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NVC「重要な差異(KD)」の新"追加"リスト✨


*トップの写真は、すでに出版されているKDに関する本2冊
(クリックするとAmazonに飛びます):
”Cracking the Communication Code" by Liv Larsson & Katarina Hoffmann
"Choice" by Kathleen Macferren & Jared Finkelstein


重要な差異(KD)とは?

Nonviolent Communication(NVC)では、従来の考え方とNVC意識の考え方の違いを探究したり、NVCを通した視点を明確にするためのヒントとなる「重要な差異(KD=Key Differentiations)」というものがあります。

これは、多くの場合、対になった2つの事柄で構成されています。

例えば、1番目は、Being Giraffe vs. Doing Giraffe (キリンであること vs キリンをすること)
*キリンは、NVC意識で生きていることを象徴する動物です。

これを探究する際に、二元論(いいか悪いか、など2つの相反するもの、こと、考え方)で探究・考察すると、NVC意識から外れやすいので、どちらがいい悪い、ではなく、どんな目的や意図でそれをしているか、そうであるか、というようなことに視点を持ち、探究していきます。

そして探究なので、その時々によって、あーだこーだして、変化していく可能性が大いにあって、一語一句こうであったら正解です!というものはありません。

私なりの探究例

例えば、(これ、後日直したくなる可能性1000%なので、本当に公開したくないんだけど…😅)、この1番目の探究を私がしてみるとこんな感じ。
(ちなみに、私は認定トレーナーではないので、ここで書いていることが、  
 NVCで言われていることと異なる可能性が十分にあることをご理解の上、
 読み進めてください🙏)

よくあるKDの探究手順に沿って書いてみます。
手順1: 定義をする
- Being Giraffeは、ニーズ意識を持っているあり方。そして、ニーズ意識でどの瞬間いられるわけではないので、そうでない時でも、ニーズを満たす試みだったと捉えられる、どこにもいい悪いがない、というのが身体感覚としても持てている状態。考え(頭)、感情(ハート)、言動(非言語も含む)がニーズにつながっている。integrityのある状態。
- Doing Giraffeは、ニーズ意識から、OFNR(観察、感情、ニーズ、リクエスト)のプロセスにつながって、言動すること、またその言動。ニーズ意識につながっていなくても、言動(外から見たら)は、つながって見える、聞こえる可能性もある。

手順2:説明をする
NVCを実践するには、Being GiraffeとDoing Giraffeは、両輪で、どちらがなくても成り立たない。ニーズ意識からの言動で、はたから見たら「NVCじゃないんじゃなーい?!」と思えることでも、実はニーズにつながって、最善の手段としてその言動を選んでいる可能性があり、「ばかやろう!」と言ったからと言って、Being GiraffeかつDoing Giraffeの可能性がある。ただし、それには、「ばかやろう」という言動につながるまでに、自分の中でOFNRのプロセスを経ていることが必要になる。いきなり瞬時にやれ、というわけではなく、NVCの実践を通して、自然と頭、ハート、体が一体となり、ニーズとつながっている状態を何度も何度も体験して、その域に行くと思われる(私はまだ行っていると言えないので、「思われる」とにごしておきます)。

手順3:自分が体験したエピソードに絡めて話す
(これはここでは、省略します)

で、前置きが長くなりましたが、この記事を書こうと思ったのは、現在、認定トレーナーを目指している人が、探究することを推奨されているKDが25個ありまして、これに、最近、私が敬愛しているミキ・カシュタンさんが、亡くなった妹さんのインバル・カシュタンさんと作った(発見した?)KDを14個足した、という記事を読んだからです。

KDって一体何個あるの?

