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【「腿上げ」動作に必須な大腰筋の機能向上の条件】

今回は「腿上げ」に必要な「大腰筋」の活性化をする方法について話していきます。

「腿上げ」は陸上・サッカー・野球・バスケなど「走る」という動作が入っている全てのスポーツで必要な動きとなっています。
主に「大腰筋」「腸骨筋」という2つの筋肉が大切になってきますが、機能不全に陥ると当然動きのキレは無くなってきてしまいます。

人間の身体動作の中でも重要な、大腰筋と腸骨筋を活性化させて、かつ機能不全に陥らないようにする為の方法を学んでほしいと思います。

〜①股関節屈曲筋群の種類とは?〜

まず股関節屈曲のメインである大腰筋と腸骨筋の説明は以下になります。

〈大腰筋の説明〉

起始:T12、L1~5
停止:大腿骨の小転子
機能:股関節屈曲、下肢固定時の体幹屈曲
神経支配:腰神経叢

〈腸骨筋の説明〉

起始:腸骨窩
停止:大腿骨の小転子
機能:股関節屈曲、下肢固定時の体幹屈曲

この2つの筋肉が硬くなってしまうと、脚を後ろにも引きにくくなってしまい、機能も低下するので腿上げもしづらくなってしまいます。
他にも股関節屈曲筋はありますが、数も少なく大きさも小さいものとなっています。

〈その他の屈曲筋群〉

・大腿筋膜張筋
・大腿直筋
・縫工筋

メインとなっている大腰筋と腸骨筋は腹筋群と内臓の奥に位置している為、意識して使うことが難しい部類になっています。
なのでもし上手く使えていなかった場合には、他の股関節屈曲筋群を使わざる追えない状況になりやすいです。

その場合、大腰筋と腸骨筋以外の筋肉はサイズも小さく筋発揮が弱い為、その筋肉自体の負担になってしまい怪我に繋がる恐れもあるでしょう。
当然股関節の屈曲機能は上がってきません。

〈要約〉
・股関節屈曲のメインの筋肉は「大腰筋」と「腸骨筋」
・大腰筋と腸骨筋以外の筋肉は、サイズも小さく筋発揮が弱い
・サイズの小さい筋肉を使用すると、怪我のリスクや機能低下に陥りやすい


〜②腹筋群を鍛えすぎると大腰筋の機能が落ちる〜

大腰筋・腸骨筋のメインの機能は「股関節の屈曲」ですが、その他にも「体幹の屈曲」という機能も備えています。
これはOKCの状態ではなく、CKCの時(足が固定されている)に体幹の屈曲が行われます。

別で体幹の屈曲に関わっている筋肉は「腹直筋・腹斜筋」の腹筋群があります。
体幹の屈曲機能を高める際には、アウターの腹筋群を鍛えたりするのが普通となっていますが、表側のアウターだけを鍛えていると大腰筋の機能が落ちてしまうことがあります。

これは腹筋群を鍛えすぎて収縮することによって、大腰筋が潰れてしまう形となり「収縮-伸張の幅」が小さくなってしまうからです。
それによって大腰筋の機能が落ちてしまい、股関節の屈曲機能が下がってしまうことに繋がります。


〜③内臓の機能低下が大腰筋に影響を与える〜

腹筋群よる影響は話しましたが、今後は内臓による大腰筋への影響について話していきます。
大腰筋と密接に関わっている内臓は以下の3つになります。

・上行結腸(大腸)
・腸管膜
・腎臓

まず上行結腸というのは大腸の一部であり、大腰筋に近い場所に位置している内臓です。
例えば便秘になってしまったり、お腹が痛いなどの内臓の調子が悪い時には、腹膜(膜組織)の隣に位置している大腰筋に影響をして機能を落としてしまうことに繋がります。
内臓の中でも大きい部類にある大腸の機能を整える事は大腰筋を整えることにも繋がってきます。

次に影響を与えている内臓は小腸があり、ベルト状に位置している「腸管膜」という組織があります。
この腸管膜も大腰筋と位置関係が近い為、大腰筋の機能に関わっていると言えてきます。

3つ目の「腎臓」も大腰筋とかなり近い関係に位置している為、大腰筋の機能を落とすことに繋がってきます。

〈要約〉
・大腰筋と近い位置関係の組織「内臓」のコンディショニングも大切である
・上行結腸、腸管膜、腎臓が密接に関わっている内臓である
・便秘やお腹が痛いなどの腹部の不調は大腰筋に影響を及ぼす


〜④大腰筋の緊張が腰痛を引き起こす〜

次に「腿上げ」に必要な大腰筋ですが、鍛えすぎたりケアを怠っていると「腰痛」を引き起こす可能性もあります。
大腰筋は「T12〜L5」の腰部に付着をしています。腰痛の1つである筋膜・骨膜の炎症に関わってきますが、もし大腰筋が「緊張状態」にあり、収縮と伸張が上手くできない状態とします。

その場合、本来大腰筋で伸び縮みするはずの負担が、腱を介して腰椎の骨膜で受け止めることになります。
これによって骨膜の炎症(腰椎の炎症)が起きてしまいます。

当然筋肉や腱にも負担がかかることになりますので、どちらかの炎症も起きやすくなってしまいます。


〜⑤大腰筋を活性化させる下半身のトレーニング〜

最後に大腰筋を活性化させる為のトレーニングについて解説をしていきたいと思います。
スクワットやスプリットスクワットなど「股関節を屈曲させる」トレーニングであれば大腰筋を鍛えることはできますが、動きに細かいズレがあると大腰筋と近い関係にある「大腿筋膜張筋」を使ってしまう恐れもあります。

大腰筋と大腿筋膜張筋の違いは以下になります。

〈大腰筋の機能〉

・股関節屈曲時の外旋

〈大腿筋膜張筋の機能〉

・股関節屈曲時の内旋

どちらも股関節の屈曲機能は持っていますが、細かい違いとしては「外旋or内旋」になってきます。

スクワットする際に、ニーインと言って股関節が内旋に入ってしまう人は、大腿筋膜張筋の活動量が増えてスクワットを行ってしまっています。
この時にしっかりと、外旋させられていれば大腰筋を使用したスクワットになりますので、活動量を維持することができます。

スクワットのみならず、ランジ・スプリットスクワットでニーインの癖がついてしまっている人は、身体がその動かし方に慣れてしまい、スポーツ時の動きでもニーインする癖が出ている可能性が高いです。

細かいところとなりますが、負担の大きいトレーニングで身体の使い方を間違えていると、その後の影響は大きくなるので意識して取り組んでいきましょう。


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