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生きている

その世界には色がない、誰か一緒に暖をとろうよ。その声は届かない。
廊下に響く足音、どんどん大きくなる。心臓の鼓動も速まる。僕はすべてを忘れようとする。あいつがやってくる。やつはすべてを破壊し粉々にしてしまう怪獣だ。誰かが殴られる音がした。ガラス窓が割れた。血が滴り落ちる。教室に響き渡る悲鳴とともに、目の前を赤く染めてゆく。

くすんだ世界を最初に彩ったのはそんな色だった。

僕らは生きている。どうして生きていられるんだろう。
ただやさしさに触れていたい。いつか、いつの日か。

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