ちなみに、KDは実際には、40個以上挙げているトレーナーさん(前述のLiv Larssonさんの本)や、この25個に含まれていないものを探究・考察されている人もいるので、どれが公式、というものではないのですが、私はミキから学ぶことが多いので、ミキとインバルが提示するKDがある、ということと、それを自分で探究できる、ということに興味とワクワクがあります。そして、それを他の人と共有して遊びたい❤️と思って書いています。

(長くなりそうなので、すでにあるKD25個については、別記事で書きます)
(ところで、CPPのKDは「vs」でつなげているのに対し、ミキとインバルのは「or」でつなげていることも興味深いです)

寄付と出典について

以下の文章は、このサイトにあった文章を日本語訳にしたものです。
原文を参照されたい方は、ぜひ、ミキのブログサイトを訪問してください。
また、興味を持たれて、この内容についてどこかで書いたり紹介する際には、ぜひ出典元としてこのリンクを貼ってください。
また、役立つようでしたら、ぜひ、ミキのブログからミキへの寄付をお願いします。(ミキのブログは英語なので、そこからの寄付は難しいな、と感じたら、この記事に寄付があった場合は、私から、寄付者の名前を入れて全額ミキに寄付します)
https://thefearlessheart.org/miki-kashtan-and-inbal-kashtans-additional-nvc-key-differentiations/

(以下拙訳。カッコ内は訳注などのこともあります。訳の加筆修正などがありましたらお知らせくださると、サポート、共創のニーズが満たされます❤️)

ミキ・カシュタンとインバル・カシュタンのNVCのキー・ディファレンシャルの追加分

原文はこちら(英語)
ステファニー・バックマン・マッテイとクリスティン・コリアーが著書『The Heart of Nonviolent Communication: 25 Keys to Shift from Separation to Connection(非暴力コミュニケーションの(核)心: 分離からつながりにシフトするための25の鍵』(2022年9月にPuddleDancer Press社から出版予定)の執筆を始めたとき、ステファニーは私にサポートを求めました。私は結局、本の章ごとに実質的なフィードバックを提供し、また、本の序文を書くことになりました。私は、本の中で扱うNVCキー・ディファレンシャル(主要な差異、以下KD)の範囲を広げて、インバルと私が何年もかけて集めた14個のKDを追加するように誘いました。最終的には、これは2人が引き受けた大規模なプロジェクトの範囲を超えていました。そのため、この追加分を本文内で扱う代わりに、追加分を本の中で紹介しています。この文書は、NVCの原則と実践を統合するために、これらの追加になる差異(KD)を考え出した私たちの考え方を説明するための、可能な限り短いバージョンです。

KDの概念とオリジナルのリストは、(NVC創始者の)マーシャル・ローゼンバーグが、NVCを自分の内側の意識に統合することに伴う発達上の変化を簡潔に捉える方法として作成したものです。マーシャル・ローゼンバーグのオリジナルリストのほとんどは失われており、残っているものは、CNVC認定で使用されている現在のリストとは大きく異なっています。このリストは、CNVC認証準備(CPP)パケットに含まれており、いくつかの言語で https://www.cnvc.org/certification/process からダウンロードすることができます。

KDには、主に2つの用途があります。

・NVCを学び、統合する道を歩んでいる人が、自分の旅とその中での自分の位置について、自分自身の理解を深めることをサポートする。(https://pathwaystoliberation.com/the-matrix/ も参照)
・NVCを他の人と共有している人が、学習者の理解と統合をサポートするために、情報を簡潔に提供することをサポートする。

以下は、私たちが追加したリストで、CNVCが認定のために使用しているリストには25個あるので、26番から始まっています。インバルに確認できないにもかかわらず、「私」ではなく「私たち」と書いているのは、これらはすべて多くの会話の中で生まれたものであり、私だけの考えではなく、私たちの考えであることに全幅の信頼を置いているからです。

26 ニーズを大切にすること or ニーズを満たすこと
「みんなのニーズが満たされる世界」という言葉をよく耳にするようになったことを振り返ってみると、ニーズを満たすための具体的な戦略がなくても、ニーズにケアと共にあることはできるのではないか、と考えました。私たちはこれを、インバルとキャシー・サイモンの息子であるヤナイとの会話から、この洞察を得ることができました。彼は6歳にして、自分のニーズがどれくらいの割合で満たされているかを言うことができ、【「『彼のニーズが大切であること』を知る」ニーズは100%満たされている】ことを知っていました。

27 理解 or 合意
現在、人類の多くが暮らす家父長制の社会では、私たちはお互いに同意することでつながりを感じることが習慣となっています。これは、インバルと私にとって、どちらか一方(がいい、正しい、either/or)のパラダイムの中に組み込まれています。「意見の一致」から「理解」へとシフトすることで、対立をジレンマに変えて共に解決していくことが可能になります。互いを理解することは、私たち全員にとって有効な解決策を導き出すための前提条件であるため、この違いは、私たちの中核的な世界的危機(core global crisis)に対処するための基礎となります。

