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『「心のクセ」に気づくには―社会社会心理学から考える』について

■風がふくと桶屋がもうかる

風がふく

砂ぼこりで目を悪くする人が増える

目が悪くても奏でることができる三味線の需要が増える

三味線を作るときに必要な猫の皮を手に入れるために猫が少なくなる

猫の天敵の鼠が市中に増える

鼠たちが桶をかじる

桶を買い替えなければならない人が多くなる

桶屋がもうかる

■内的帰属と外的帰属

・内的帰属
出来事や行為の原因を、その出来事を経験した人やその行為をした人自身に求める形の帰属

・外的帰属
出来事や行為の原因を、その人が取り囲まれている環境に求める形の帰属

■ケリーの共変動理論(内的帰属・外的帰属の分かれ道)

自分や他者に起こった出来事、自分や他者の行為や反応に関わるいくつかの要素が、それらを見た人によってどのように認識されるのかが重要

①一貫性
観察された出来事や行為が、状況の違いに関係なく起こるものかどうかに関する側面

②弁別性
観察された出来事や行為が、その対象に対してのみ見られるのかどうかに関わる側面

③合意性
周囲の人たちと、観察対象となった人物に起こった出来事や行為がどの程度一致しているかに関わる指標

■利己的帰属バイアス(誤った原因帰属)

自分自身の成功は能力や努力などの内的要因に、失敗は運や課題の難しさなどの外的要因にその原因を求める

(例)裁縫の玉止めと玉結びの宿題
失敗…「なんだよもう!針と糸が不良品だ!」
成功…「できた!俺は天才だ!」

■帰属の文化差

間違っていると思った行動(逸脱行動)
よいと思った行動(向社会的行動)

(例)アメリカとインドの違い
・内的要因
年齢が上がると、アメリカ人の方がインド人よりも他者の行動の原因を内的要因に帰属しやすい、その傾向は逸脱行動でより顕著にみられる
(規範やルールの範疇に収まらない、合意性が低く見積もられるような行動は内的要因に帰属されやすい)

・外的要因
年齢が上がるにつれて、インド人の方がアメリカ人よりも他者の行動の原因を外的な要因に帰属しやすい
向社会的行動では、インド人の参加者が説明した行動の原因の約半分が外的要因に帰属
社会的な役割ゆえの行動であるとか、その行動に関わる他者との関係性ゆえの行動であるという形で原因が説明されている傾向


アメリカを含む西洋の文化では、さまざまな事情は相互に独立しているという見方が広く受け入れられている。原因帰属を行う際も、その時に観察可能な「最小サイズの原因と結果の関係」に注目する。また、自分自身の存在を周囲の環境と切り離して理解する。つまり自分は、周囲からは独立した、主体性を持った唯一無二の存在であると考えている。そのため、他者の行動に対しても、その人自身の独自の特徴が反映されたものだと考える内的帰属が行われる

一方で、インドや日本を含む東洋の文化では、さまざまな事象はお互いどこかで、何かしら関連しあっているという見方が広く受け入れられている。そして、周囲との関係性や、自分が所属する集団が、現在の自分を作り上げているのだという認識をもっている。ゆえに他者の行動も、その人の社会的な役割や、ある種の「制約」が反映されたものだと考え、外的帰属が行われやすい

「20の私」という課題にチャレンジするとわかるかも

■アスリートの試合報道における日米の違い

・アメリカ
個人的特徴(例:彼女はメンタルの強さゆえに勝利したのだ)に加えて能力(例:彼女たちは素晴らしい競泳バタフライ選手)に関する言及の割合が、日本の報道よりも多い

・日本
選手の生きざまや経験(例:小学校から柔道を始め、以来ずっとオリンピック出場を夢見てきました)、家族や友人、コーチからの激励(例:彼のコーチは、とにかく最善を尽くせ、と声をかけました)、感情状態(例:柔道人生で最高の気分)、パフォーマンスに対する評価や反応(例:今までで一番の試合運び)といった、選手に関わる周辺情報が多い

■公正世界理論(ラーナーによる)

自分たちの社会は安全で、秩序だっていて、努力は報われ悪事には罰が与えられる、そして人はその人にふさわしいものを手にしているのだと信じること

【背景】
「状況の力」、つまり外的要因によって苦しめられている人を目の当たりにすると、多くの人はできればそのような外的要因を取り除いてあげたい、そしてその人を助けてあげたいと思う。しかし、それがかなわないとなると、自分ではどうすることもできない現実に直面し、自分の非力さを認めてしまうと、自尊心が傷つく。また何の落ち度もない人たちを苦しめるような社会は、不安定で無秩序な状態ともいえる。もしかしたら、次は自分が苦しむ側になるかもしれないと不安に思う人も出てくる。
心理的な不安が強い状態で日常生活を営み続けるのは大変。どうにかして不安を軽くしたり解消したくなる。かといって、自分は何もすることができない。そうなると、あとは現実の認識の仕方を変えようとする。つまり、つらい目にあっている人たちの苦しみを生みだしている原因は、その人たち自身にあると考える。
そうすることで、自分たちの住んでいるコミュニティや社会は正しく機能していると信じられる。頑張った人は報われ、頑張らなかった人は苦しむのだという、ある種の秩序だった、公正なルールのもとで生活をしているのだと安心できるようになる。

