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あの頃、僕は2次に受肉してもらっていたのかもしれない

こえ部って、ご存知でしょうか?
では、らじろぐはご存知でしょうか?
お、まじすか、じゃあ…ねとらじは…?

2000年代後半、インターネットでのコミュニケーションの場は掲示板やチャットが主流だったころ。新しいコミュニティとして、音声配信・音声投稿という形が生まれ始めました。

インターネットラジオを個人単位で配信するSEAMS運営のらじろぐが2005年。音声投稿を主とするこえ部が2006年にカヤックから誕生し、一時は毎日どの時間にアクセスしてもそれなりの人数が配信を行っていました。(こえ部の配信機能、こえ部LIVE!は2008年実装開始。)
実は……僕も毎週配信していた時期が少しばかりあります。投稿を通じていろんな人と知り合ったり。とある企画でちょっとした即興マイクリレーがあって、人生初のラップに挑戦したりもしました。
親フラと戦いながら細々と雑談配信を…。声劇という文化もありましたね。
まだニコニコ動画の配信、ニコ生が生まれるや生まれないやの頃なので、
声をつかって交流したい、声優にあこがれている、歌を歌いたい。
そのような人たちが集い、一コミュニティが形成されていた。

当時中学生で、学校では非常におとなしく、部活もしていなかった僕にとってそこで得た人間関係がその全てを占めていた。
そこで様々な年齢や立場の人達と仲良くなり、毎夜話したり遊びに行ったりしたことは今も自分の中で財産になっている。
今でもたまに「あの人どうしてるかなぁ」と思ったりすることもあるし。(今でも繋がっている人がいるので本当にありがたいばかりです。)

そんな中、やはりそこはコミュニティサイトなので皆それぞれサムネイルを設定するわけです。
どんな画像を用いてもいいものの、このサムネイルにその人自身を声や話し方等からイメージし、キャラクター化したイラストが用いられることが出てきたんです。
心得のある人は自ら、また誰か知り合いの描ける人に描いてもらったり。
サムネイルを前提としていなくても、イメージイラストを頂くなどそういったやりとりをする流れがあった。
ある意味でオリジナルキャラクター化=2次元化。

ハルちゃん(作:桐生泉)

(ちなみに当時のサムネ。作者許諾も得ています。何重にもありがたい…)

やはりそれ以前の文字会話ベースよりも、声を主体にすることでより個人としての色は濃くなり、容姿は見えない分想像を楽しむ余地があったこと。
そこにその人を定義するイラストがあることで、疑似的に顔の見える状態になる。

と、このことを思い返していると、
現在のひとつの文化にちょっとしたシンパシーを感じる。

Vtuberである。

Youtubeを中心にバーチャルモデルを使用し、動画配信や投稿を行っている人のことをバーチャルYoutuber、「Vtuber」と呼称する。

かくいう僕も、Apex関連の配信群やにじさんじをきっかけに、
昨年あたりから切り抜きや配信を見漁るオタクとして仕上がってきてしまっている。コラボ配信や歌枠、雑談枠や声真似にゲーム実況。
非常に近しい。
当時は、一個人がマイクを通して話せることがそもそも先進的だった。
ネット回線やパソコン自体の性能も当時の”スタンダードより凝ったこと”が音声投稿や配信だった。

いちからやホロライブ等以外にも、Vには個人勢もそれはもうたくさんいて隆盛を極めている。それを何故か少し羨ましく一リスナーとして眺めている自分もいたのだが。
かつて自分たちが毎晩明け暮れていたあの楽しかった時間の中に、

たしかに”それ”はあった。

あの日ももちろん楽しかったけど、楽しいことはどんどん広がって膨らんでいっている。
それに、あの頃のオルターエゴが、今だったらもしかして受肉とか転生だったのかなぁ!なんて考えると、なんだかそれもおもしろいなぁ。
ということを先日色々振り返ることがあった折に思い、その後この記事を読んでその感動がさらに近く、強くなった。

すごく似てるけど、
入り口にも向こう側にも、格段に可能性の扉は開かれている。
うぉー!ちゃんとめちゃくちゃ面白くなっていってるわぁ・・・!世界!!

2次の身体ちょっとうらやましいんだよな…

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