28 セルフケア or 利己主義
私たちが生きている欠乏の枠組みの中では、自分のニーズに応えることは、一般的に利己的であり、他人を思いやることとは相反するものと考えられています。NVCのアプローチでは、自分を大切にすることと他人を大切にすることは対立するものではないため、「利己的」という言葉は完全に意味を失います。私たちが自分自身をケアするとき、私たちは他者をケアするために自分自身を資源化します(自分をケアすることで、他者をケアできる存在になる)。私たちが惜しみなく他者をケアするとき、私たちは自分自身のニーズ(貢献、意味、寛大さ、行動における相互依存など)に応えているのです。

29 すべての人のニーズを大切にすること or 利他主義(または無私主義)。
「利他主義」や「無私の精神」という言葉は、ポジティブな資質として捉えられていますが、その根底にあるのは、「他人を大切にするためには、自分を大切にできない」という、どちらか一方だけ(either/or)の見方です。そうではなく、すべての人のニーズを大切にするという視点は、このような方法で人生に取り組むことを選択している人そのものを含むものであり、どちらか一方(either/or)を吸収し、犠牲の必要性を明らかに排除するものです。

30 セルフ・コンパッション or 責任放棄
私たちが他人に望ましくない影響を与える行動をとった場合、家父長制社会では、私たちは自分自身を罪人と見なし、厳しい自己判断から完全な自己嫌悪に至るまで、自己に対する懲罰的措置をとるように仕向けられます。このアプローチでは、自分への優しさや思いやりは、責任を取ることを妨げているとみなされます。自己判断は、自分の「過ち」に対して有効な責任を取り、行動を変えるための唯一の戦略であると考えられています。NVCのニーズベースのアプローチでは、厳しい態度をとらずに責任を取るための深い道筋として、自己理解を土台としています。望ましくない影響をもたらす行動につながったニーズを完全に思いやることができれば、他の人を犠牲にすることなく、そのようなニーズに対応する方法を見つける可能性が高くなります。

31 自己責任と自助努力 or 自給自足
現代の資本主義社会では、私たちは自給自足(自分で自分のことをする)を信じるように社会化されています。これは一般的に、自分のニーズを満たすためには自分のリソースにのみ頼ることを意味すると考えられています。NVCの相互依存の視点では、他の人が自分のニーズを満たしてくれなければ、人間としての生活を維持できないことを認識しています。とはいえ、自分のニーズを率先して把握し、そのために必要なリクエストをすべて行うのは、自分自身の責任です。それが「自己責任」です。そして、その要求の一部を自分で行うことで、他人に頼るだけでなく、自分を頼りにして自分の資源を総動員することができるようになります(自立)。

32 内なる安全 or 他人に依存する安全
私たちはしばしば、自分の安全を他人の行動に依存していると考える習慣があります。特に、自分の言動を他人が異議や批判なしに受け入れてくれることが安全であると考えています。内なる安全とは、他人の行動をコントロールすることは人間の能力ではできないことを認識する道です。そうではなく、自分自身との温かくしっかりとした愛の関係に基づいた内なる安全を経験し、必要なところにサポートを求め、それを得ることができるからこそ、私たちの解放と全体性が生まれるのだということを学ぶのです。他人のすることから自分を守るのではなく、自分との優しい関係、そして時間をかけて他人との関係を築くことで、それを乗り越えることができることを学びます。

33 〜に対する責任 or 〜のための責任 
このKDは、マーシャル・ローゼンバーグのオリジナルで、CNVCのリストには含まれていませんが、私たちはマーシャルから何度も聞いています。マーシャルの話を何年も聞いているうちに、インバルと私は、他人の感情に責任を持つことから、自分のニーズと価値に完全に一致して行動する責任を持つことへの微妙で深い変化を指摘していると理解しました。これは、自分のニーズや価値観に沿って行動しなかった影響を自分のものにし、後悔の念を表明することを意味する場合もあります。しかし時には、誠実に行動することで、自分のニーズや価値観に沿っていながらも不快な影響をもたらす可能性があることを、悲しみをもって受け入れることも意味します。

