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本気出して目玉焼く

目玉焼きを、真面目に作ってみようと思った。

きっかけは料理家である有元葉子さんのレシピ本『ふだんの洋食 レシピを見ないで作れるようになりましょう。』。

目玉焼きから始めましょう

洋食の基本中の基本ということで、目玉焼きの作り方から始まっている。

わたしは昔から有元さんのファンで、愛用している鉄のフライパンは彼女がプロデュースしているブランドのもの。料理だけでなく、洗練されたライフスタイルや世界観に憧れ、10年ほど前に購入した。

ただ、鉄のフライパンはくっつく。

目玉焼きなんてもっとも適さない料理だと思い、作ったことがなかった。

だけど、レシピ本の中で使われているフライパンはもちろんわたしが使っているものと同じ。くっつきとは無縁に見える。

なぜ?

充分にから焼きして温めないと、鉄のフライパンはくっつくのです。
フライパンで焼く・炒めるという調理法は、充分に温まった鉄のフライパンの熱で、素材を包み込むようにして火を通すのです。

頭をハンマーで殴られたような衝撃。

なんてことはない、扱い方を誤っていただけ。正しい用法を無視していた。自分の過ちを棚に上げ、フライパンを責めていたとは情けない。

ここは一つ改めたい。

だからわたしは恐れを捨て、真剣にフライパンと向き合うことにした。目玉焼きから始めるのだ!

まずは中弱火で2〜3分かけてじっくりとから焼きをし、フライパンの芯まで温める。

今までいきなり強い火にかけていた。だけどそれは表面だけを熱する行為。素材が焦げてこびりつくだけ。卵をフライパンで「焼いて」こそ目玉焼き。

端のほうも忘れずに温める。そして充分に熱したところにオリーブオイルをひく。オイルを入れたら火を弱め、卵を低い位置(!)からゆっくり入れる。先に白身、丸く広がって火が通ってきたタイミングで黄身を落とす。好みの焼き加減になったら塩、こしょう(あとで醤油を垂らすならここで塩はかけない)。

白身と黄身を入れるのに時間差を設けるなんて、考えもつかなかった。一体いつどのタイミングで、卵を一気に入れるものだと刷り込まれたのだろう。


と、こうして出来上がったのがこちら。

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白身はむしろ浮き上がり、難なくはがれた。

ふたも水も不要。火をつけてからたったの5分。鉄のフライパンでじわじわと火を通す時間はあっという間だったけど、濃密だった。

醤油をチラリ、いざ実食。

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もう、本当に美味しい。


周りカリカリ、黄身はトロっ(写真を撮っている間にどんどん火が通ってしまったけど)。パンにもご飯にも合う。これまでの、朝食の"おまけ"のイメージは吹き飛び、もはやぜいたくな一品に格上げ。

今まで作ってきたのは、フライパンに落とした卵だった。

たかが目玉焼き、されど目玉焼き。シンプルだからこそ、極め甲斐あり。

そして肝心の鉄製フライパン。もっと早く”くっつき”の原因を探究しておけばよかった。やはりうまくいかないことを放置してはいけない。重荷になってのしかかってくるもの。

もう目を背けない。

きちんとお手入れして、末長いく付き合っていこう。

目玉焼きから始めましょう

やっとスタートできた。





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