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孤独を恐れつつ、一人の時間を希求する


夜明けが近づくと、徐々に眠りが浅くなって、半分寝ていて、半分は起きている、みたいな状態になる。
そんな時間帯に、よく頭の中に浮かび上がってくる妄想があって、
それは、今、確かにわたしの周りに存在しているし、ずっとずっと今まで一緒に生きてきた子どもたちや、夫との「いつか必ず訪れる別れ」だったりする。
なんとも言えない寂しさに胸が苦しくなってしまう。
半分寝てるんだけど。
(起きると、消えてなくなる…)



先日読んだ東直子さんの『ひとっこひとり』も、そんな寂しさを抱えた人たちがたくさん出てきて、でも人とのつながりの大切さが伝わってきた。


大切な人を失う寂しさは、想像するだけで耐えがたい。



読んだ本に影響を受けやすいので、(気持ちの浮き沈み)
生きていくのが怖くなってくる内容のものや、
自分の気持ちが辛くなるものは、避けているつもりなんだけど…(全体的にほんわかしてるけれど、自分もそうなるかも、と重ねてしまった)
けれど、救いもあるので安心して読んでください。


ところが、今読んでいる、酒井順子さんの読書日記「本棚には裏がある」には、まるで正反対の本の紹介があって、おかしなことに、妙にこちらにも魅かれている自分がいた(笑)



それは、メイ・サートン著「70歳の日記」

一方で、一人でいることを常に希求する人もいる。『70歳の日記』(メイ・サートン著、幾島幸子訳、みすず書房)は、著者の七十歳の一年間の日記だが、彼女が求め続けているのは、一人の時間。

幸福の形についてより


自分の気持ちの均衡を保つことが、なかなかできないから一人でいたい、と願う著者。(独り居中毒患者って言われている)
孤独を恐れつつも、他者との軋轢を避けるためには一人がいいという。


なんだか、わかるわかる、その気持ち。


だって、いつだってわたしの気持ちを波立たせるのも、他者たちに他ならない。(家族、友人、職場の同僚たち…それほど人間関係は広くないけれど。そのあと、幸福についての記述もあって、幸福の最大の敵は「他者との比較」だというのも、激しく納得。)


孤独を恐れながらも一人であることを希求する気持ち、たしかにわたしにも存在しているなぁ…


わたしときたら、自分の心の安定を、何より大切に毎日を送っているのだもの。(心乱されることが日々たくさんあって、辟易している。
自分の弱さのせいでもあるけれど)


他にも、いろんな立場の人が書いた本が紹介されていて、自分ではきっと手にとらなかっただろうけれど、読みたいなと思う本がたくさんあった。そしてたくさんの方の人生を、読んで味わいたい。




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