34 NVC を応用する or NVC を教える
人々がNVCを学んで興奮すると、すぐに他の人にNVCを教えようとするのをインバルと私はよく見ました。むしろ私たちは、私たちの誰もがNVCのスキルを、世界中で行うどんな仕事にも持ち込むことができるという発達的な経験をしていますが、それを人々は飛び越えてしまうということをよく目にしました。誰もがどこでもNVCのスキルを持ち込めば、調停やファシリテーション、意思決定のサポートなど、NVCスキルを使って周りの個人やグループをサポートすることで、変化に貢献することができます。また、私たちはどこにいてもニーズへの気づきをもたらし、微細な方法で変革に貢献します。私たちの経験では、積極的に人に何かを教えることなく、自分の知っていることを応用することで、劇的な変化が起こることが多いです。同様の変化が起こるためにNVCを学ぶ場合は、人々が自分自身で経験するのに何年もかかることがよくあります(実践せずに学ぶ方が時間がかかる)。

35 フィードバックをする or トリガー(反応)を聞いてもらいたい
誰かの行動が自分の希望やニーズと一致していない場合、私たちが普段行っていることと、学習や集合的能力をサポートするために誰かにフィードバックを提供することの意味には、大きな違いがあります。多くの場合、私たちがしていることは、暗黙のうちに相手に自分の話を聞いてもらうことであり、相手との関係や目的をサポートするために何かを提供するのではなく、自分が何かを受け取ることに焦点を当てています。
(これを含めたフィードバックについてミキが話している動画に日本語訳を提供しました。まだ日本語訳はついていませんが、そのうち付くと思います)

36 根本的な変化 or 周辺的な変化
このKDは、マーシャル・ローゼンバーグのオリジナルで、CNVCのリストには含まれていませんが、私たちはマーシャルから何度も聞いています。マーシャルの話を何年も聞いているうちに、インバルと私は、彼が特定の決定を変えること(周辺的な変化)と決定の仕方を変えること(根本的な変化)の違いを指摘していると理解しました。マーシャルは、社会変革に取り組みたいと考えている私たちに、時間をかけて努力を持続させるために、周辺的な変化よりも根本的な変化に焦点を当てるように促しました。余談ですが、他の思想家は2次元的な地図を見ていて、1つの軸は核と周辺、もう1つの軸は根源性とインクレメンタル(徐々に増加する)になっています。

37 委ねること or 服従すること
マーシャルは、「誰かに服従させられたり、反抗させられたりしてはいけない」とよく話していました。インバルと私は、その代替案について独自の考えを深めていくうちに、あることがしばしば見えないままであることに気づき、それらを明確にすることにしました。それは、誰かのリーダーシップを全面的に信頼し、その人がやっていることや求めていることに従うという経験です。なぜなら、その人の直感、知恵、経験が、たとえその瞬間にはわからなくても、ニーズに応えてくれる可能性があると信じているからです。信頼に基づいて次のステップに進む前に、自分で状況を判断して全体像を把握する必要はもはやありません。


38 意識的な選択 or 反抗
服従に代わるものがないのと同様に、反抗に代わるものもありません。その理由の大部分は、反抗が選択のように感じられるからです。私たちは、反抗と自由が同じものだと考えてしまいます。反抗しても、反抗している相手の条件の中に自分がいることを認識するには、心の自由が必要です。そうではなく、誰かの権威に反応するのではなく、ニーズを深く理解した上で「イエス」「ノー」と言えるような識別レベルに達することができるのです。

39 意識的な反応 or 反応
この項目を追加のKDリストの最後に書いたのは、NVCが描く解放の道の重要なマイルストーンだと考えているからです。非暴力への意識的なコミットメントがない場合、私たちは身の回りに起こることに対して、闘争・逃走・凍結の状態から反応してしまいがちです。NVCを受け入れ、時間をかけて非暴力を実践することで、内なる自由への能力が高まります。この自由の経験から、私たちは自分と他人のニーズの認識に基づいて、意識的に反応することができます。

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ここまで読んでくださってありがとうございます❤️

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