■公正な世界を信じる利点

公正世界理論の研究は社会の中で弱い立場にいる人たちを非難してしまう傾向に注目し、研究がすすめられてきたので、「公正な世界なんて信じないほうがいい」と考えてしまう人がでてくるかもしれないが、公正な世界を信じられているからこそできることもある

自分が信じる、公正で秩序だっていて、明日も今日も変わらない安定した一日がやってくることが心を安定させる
公正世界信念の強さが、遠い未来の目標に向かってコツコツ努力できる力や、自分自身のことを幸せだと思う気持ち、世の中の多くのことは自分自身でコントロールできるのだといった統制感覚の強さと関連する

公正世界信念に沿わない出来事に直面したときに、被害者非難につながる

公正世界信念の強さ(個人差)×信念に対する出来事(状況の力)=被害者非難(行動)

■2種類の公正世界信念

・内在的公正世界信念
よい行いをすればよい結果が、悪い行いをすれば悪い結果がもたらされると信じる傾向
小さなころからの学習や経験を通して多くの人に身についていく

・究極的公正世界信念
今何かしらの不公正に巻き込まれて被害を負っていても、将来必ず、何らかの形で埋め合わされるに違いないと信じる傾向
信仰や宗教ともかかわりがある=天国や地獄などの死後の世界や、輪廻転生などの生まれ変わりの教えなど、長期的な視点

■不公正世界信念

公正な世界の存在を否定する考え

■公正推論

公正世界に一致した因果ルールに基づいて、他者に起こった偶然性の高い事象の原因を推測したり、続いて起こりうる将来のできごとを予測、期待したりすること
自らの公正世界信念を守り維持するために行われる、公正世界に一致するように他者に起こった出来事の原因を推論したり、現在の状況から将来起こりうることを予想したり期待したりすること

■WEIRD問題

研究参加者のほとんどが、西洋の(western)教育を受けた(educated)、工業化され(industrialized)、豊かで(rich)、民主的な(democratic
)人たちで構成されているにもかかわらず、得られた結果を人間一般にみられる傾向と捉え議論すること

■日本人を対象とした研究結果

・欧米と一貫している点
悪い人の不運にはよい人との不運よりも内在的公正推論が行われやすいこと、そしてよい人の不運には悪い人の不運よりも究極的公正推論が行われやすいこと

・欧米と異なる点
長期目標をイメージして書き出すことや宗教性の高さが2種類の公正推論を強める傾向は認められなかった

■洋の東西で2種類の公正推論がなされる程度の違い

日米で共通して過去に窃盗を犯した人の不運には内在的公正推論が、周囲から尊敬される人の不運には究極的公正推論が行われやすいが、日本人はアメリカ人よりも悪い人に対して本来まったくの偶然で発生した事故にもかかわらず、日ごろの行いのせいだとする内在的公正推論をしやすい。また、不幸な目にあった人がよい人か悪い人かに関係なく、日本人はアメリカ人よりも、不幸は将来的になにかの形で埋め合わらされるだろうと考える究極的公正推論をしにくい

未来を想像することに慣れていれば、現在起こった出来事の帳尻を未来で合わせるという究極的公正推論が頭のなかに浮かびやすいかもしれないが、日本人の多くは特定の信仰を持たないため、究極的公正推論という概念自体が、なじみが薄い可能性がある

ただし、日本人の内在的公正推論のしやすさに、信仰の効果はなさそうという結果も出ている

地震や台風などの自然災害が多く、人口密度も高いため、社会的な規範が強く、道徳違反を犯した人に対して厳しい反応を示す

■内集団と外集団

お互いの関係性を改善するには…

・両方の集団が協力しないと解決できないような、上位目標を設定する
(例)二酸化炭素排出量の削減目標などといった環境問題

・敵対関係が生じにくいようなシステムを用意する
(例)2チームではなく複数チーム

■社会の中のさまざまな集団

・集団
同じ目標に向かう、相互依存関係にある、比較的少人数で構成された人々の集まり

相互に依存しあったり、共通の目標を持っていたりせずとも、特定の「カテゴリ-」を共有していさえすれば、そのカテゴリーに基づく集団の一員であると自らを認識する傾向がある

■ステレオタイプ

ある社会集団に属する人たちに共通すると考えられる、身体的な特徴や、行動傾向、性格などについて、私たちがもつイメージ
日常生活におけるさまざまな経験を通して形成されていく

