あいにくあんたのためじゃない、ってまさにまさにの柚木さん。
柚木麻子さんの小説にハマりつつあります。
最近読んで衝撃を受けたのがこちらです。
『あいにくあんたのためじゃない』
短編集です。
目の付け所と、あぶり出し方の冷酷とも言える視線が鋭くて、途中で本を閉じる事ができません。
ネット社会で、ちょっと人気があるからと傲慢になって、他人を面白おかしく晒して嘲笑する。
夢を語るけど、夢を実現する気力はない子に手を差し伸べたらどうなるか。
誰かが買い物しているのをほとんど見たことのない、街に昔からあるマダムの雑貨店の謎。
落ち目のアイドルの起死回生を図った先には。
などなどの六篇。
この人もうダメ、いつまで経っても変われないね。という人や、やり直す起爆剤を自分で点火する人などさまざま。
柚木さんの手にかかると、滑稽に描かれているようで愛情も描き出されていて、読後の爽快感がたまらないです。
読ませる短編集です。
読んで後悔はない1冊です。
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