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(ライフ)緊急避妊ピルの処方で考えた、根深すぎる日本の女性差別。

おはようございます。

ひょんなことから「緊急避妊ピル(アフターピル)」をオンライン診察で購入、服用した話です。引き続き女性の「リプロダクティブ・ヘルス及びライツ」の話です。

結論から言うと、「女をなめてんのか!!」と、心底怒りが湧く内容でした。

こんな「Discouraging(やる気を失せさせるよう)」な手順を追って、レイプされたり、避妊具なしを男に強要された若い女性が、「あせってピルを欲しいときに買える」わけがありません。

おそらく恩恵を被るのは100人に1人の10-20代、あとは経済的に余裕が出てくる年齢層だけでしょう。

自分、男性なら奥さんや娘さんが、今後大事な人生の選択としてかかわってくることかと思い、体験談を書いてみようかと思います。


以前、ミレーナが外れてしまった話をこちらで書きました。

低用量ピルを再び飲み始めるまでの間、一部避妊効果がない時期があります。

そこで72時間以内(3日以内)に緊急避妊ピルを服用した場合、避妊効果が9割以上あるということで、詳しく調べてみました。

緊急避妊ピルは、「アフターピル」とも呼ばれ、避妊に失敗した場合に緊急手段として服用します。

避妊に失敗した時や性被害にあった時は、女性が産婦人科・婦人科を受診し、72時間(3日)以内に緊急避妊薬(通称アフターピル、緊急避妊ピルともいいます)を服用することで、妊娠を防ぐことに役立つ薬です。緊急避妊薬は、性交からできるだけ早く服用することが効果的で、主に排卵を遅らせるなどの作用により妊娠の成立を防ぎます。

ピルコンHP https://pilcon.org/help-line/afterpill


入手方法は病院、一部薬局(試験的運用のようで、2024年4月現在は非常に限定的)、オンライン診療の選択肢があります。

私は、処方を希望する日が休日かつ近くに試験的運用先の薬局がなかったので、オンライン診療一択でした。

まずはLINEでオンライン診療を24時間やっている病院を登録、予約し、アフターピルの説明の書面メッセージ(注:大量に来ます)を受けます。

オンライン診療を受けたクリニックのアフターピルには3つ種類がありました。

①レボノルゲストレル錠「F」税込み13200円
1回1錠飲み切り

②レボノルゲストレル錠海外製 税込み8690円
2錠もしくは1錠ずつ12時間以内に服用

③エラワン 税込み16500円
120時間以内でも高い効果のあるアフターピル。


「あれ、ちょっと高すぎ・・?」と思いませんか?

もちろん、中絶にかかる女性の身体的負担や、精神的負担、経済的にも比較にはならないものがあるとはいえ、10代や20代での購入は、かなり躊躇する金額です。

頑張って働いたバイト代の2ー4日分くらいに該当しそうです。

また、安価なジェネリックの場合は何か体に影響が出ても国の救済措置がないもののようです。

ここまでですでに大部分のやる気が失せているのですが、オンライン診療であるだけましだと思いなおし、即日郵送してくれるとの注意書きも読みつつ、診断の枠を予約して、LINE上での問診時間を待ちます。

15分程度待ち、最初は看護師さんが問診、注意点の読み上げ、ピルの種類の選択、その後医師との「形だけの」面談です。

電話なので気がラクではあるものの、医師の面談、何の付加価値もなく、正直いりません。医師も明らかにやる気がなく、話すだけ無駄な時間を5分も過ごしました。

どこかで既視感があると思ったら、「医療脱毛クリニックにいる飾りだけの医者」と同じです。実際に丁寧に脱毛のために光をあててくれるのはお姉さんです。診察前に問診してくれた看護師さんの方が120%信頼できる話し方でした。

電話の向こうの医者:

「はい、では、何か質問ありますか?(やる気のない声)」

以上。

これだけの電話会議というか、これこそ「問診」です。

きっと何かの規制があって、仕方なくやってるのだと思いつつ、このプロセス、いらなくないか?と思いつつ、諦めずに一番安価な②のジェネリックを選択。

普段から、低用量ピルも海外輸入していたので、特段違和感なく選びました。

これも低用量ピルを処方されるときの紋切り型の医者の診察と似ていますね。声を大にして言いたいですが、注意書きがあればこれは正直いらないです

初診料や診察料、郵送費を合わせてクレジットカードで9690円をカード決済し、翌日の郵送での到着を待ちます。今回は初診で診察料3300円が無料になり、この値段です。

LINEの登録から問診、診断、もろもろ入れて1時間。

そもそも注意書きを読んだり、問診内容を書いたりが多くてすでに、だいぶ疲れています。

翌日無事に薬が届きました。こんな袋に錠剤が2錠。

すぐに服用し、副作用として何度も言われた「吐き気」を覚悟しましたが、特段何の副作用もありませんでした。

このプロセス、オンライン診療のおかげで「まし」になったとはいえ、未成年であれば、一番身近で利用したい「薬局」オプションには保護者の同意や同伴が必要であったり、そもそも診察・薬代が高額だったり、「これは、もしや緊急避妊ピルを処方させたくないという国の陰謀か?」と疑念を頂くレベルです。

子宮頸がんワクチンの報道と同じ悪意を感じます。(皆さん、ちゃんとワクチンを受けてください!)

https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000514059.pdf

↑こちらのアフターピルに関する厚生労働省の資料を見ても、女性のリプロ権利を守ろうとしてんのか、阻害しようとしているのか、意味がわかりません。

「海外から怪しい偽薬を輸入している女性が多いので、なんとかしよう!」

日本では、低用量ピルは医者から処方される高い薬を無理やり、使わされてるから、賢い消費者は海外から輸入してるんですよ。

しかも、輸入できるってことは、緊急避妊ピルは海外では処方箋なしで買えるってことですよね?

輸入サイト見てみたら、1錠550円くらいから売っていました。私が払ったのは1万円

ふざけてるんですか?


率直に、日本は本当に、男女差別の根深い国だなと思ったのが1番の感想です。

男の人が逆の立場なら、今頃、緊急避妊ピルを、そのへんの薬局で処方箋なしで1000円くらいで売っているでしょうね。

そもそも、緊急避妊ピルと並んで、「薄毛治療」や「ED」についてオンライン診療にしよう!と言ってるくらいですからね。

男性が避妊していれば良いところ、妊娠・出産・育児はほぼ女性が担うことになるという非対称性が存在します。男性に都合が悪いこと(避妊具つけてない体たらくとか)は、だれも声を大にして言いたくないので、報道せず発言せず、静かに、かつ、長年の間、女性が被害をこうむります。

実際、日本において子供を妊娠して産んで育てるということは、女性にとっては35年の住宅ローン以上の負債を抱える決断に等しいと思っていただいた方が良いと思います。

特に日本においては、無痛分娩がないところからはじまり、ほぼ7歳くらいまでは世間の風当たりも特に厳しく、都心においては育児は罰ゲームに近いもがあります。

だから少子化は当たり前。

娘さんが望まない妊娠や将来的に虐待をしないためには?という観点で男性にも考えていただきたい内容ですし、避妊手段を各種充実させることが、保育園の充実と同じレベルで大事なのでは、と思ったりします。

低用量ピル・緊急避妊ピルを薬局やオンラインで、医師の診断なく、非対面で気軽買える、ふつうの先進国並みの社会になるように、NPOなど支援していきたいと思いました。

皆さんの参考になれば幸いです。



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