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一億総消費者感覚社会をどう生きるか?

修了式を終えほっと一息。今年も誰も倒れることなく走り切ることができました。その健闘をたたえ合い祝杯を🍺楽しいひと時を過ごしました。昨日は安定の二日酔い💦ようやく復活したリッケンです。

今日は、最近読んでドキリとした堀裕嗣先生の『みかんとブラック』の紹介です。堀先生は記事の中で、『一億層消費者感覚がすべての仕事を「ブラック」にしている』と指摘されています。

教員の仕事はブラックだとよく言われていますが、教員だけではなく「すべての仕事がブラック」になってしまっているというのです。

記事を読んで間違いないと納得しました。

ではどうするか。

うまくいかないことを、消費者感覚で他責にするのではなく、今の自分に何ができるのだろうとポジティブに自責し、変数である自分を変えていくことだと思います。

今日は、一億総消費者感覚社会をどう生きるか?を考えていきます。読んでいただけたら、4月からの仕事が楽しみになってくるはずですよ。

では、まずは堀先生の記事の紹介です。


みかんとブラック


まずは、下のリンクから堀先生の記事をお読みください。私の要約ではなく、ぜひ原文をお読みください。

昔はみかんを10個食べれば、4〜5個甘くないハズレのものが入っており、ハズレがあっても、「ハズレだ〜」と笑って受け入れていたそうです。

(私も、40代半ばのオッサンですのでよくわかります。「お母さんこれハズレだよ😫」「もったいないから、がまんして食べなさい😤」「はーい😩」こんな会話をよくしていました。)

ところが、今回は、5個中5個とも甘かった。ということは、みかん農家も、加工業者も、流通業者も、みんな「ハズレが許されない世の中」を生きねばならなくなっているのではないかと言うことです。

すべての人が消費者感覚に晒されている。だから当然、消費者感覚でハズレ教師は嫌われるのではないか。

堀先生は下のように締めくくられています。

しかし、「教職はブラックだ」と叫ぶ教員もまた、教職を「ハズレ」だと言っているのであり、それは生産者側の感覚ではなく、消費者側の感覚でものを言っているということなのである。消費者感覚の教師が、消費者感覚の保護者にクレームをつけられたとき、それは絶対に勝てるものではない。そして消費者感覚では許されない生産者的努力が必要とされるようになる。そのとき、結局はブラックな働き方をしなくてはならなくなる。

教職が「ブラック」なのではない。一億総消費者感覚が、すべての仕事を「ブラック」にしているのである。

堀先生のnoteより

多様性と寛容性

私が、新任として採用された20年ほど前は、ちょうどモンスターペアレントという言葉が出始めたころでした。今ほど、多様性はありませんでしたが、もう少し社会が寛容であった気がします。

そこから20年、少しずつ、社会全体が多様性という言葉を使って個人の考えや不満を他者へ押し付けるようになってきているように思います。

もちろん多様性を認めていくことは大切です。ですが、寛容性が失われ、なんだか社会がギスギスしてきています。

社会からの厳しい目、何もへまをしていないにもかかわらず「失敗したらどうしよう」なんてプレッシャーを感じてしまう息苦しさ。

それは、子どもたち、保護者だけでなく社会全体の消費者感覚によるものなのだろうと思います。  


消費者感覚により生まれた距離

この保護者と学校との関係を、渡辺道治先生は、『BBQ型学級経営』の中で、次のようなキーワードを使って説明されています。

あふれた物
丁寧なサービス
当たり前感覚
受給者意識
変化が激しく先が見通せない
過度な除菌教育
ゼロリスク信仰

『BBQ学級経営』渡辺道治 東洋館出版

こうして、本来共に手と手を取り合って子どもたちを育んでいくはずの学校と家庭、社会の間に生まれてしまった距離感。

そのため、必要以上にプレッシャーを感じてしまう状況が生み出されました。

プレッシャー過多の中うまくいかないことがあると、私たちは子どもたちが、保護者が、地域が、教育委員会が・・・なんて言ってしまいたくなります。

でもそれは、私たち自身が消費者感覚になってしまっているんですね。ドキリとしました。

消費者感覚になってしまっている人は、何かうまくいかないことがあった時に他責になります。下の図を見てみましょう。



他責・自責 × ポジティブ・ネガティブ

渡辺道治先生の板書を参考に

他責でネガティブな人は、イライラし周りのせいにします。

他責でポジティブな人は、だって自分のせいじゃないしと開き直って放任します。  どちらも、何も解決しませんし幸せから遠ざかってしまいます。

では、自責であればよいかというと、そうとばかりは言えません。

自責でネガティブな人は、悪いのは自分とくよくよと自分を責めて悩みます。悩んでいるばかりで答えは出ません。

自責でポジティブな人は、今の自分に何ができるだろう?と考えます。答えが出る前提で建設的に考えを組み立てます。

さて、うまくいかないことがあった時に、みなさんはどのタイプですか?

私は、全部やったことがあります。

他責でネガティブ、他責でポジティブ。人のせいにしたり、見ないふりをしたりと一時は楽になるけれど、問題は解決しないですし、人のせいにしていると言う後ろめたさが後から襲ってきました。

自責でネガティブ。自分を責めるて懺悔することで許されようとしているだけ。結局問題は何も解決しないので、後から苦しくなります。



自責×ポジティブに

どうせだったら、今の自分に何ができるだろう?と前向きに考えて解決をしていきたいですね。 堀博嗣先生は、Xで下のような投稿もされています。

一億総消費者感覚社会においては、「生徒に嫌われてしまうと、『指導者』としても『評価者』としてもその資格を問われる時代になってきています。」ということです。

これは、「悪いのは社会」と愚痴を言っても、「だって私のせいじゃないし」と放任しても、「どうしたらいいの?」とくよくよと悩んでも解決しません。

これは、「定数」で変えることができません。

教師に必要な資質として、5番目に「いつでも変われること。今を壊し、新しい自分になることを怖れないこと。」があげられています。変えるべき「変数」は私たち自身です。



来年度に向けて

前置きが長くなりました。

どうせ時間を使うなら、本年度の学級経営や授業を振り返って課題を見つけ、「愚痴」をいうのでも、「放任」するでも、「悩む」でもなく、今の自分に何ができるだろうと一緒に考えてみませんか?というお誘いです。

Peatixで渡辺道治先生の「新年度スタートアップスペシャル(新年度準備編・学級開き・授業開き編)」が公開されています。

今年度の課題を解決しつつ、来年度が楽しみになること間違いなしです。

多くの方が来年度に向けて受講されています。私もすでに5回視聴しました。みなさんと一緒に来年度に向かってワクワクしてみませんか? 

今年度の振り返りをシートに記入してから受講すると、さらに学びが深まると思います。良かったら、ダウンロードしてご利用ください。参加される方も参加されない方もぜひ記入して来年度の構想を考えてみてください。


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