを取りあうグループワーク、必要以上にプライベートなことを聞かれたり、「あなた大学に行

      • 対処 | 憂鬱と一生向き合っていく生活

        物心がついた時から、どこか憂鬱に陥りやすい性質があった。 それはふとした会話の最中だったり、天候に左右されたり、悲しいニュースを見たときなど。タイミングは本当にバラバラだった。 憂鬱は、数日に一回起きることもあれば、一年に一度だけど数か月続くようなこともあった。理由は特にない。誰かに酷いことを言われたり、辛い目にあったりというようなきっかけはない。 もちろん、上記のような「きっかけ」のある憂鬱に直面することもあるし、そういった場合はしっかり落ち込む。だけど「きっかけ」が

        • 写真 | 梅が見頃になるとひとり思い出すこと。

          今日、約2年ぶりに梅の花を撮影してきた。 元々、大学時代から写真を撮ることが趣味だったのだが、仕事でも必要に駆られてカメラを手にすることが増えてから(とはいっても素人レベルだ)、なんとなく疎遠になっていた。 それが、仕事でまた撮影する機会が減っていくと、今度はまた趣味で写真を撮りたいと思えるようになった。私は仕事が好きだけど嫌いなんだと思う。好きなものを食べすぎると、しばらく食べたくないと思ってしまうのと同じ要領で。 ところで、私は梅の花が好きだ。 上品な香りと種類にもよるが

        心中| 何者でもないことが苦しいという話

          Spotify | すぐ隣にある幸せに気づけた3曲

          「すぐ隣にある幸せに気づけた3曲」今回は初めて企画に参加してみようと思う。 Spotifyさんが主催したこの企画、テーマは「#好きな3曲を熱く語る」。 企画に参加して見ようと思い立ち、さあどんな曲を語ろうかと考えたときに、上記のタイトルをテーマに3曲を語ろうと決めた。 すでに2本のエッセイをこのnoteに投稿していて、ご覧いただいた方はお察しかと思うが、私は大変ウジウジしていてネガティブだ。 そんな私でも「ああ、生きててよかった」「小さなことが幸福だ」とその3曲たちを

          Spotify | すぐ隣にある幸せに気づけた3曲

          真夜中 | 未来について考えだすと不安で眠れなくなる独り身の女について

          大学の友人達がついに全員結婚した。 アラサーと呼ばれる期間の数年間、彼女たちは身綺麗にして自発的に出会いを生み出し、しっかりと相手を見極める時間を設けたうえで結婚した。 もっと細かく言えば、いくらかのお金と時間をかけて髪や肌を綺麗にし、上品かつトレンドも抑えたおしゃれな服を着て、ドラマのような運命的な出会いはそうあるものではないから出会いがなければ自分から作ろうと行動を起こし、そこで出会った相手が伴侶になりうるか、フルに頭を回転させて見極めた。数年に渡る努力。天晴である。

          真夜中 | 未来について考えだすと不安で眠れなくなる独り身の女について

          煙草 | アラサーにして初めて煙草を吸った日。

          ※あくまで個人の感想で、喫煙を推奨するものではありません。  人生において吸ったことなんて一度もなかったのに、誕生日を迎えた次の日に突然タバコが吸いたくなった。ストレスというものは、今までであれば気に入りのケーキ屋で甘いものを買ったり、マッサージをお願いしたり、深夜にそっとお酒を飲むことでなんとかやり過ごせていたけれど、眠れない夜が続き日毎に自分が消耗して行くのを感じていた。  その日は土曜日だった。 土日が休みの私は、金曜までに溜め込んだ疲労とストレスと憎悪をどうする

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