■偏見

ステレオタイプに好き嫌いの感情が伴ったもの
(好き=ポジティブな感情を伴う場合も偏見)

情報処理の観点から言うと少なくともステレオタイプは日常生活においてなくてはならないもの

■偏見がうむ差別

・偏見
感情を伴う個人の内的な認知過程(頭の中で起こること)

・差別
特定の社会集団に実質的な不利益や利益をあたえる明確な行動として表に現れるもの

■印象判断における重要次元

「能力の高さ」と「温かさ」の相補性(一方が多くなると、もう片方が少なくなるような関係)

■温情主義的偏見

能力が低く、温かい人たちとして分類される社会集団には嫌悪や妬みのような負の感情ではなく、共感や同情といった肯定的な感情が生じる
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温情主義=パターナリズム(父権主義・家父長制)
本人の意思や希望を無視して、その人よりも上の立場にいる人たちが、良かれと思ってあれこれと勝手にその人の行動や将来を決めてしまうこと

本人の意志をそっちのけにして、なんでも先に決めてしまうことは、短期的にも長期的にもうまく機能するだろうか

■性別による役割の固定化

・多くの場合、女性が不利な立場の存在として記述される。同時に男性の選択の幅も狭めている点を忘れてはならない
・積極的に育児に参加しようとしている男性ほど職場での評価の低下や公共場面での育児サポートの欠如で苦しんでいるようにみえる(男性トイレに赤ちゃんのおむつを交換するスペースがないと父と子だけでは出かけにくいなど)→環境面でもサポートの必要
・広告は短い時間でそれを見る人の注意を引きつける必要があるため、物事を単純化して理解するステレオタイプとの相性がよい
→社会全体に不利益をもたらす諸刃の剣かもしれない

■社会集団に由来する格差

どのような立場にいても、その立場特有の悩みが存在する

■システム正当化理論

社会階層における高地位者、低地位者がそれぞれの立場をどのように合理化し、現状を受け入れようとするのかを説明
システムとは、家族・学校・職場など、私たちが日々他者とともにすごす場所で共有されている秩序や、経済的・政治的な制度といった、社会の仕組み全体のこと
私達は、現状の社会システムを「今、ここに存在しているから」という理由だけで受け入れやすくなる
現状のシステムが不公正で、機能不全に陥っていたとしても、私たちはそのシステムを作り替えて変化を生みだすことを好まない
なぜなら新しいシステムを導入して何か予測不能な出来事が起こるより、たとえ機能不全を起こしていたとしても、現行の予測可能なシステムを受け入れるほうが簡単で心地よく、自らの存在価値が脅かされることもないと思ってしまうから

ヨーロッパの27か国、47086名を対象にした国際調査で、社会経済地位の高い人ほど、自分の国のすべての人が、希望する職についたり、手に入れたいと考える教育レベルを達成したりすることができると考える傾向。政府による富の再分配の必要性については低く見つもる
=今の社会は自分にとっても他人にとっても公正で、機会も平等に与えられているのだと現状を肯定している


低地位にいる人は因果応報の観点から自分の心の安寧を取り戻すことはできない。この理屈でいうと「成功しないのは自分が劣っている(怠けている)せいだ」となるから。ただし、「もうこれは変えることができない、仕方のないことなのだ」と考えて、現状を受け入れさえすれば、少なくとも「なぜこのような恵まれない集団の一員として生まれてきたのか」という解決が難しい問題からは解放される。そこで、自分たちが不公正な社会で搾取されていると憤りを感じたり、精神的に不安的になったりするくらいなら、現状のシステムはうまく機能していると考え、不利な立場として生きていくことを認めようとする

自分自身の社会的成功や、自分が所属する社会集団全体の地位が向上するといった期待を抱いていない人ほど、現状の社会制度やシステムを肯定しやすいことがわかっている。また高地位、低地位に関係なく、実力主義や成果主義(現状の社会システム)を肯定するほど、人生満足度が高くなることも示されている

■相補的世界観

一方は望ましく、もう一方は望ましくない性質を同一人物が併せ持つことで、世の中はなんだかんだ平等にできていると考える事

現状の社会秩序や制度の肯定につながる

相補的世界観が強いほど、学歴社会を正当化する

■各国がどんな変化を嫌うか(中国・タイ・ドイツ・日本)

・プラスチックの使用制限に関して、日本の身、他の国よりも受け入れの程度が低い
・二酸化炭素排出制限について、日本とドイツで受け入れの程度が他国と暮部て低い
・医療AIや培養肉など、自分の身体や健康にかかわる新技術の需要は、ドイツで受け入れの程度が低い
・マイノリティ支援(婚外子、移民)については、4か国中、日本がもっとも受け入れる程度が低い

