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ネガティブな自分を変えるには?(中高生からの質問1)

皆さん、こんにちは! 在米24年目、ニューヨーク在住の音楽家・文筆家、伊藤玲阿奈(れおな)です。

先日、私の本を副読本として採用してくれた日本のとある高校とNYの自宅をオンラインでつなぎ、外部講師として授業を受け持ちました。もうすぐ卒業する高校3年生約100名が参加する「将来学:海外で接する仕事」という特別科目です。

自分の経験・ビザのこと・海外との意識の違い・・

いろいろな話題をお話したのですが、質問を受ける時間がなかったので、応急処置として、質問があれば感想を記入する用紙に書いておくように伝えました。すると、何人かの生徒さんから質問が来たので、ひとつひとつ回答して、担当の先生へと託しました。

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オンライン授業の様子

さて、その中に次のような質問がありました。生徒の長所をみつけて、褒めて伸ばそうとするアメリカの教育法を紹介したくだりからの質問ですが、これは大人にとっても切実な問題ではないでしょうか。

「私は自分と他人との差に目を向け、ネガティブになることが多いです。他人の良いに目を向け素直にほめたり、ポジティブになれるには、どういうことを意識したり行動をとったらいいですか?」

せっかくなので、以下に私の回答をシェアしようと思います。あくまで私個人の意見ですが、同じような悩みを持つ方へのヒントになれば幸いです。

私の回答

うーん、とても難しいことだよね。

だけど安心してください。大人の世界でも、自分を信頼できず、つまり自信をもてず、「自分を変えたいよ」って悩む人は大勢います。

かつての私はその典型でした。今でさえ、私はネガティブになって辛くなる時がしょっちゅうあるんです。私も皆さんと同じく、自分に厳しく、欠点を見つけて直そうとする習慣で育っていますし。くわえて、生まれながらの性格もありますしね。

大事なことは、自分を変える、自分をポジティブにするってことは、うまくいかないことを何度もくり返しながら、一生かけてやることだということ。皆さんの2倍以上の歳で、ネガティブな自分を変えようと長いこと頑張ってきた私でもそうなんです。つまり、最初から完璧には絶対にできません。これをまず頭にいれてね。

注意して欲しいのは、真面目で、真剣な人ほど完璧にやりたがるものだから、上手くいかないたびに「ああ、またネガティブになった!くそ!」ってなって、またまた自分を責めちゃうの。それって辛いよね。

だから、自分が死ぬときくらいまでに少しはポジティブになればいいや、優しい心になればいいやって感じで、気長に割り切って努力を続けてね。そして、そうでない自分が出ても、あまり自分を責めないでいいんだよ(特に若いうちは人のことが気になるし、暗い感情だってしょっちゅう出るのが普通なんだから)。

じゃあ、自分を責めないためにはどうしたらいいだろう?

ひとつだけ提案すれば、ネガティブになって失敗しても、自分のなかの悪いモノが、そのたびに外に出て行っているようなイメージを持つといいんじゃないかな。そうやって悪いモノが心から抜けて行くと思えば、自分もそんなに責めないで済むでしょ?

事実、心ってそんなものだと思う。イメージをしていると、長い時間かけて段々とそうなっていく。お爺ちゃん・お婆ちゃんになったときに、今より大分ネガティブさが抜けたと思えれば、それは大成功。じゅうぶん幸せな人生だと思うよ。

あとは、失敗したと思ってもいいから、勇気を出して、どうでもいいことでも良い所を見つける訓練して、口に出してみよう。いろいろあるとは思うけれど、やるうちに慣れて、いいタイミングで人をほめられるようになる。

よかったら私の本を参考にしてみて。最初から読むと退屈だし難しいかもしれないけど、本の後半(第4章あたりから終章)は、私が自分を変えようと思った体験をもとに、今いったようなことを詳しく書きました。

ネガティブな自分だって、ある意味では「慎重」「よく気付く」「ストイック」とも言えるし、それが人生では何かの拍子にポジティブに突然変わることだってあるよ。(自分がネガティブだと思い込んでいる)自分を責めずに、むしろ活かしながら、少しずつ変われるといいね!

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プロフィール:伊藤玲阿奈 Reona Ito
指揮者・文筆家。ジョージ・ワシントン大学国際関係学部を卒業後、指揮者になることを決意。ジュリアード音楽院・マネス音楽院の夜間課程にて学び、アーロン・コープランド音楽院(オーケストラ指揮科)修士課程卒業。ニューヨークを拠点に、カーネギーホールや国連協会後援による国際平和コンサートなど各地で活動。2014年「アメリカ賞」(プロオーケストラ指揮部門)受賞。武蔵野学院大学スペシャル・アカデミック・フェロー。2020年11月、光文社新書より初の著作『「宇宙の音楽」を聴く』を上梓。タトル・モリエイジェンシーのnoteで『ニューヨークの書斎から』を連載中。


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