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#112 モモ


①筆者から受け取った「時間」という概念

時間は貴重だ、無駄にするな という標語 や
「時間をけちけちすることで全然別の何かをけちけちしていることには気がつかない」
「時間とは、生きるということ、そのもの」
「人のいのちは心を住処としている」
「時間を節約すればするほど、生活はやせ細っていく」

上記の文言は、本文6章に記載されていたメッセージを要約したものだ。

今を生きる私たちに伝えてくれているメッセージだ。
毎日何かに追われて、寸暇惜しんで行動していると時間泥棒に奪われた人々のように、大切な何かを失ってしまう。

だから、ゆっくり人生を味わおうと心掛けなくてはならない。

②灰色の男たちに時間を節約させられた顛末とは?

目先の利益に目がくらんだり、時間を無駄にしないことばかりを考えて人の気持ちを考えられなくなってしまった登場人物たち。

自分の仕事にも誇りを持てなくなったし、楽しみも失ってしまった。

「時間」という概念に縛られすぎると、生きていること自体が退屈になってしまうように思った。

生かされているだけで、自分の人生なのに何も楽しくないように思えてならない。

③本当にひとりぼっちになったモモのもたらした奇跡

モモは時間を止めて、元の幸せな生活を戻そうとした。

灰色の男たちの戦略でたった一人になってしまったモモ。
モモは優しいけれど、それだけではなくものすごく強い。
孤独はつらい。耐え難い。
でもモモは耐えて、困難を乗り切った。

④私の感想

灰色の男たちは、私自身の時間も汚れたものにしてしまったのかもしれない、そう思った。

そうなった原因は、私にあるのだろうが…

物語中に出てくる架空の病「致死的退屈症」の症状は、うつ病とよく似ている。
きっと、うつ病になってしまった私は人生を生き急ぎてしまったのかもしれない。
そして疲れ果てやる気がそがれてしまったに違いない。

きれいな時間の花が時間の国に咲いているのならば、私の花もその中にある。

そのきれいさを自ら汚してしまうのはやめよう。そう思った。

私は、モモを尊敬する。
なぜなら、私にないものしか持っていないから。

モモは人の話をゆっくりと聞いて、寄り添うことができる。
人の心に入りこむことができる才能を持っている。
そして、心から大切だと思える仲間がいて、その仲間のために自分を差し出し戦うことができる。

私は、モモのように特別な才能もなければ、優しく人を包み込むこともできないし、待つこともできない。

モモは私にとっても、他の人にとっても心の中でかけがえのない存在になるだろう。

また読み返したい、大切な作品になった。



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