■コミュニケーションの多層性を意識する

自分や他者に起こった出来事の解釈や、「私」と「あの人」の間で生じるコミュニケーションは、個人のレイヤー(個人の頭の中や個人同士)の話として理解できる

個人→集団→社会へとレイヤーが積み重なっていくにつれて、自分以外の人たちに対する解像度は低くなり、どこかぼんやりした存在になっていく。このことが、社会のレイヤーで生じている問題の解決を阻んでいる可能性もある

もともとは個人のレイヤーの問題だったことが、関わる人が徐々に増えて集団、社会のレイヤーへと移行し、事態が複雑になっていくこともありえる

それぞれのレイヤーで生じる誤った推論やコミュニケーションの問題には、人それぞれがもつ自身の存在価値に関わる漠然とした不安や、これから先どうなるかわからないという未来に対する不確実性が共通して関わっている

(例)
・個人のレイヤー
自尊心を守りたいために利己的帰属バイアス(自分の成功は内的要因に、失敗は外的要因に原因を求める傾向)が生じる

・集団のレイヤー
相対的に自分や自分が所属する集団の価値を高めたり、正当化したりして安心を得るために、偏見や差別など、他の集団に望ましくない特徴を与える

・社会のレイヤー
変化に伴って自分の存在価値が脅かされるとか、変化に対応できないことで自尊心が傷つくことを避けたいという思いから、格差の問題や、機能不全のシステムに対する是正がなかなか行われにくい


個々人の不確実性の耐性のなさや自分の存在価値に対する脅威が、個人・集団・社会のそれぞれのレイヤーにおけるコミュニケーションの齟齬を生じさせている側面がある

■不確実性に対処するためには

私たちの行動は、おかれた環境やコミュニケーション相手などの外的要因の影響を受ける

お腹が空いてきたら(疲れてきたら)判断が厳しくなる傾向がある

自分のことですら正しく理解できていないときがあるのに、他者の行動や他者に起こった出来事の原因を、その時に観察した情報だけで、常に正しく判断できるはずがない

考えてみてもよくわからないけど、それはそれで仕方ないと原因がわからないままにしておける方が気持ちが楽になるときもある

長期的な視点をもち、過去ではなく未来を見据えて行動する

日本人は長期的な視点でもって物事を考えるのが苦手
「成功したい」よりも、「失敗したくない」と考えて行動をおこす人も多い

少しずつ未来志向の考え方を取り入れよう
たまに時間をとって、長期的な目標を確認し、未来のポジティブな自分の姿をイメージしながら行動できれば、不確実な状況で生きていくことに対する不安も少しやわらぐ

■ことばで伝える

何もしなくても、時が経てば勝手に解決してくれることもある
特に利害関係を伴う問題に関しては、たとえ双方に解決したいという意欲があったとしても、溝が埋まらないまま時間だけが過ぎてしまうことも多い

それでもなんとかしたいと考えるのであれば、自分の感情や考えを「ことば」にして他者に伝えるほかない

相手と親密で良好な関係を築く際には、非言語的な手段を通した情報伝達が必要不可欠
その一方で、相手に何かを正確に理解してもらいたい、論理的に何かを伝えたいという場合はことばに頼らざるを得ない

大事に思っている相手との関係を見直したいときは、表情などから「察して」もらおうとするのではなく、ことばで、そしてできれば論理的に、相手に伝えたほうが直接的で誤解のないコミュニケーションにつながる

■意見の違いと好き嫌い

ある人と意見の違いがあることと、その人を好きか嫌いかということとは別の話
意見の相違は課題葛藤
好き嫌いなどの仲違いは関係葛藤

課題葛藤はよりよいアイディアを生みだすきっかけになったり、合意に向けた話し合いの満足度を高めたりする
一方で関係葛藤はストレスや緊張感を高める

ひとたび関係葛藤を認識してしまうと、話し合いに消極的になり、解決に向けた行動がとられにくくなる

■まずは声をあげること

不利な集団からの訴えだけでは、なかなか社会全体の変化につながらないのが現実(恵まれた集団に所属する人たちは現状維持によって利益が得られているため、変化の必要性を感じにくく、変えたくないと思っているから)

データを示しながら長期的な視点に基づく個人、社会の利益に焦点を当てた議論をする
社会的な評判や評価の側面から、あなた個人にも実質的な利益があるのだと訴える

■変化をうむマスメディア・政治の力

テレビは「世の中の動きやできごとを知るために接触するメディア」として66%の人たちに選択されており、インスタやYOUTUBEを大きく引き離している(全国メディア意識世論調査2020)

テレビニュースを情報源とする頻度として「毎日」と回答した人は89.8%、48か国中1位

法律や制度は社会集団の利害関係に影響されずに社会全体を一度に動かす強い力をもっている

サポートいただけると、励みになります。よろしくお願いいたしますm(__)m