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万が一について考える

もう成績とかね、どこに就職するとかね、どうでもいい。
命だけ持って帰ってこい!

元同僚。最近女子大生になった子を持つ母。
彼女と話をしていた時の会話。
そうそう、生きてさえいればそれでいい、と年を経るにつれ そう思うようになった。ふたりでこの話題で かなりの時間を費やし共感し話込んだ。

我が家の娘ふたりは既に社会人である。
なので深夜の帰宅にも慣れてきた。だが、やはり女の子なのでいつまで経っても夜道を歩くことには心配がつきまとう。

小学生の頃にはニュースになるような事件があり、パトカーが見守る中での登下校をした。
中学生の下校時には、履いてる靴下売ってと言われた経験あり、高校生では知らない人に追いかけられたと泣いて帰ってきた経験もある娘たちを育ててきた。
私自身も思い出すのも嫌な経験がある。

娘が大学生になった頃は、飲み会という名の外出が増え、アルバイトも帰りが遅い。そう、毎日毎日、帰りが遅いのである。そのことに親の私がなかなか慣れることが出来ず、心配ばかりしていた。
まさに今の元同僚と同じ状況だった。
あまりに遅い、しかも連絡もないと、女の子だし、といろんな不安がよぎる。連絡だけはして、と何度言ったことか。

悪いことを考え出すと私の想像は果てしがない。しかも私にはこの件に関してのトラウマもあるものだから敏感にならざるを得ないのだ。
万が一がそうそうあるわけでもないと分かってはいる。
でも万が一はゼロではない。
だから心配は尽きない。

もともと晩酌しない人間だったのに、アラフォーのころから悪い同僚につられて(言い訳)、晩酌するようになった。
なので心配しつつもビールを少々飲んでパジャマを着ているわけだ 。でも何かあったときにぐでんぐでんではいかんと天秤にかけて2本目はやめる。
娘が遅いとゆっくりビールも飲めない。誰だ、晩酌の習慣なんてつけたのは(悪い同僚ではない、あくまでも自分である)。

酔うとロクなことを考えない。
万が一。万が一ってどのくらいの確率だろう。一年365日。
ざっと計算して30年に一度。と思うと大変な数字である。人生80年、いや100年時代。ひとり2~3回になるではないか。万が一って一生に一度あるかないかだと思っていたけれども。
用心せねばならない。
そんなくだらない計算をして真剣にビビッている私の晩酌時間である。

命だけは持って帰れ。
同じようなことを私もよく言っていた。親の心配をようやく理解し、最近は連絡もせずに遅くなることはなくなった。
今日はカラオケでオールだよ、何時のJRに乗るよ、(最寄り)駅に着いたよ、当初では考えられないくらいマメになった。
少しの安心感と一万分の数千日を無事重ね、私のビビリは緩和されているが、きっと消えることはない。

そう思いながらビールを飲むひととき。
結局飲む。
今日は娘が家にいるので、2本目のプシュッをしようかと考える。

結局 母親の心配事を書こうとして、晩酌について書いているような気がしてきたので、この辺でしめることにする。
酔うとロクなことを書かない 笑



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