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睡眠の質を低下させる、寝る2時間前の環境が危険

睡眠時間を確保することは大切ですが、「量より質」という考え方も広まってきています。
睡眠時間を確保していても、浅い睡眠状態が続いたり、夜中に何度も目が覚めたりしてしまっては、十分な睡眠とはいえません。




睡眠の質って?

ノンレム睡眠やレム睡眠という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
ざっくりいうと深い睡眠と浅い睡眠を一晩に数回繰り返している状態です。
深い睡眠も浅い睡眠も、睡眠には必要であることがわかっています。
理想的な睡眠、つまり質の良い睡眠とは、入眠直後に深い睡眠状態に入り、その後、一晩のうちに睡眠サイクルを数回繰り返している眠りを示すと考えられます。
もちろん、睡眠状態に加え、起床時に疲労感がないことや、日中活動的に過ごせていることも質の良い睡眠がとれている目安になります。

理想の睡眠サイクルの例




入眠直後の睡眠の大切さ

質の良い睡眠で特に大切なのは、入眠直後です。
この時、深い睡眠状態に入れることが重要です。

入眠直後に深い睡眠状態に入ることで、成長ホルモンの分泌が高まります。
成長ホルモンが分泌されることによって、

  • 身体の疲れを回復

  • 免疫力アップ

  • 肌のターンオーバーを促す→美肌?

  • 代謝を調節→ダイエット?

などさまざまなメリットが期待できます。
深い睡眠が取れていないと、朝起きても疲労感が残り、日中のダルさや眠気によりパフォーマンスが低下してしまったり、、肌の調子が悪くなったり、太りやすい体質になってしまったりすることが考えられます。
入眠直後に深い睡眠状態に入ることが大切です。

入眠直後の睡眠状態が大切




寝る2時間前の照明が、睡眠に影響

2013年に発表されたスイスの大学で行われた調査によると、寝る2時間前のお部屋の照明の色が、睡眠の質に影響を与えることがわかりました。
光の色を示す「K(ケルビン)」という単位があり、ケルビンの違い(光の色の違い)によって睡眠に差が出たという報告です。

寝る前の2時間を、ろうそくや夕日のようなオレンジ色の照明(2500K)に対して、蛍光灯のような青白い照明(6500K)で過ごしたグループは、最初のノンレム睡眠状態が減ってしまうという結果でした。

つまり、寝る2時間前に青白い照明の部屋で過ごすことで、入眠直後の理想的な睡眠が得られにくくなっている可能性があります。
睡眠時間をしっかり確保していても、入眠直後に深い睡眠状態になっていなければ睡眠として不十分です。

不十分な睡眠だと、疲労回復が満足にできていなかったり、健康面にさまざまな不調が起こりやすくなります。
もちろん日中のパフォーマンスの低下にもつながりますので、睡眠の質が悪いと仕事の作業効率は低下してしまいます。



快眠のためにどうすればいいの?

この研究報告から判断すると、寝る前に白色に近い照明は控えるようにする必要があります。
主に日中過ごすオフィスや学校の教室は、蛍光灯からの白色の光(6500K)がお部屋を明るく照らされているお部屋が多いと思います。日中活動的に過ごす場所には白色の照明が最適です。
一方で、寝る前に過ごすお部屋はろうそくのようなオレンジ色の照明にする必要があります。空間にメリハリをつけることで、体内時計が調い、気持ちも体もオンオフが切り替えやすくなります。

寝る前まで仕事を頑張りたいからといって、白色の照明で過ごすことはおすすめできません。睡眠の質が低下し、仕事の効率が悪くなりやすいので逆効果です。
在宅ワーク等で、日中も寝る前も同じお部屋で過ごす場合は、光の色を調節できるタイプの電球や照明器具の取入れがおすすめです。
日中は頭が覚醒しやすい青白い光、夜はオレンジ色の光へ時間によって切り替えるようにしましょう。
リモコンで切り替えられる商品や、スマホなどと連動させて時間に合わせて自動的に調節できるような商品もあります。



さいごに

おうち時間が長いと体内時計が乱れやすくなり、睡眠に不調を感じられやすくなります。特に在宅ワークの方は注意が必要です。
睡眠の不調を放置してしまうと、うつ病や認知症のリスクをはじめ、生活習慣病心疾患リスクなどが上がることもわかってきていますし、日中のパフォーマンスが低下するので仕事にも悪影響です。
現代人は睡眠が不十分な人が多いといわれており、自覚症状がなくても実は睡眠が足りていない、睡眠の質が悪い状態の人が一定数いるようです。睡眠を見直して、質の良い睡眠をとることで、仕事効率が今よりずっと上がる可能性があります。
早めの対策がおすすめです。




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