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 本日は、最近よく新聞やニュースで目にする「デジタル課税」について、その目的や影響について考えていきます。

こんにちは、佐々木正人です
是非、最後まで読んで持って帰って下さい!!
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1. デジタル課税とは?

そもそもデジタル課税とは何か。
簡単にいうと、「インターネットサービスでグローバル展開している企業に対する課税」で、2023年に導入される予定です。
“インターネットサービスでグローバル展開している企業”とは、代表例としてはGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)のような巨大IT企業があげられます。Facebookは社名をMetaに変更されましたね!

デジタル課税導入を含む、国際的な課税ルールについては、2012年からOECD(経済協力開発機構)で議論されていました。
そして2021年10月、OECD加盟国を含む136カ国で合意され、2023年の導入に向けて、具体的な運用が検討されています。

この合意がされたことで、GAFAを含むグローバル企業に対して、課税されることになりますが、その対象企業は、「売上高 200 億ユーロ(日本円で約2兆6,000億円)以上」「税引き前利益率が10%以上」と設定されています。

つまりIT企業に限らず、資源関連企業と金融業を除く一般企業も含まれることになります。該当する企業は全世界で100社程度となる見込みで、日本で基準に当てはまる企業は、トヨタ自動車やソニーグループ、NTTなど国内を代表する大企業のみです。

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(引用)
三井住友DSアセットマネジメント株式会社 デジタル課税
日本経済新聞 法人最低税率15%、23年に 引き下げ競争に歯止め

2.デジタル課税導入の背景

これまで、企業が海外進出する際、現地に工場や拠点を置いてグローバル展開を進めることが主流でした。
そして、これまでの課税ルールでは、企業が工場や拠点など“恒久的な拠点”を置いていれば、各国は企業へ法人税を課税することができました。

一方で、工場や拠点がない場合は、各国は企業へ法人税を課税することができませんでした。IT 企業ではその国に工場や拠点を置かなくても、グローバル展開が可能であるため、意図的に課税を回避することが出来ていました。

そのため、GAFAのような巨大IT企業が、各国の消費者から大きな利益を上げているにもかかわらず、課税されていなかったということが問題視されていたんですね~

前述の通り、これらのIT企業の課税逃れを防ぐ議論は、OECD(経済協力開発機構)を中心に2012年から10年近く続いていたのです。

議論が進展したきっかけとしては、アメリカの政権交代だと考えられています。ヨーロッパの一部の国ではアメリカの巨大IT企業に対する独自のデジタルサービス税を導入していましたが、トランプ前大統領はこのことに反発したままで議論が進んでいませんでした。

2021年に新たに発足したバイデン政権で議論が再開し、課税ルールの設定について大枠の合意に至りました。
また、それに伴い、ヨーロッパの一部の国で導入した独自のデジタルサービス税は廃止となりました。

デジタル課税以外にも、企業に対するミニマムタックス(最低税率)を15%とすることも合意されました。ミニマムタックスの設定により、企業の課税逃れに対応するため、法人税率が低いタックスヘイブン(避税地)に子会社を設立している企業にも課税が強化されるんです。
企業が実際に負担している税率が、最低税率である15%を下回っている場合、その差額が本国の親会社に課税される仕組みです。

これらの税制の見直しについては、各国がGAFAのようなアメリカの巨大IT企業へ抱いていた不公平感が根底ありますが、新型コロナウイスルの影響拡大が後押しした面もあると考えられます。
コロナウイルス対策や経済支援のため、税財源の確保が重要視されていますが、デジタル課税やミニマムタックスの変更により、各国の税収が増加し、コロナ禍で増加した各国の支出を賄うことが期待されています。

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(引用)
日本経済新聞 デジタル課税も導入へ 大企業に富偏在 是正目指す GAFAなど念頭に
日本証券業協会 デジタル課税とは何か?

3. デジタル課税の影響

デジタル課税導入を含む、今回の課税ルール設定による影響について、日本・日本企業への影響と、海外各国・海外企業への影響について考えてみます。

日本では、デジタルサービスの消費が大きいため、デジタル課税の導入は日本の税収に影響を与えると考えられます。
また、日本企業のグローバル展開は、自動車産業のように、現地に設立した工場や、販売会社を通じて事業を行う従来の手法が主流でした。
そのため、現状でも現地で課税されているので、日本企業のデジタル課税による影響は小さいと考えられます。

海外の企業に目を向けると、例えば大手IT企業では、従来のような課税逃れや節税が難しい状況になる点ではマイナスな影響が大きいです。
ただし、デジタル課税のような国際ルールがない場合は、各国また各地域で、独自の課税ルールが設定され、かえって課税が大きくなり、グローバル展開が難しい状況に陥る可能性があるので、企業側にとってプラスな影響となるとも考えられます。

そして、海外各国については、前述の通りGAFAへの不公平感が軽減され、税収が増加する点でプラスになります。
一方で、中には低税率による海外企業の誘致を積極的に行っている国もあります。デジタル課税の導入と並行して、ミニマムタックスも設定されるので、そのような国々では節税面での企業誘致が難しくなる可能性があるので、マイナスな影響となる国・地域も多数存在します。

4.今後の課題

それでは、デジタル課税の導入・適用に向けた課題について考えてみます。

課題としては“課税ルールの具体的な設定”が課題になると考えられます。

大枠について合意がされているものの、2023年の適用に向けて、極力、各国の利害の差が大きくならない設定をする必要があります。OECD加盟国の中には2023年からの適用は現実的でない、と意見する加盟国もありました。
また、ルールに“抜け穴”があれば、再度、長期間をかけて課税ルールを見直す必要があるので、現段階で“抜け穴”を生まないルールを設定しておく必要があります。

そして、デジタル課税については、多くが巨大IT企業向けの課税になると想定されていますが、実際に各国でどれほどのサービス利用・消費があったか、企業は各国でどれほど収益を上げたか、が正確に把握される必要があります。

現状は、利用実績のデータなどの各種データは、企業内のみに留められています。企業はそれぞれの顧客データをマーケティングや新規事業に活用させているので、データが企業の強みに直結しているとも言えます。
デジタル課税を、導入の目的通りに正確に不公平感なく設定するためには、各企業が保有している課税額算出に必要なデータを開示することを義務付けることが必要になります。

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(引用)
株式会社日本総合研究所 デジタル課税が税収・企業負担に及ぼす影響と導入に向けた課題

5. 最後に

本日は、デジタル課税を中心に、今後の課税ルールの変更による影響について考えました。

海外経済の変動や、海外企業の動向は、日本企業にも大きな影響を与えます。そして、今回のような国際ルールの変更によって、動向が大きく変化する地域・企業も少なからず生じてきます。

その場合、自社との関係が大きい地域・企業については、事前に調査をしておくことをお勧めします。海外拠点を置いてない場合は、現地に直接行くことは難しいですし、拠点を置いている場合でも、情報収集の広さには限界があります。

海外調査については、以下URLよりご確認いただけますと幸いです。

本日は以上です。
次回もお楽しみに!では!

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