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[読書記録]善人と悪人は紙一重? |善人長屋


3回目の読書記録です。
今回は、西條奈加さん『善人長屋』です。


以前紹介させていただいた、こちらの本と同じ著者になります。


ざっくりしたあらすじを。


善い人ばかりが住むと評判の長屋に、とある事情があり住むことになった錠前職人の加助(かすけ)
もちろん、加助も根っからの善人。


ところが、長屋の住人たちには、とある秘密があったのでした。



実は、善人であるはずの住人たちは、裏稼業をもつ"悪党"だったのです…!


差配の儀右衛門(ぎえもん)は盗品を扱う故買い(こばい)
儀右衛門の娘のお縫(おぬい)、16歳
髪結いの半造(はんぞう)は情報屋、狸顔
唐吉・文吉兄弟は女装して美人局(つつもたせ)


ざっと、登場人物(一部ですが)はこんな感じです。


しかし、善人である加助は、困っている人を放っておけない性分。
次から次へと面倒事を持ち込んできます。


住人たちは、呆れながらも裏稼業で培った力を発揮し、解決するための手助けをするのですが…


***


裏稼業の力を使って人助けをするという、なんとも矛盾で矛盾を包んだ、矛盾ダブルバーガー的な展開(ラップ作れそう、チェケラ)。

西條さんの作品は、登場人物が個性的なので「あら、この人は一体何の誰だっけ?」とページを戻って確認する回数も圧倒的に少ないです(アガサ・クリスティのミステリーを読んだ時、何度登場人物のところを読み返したことか…)。


そして、皆それぞれ裏稼業を始めた事情があります。悲しい過去を持つ者、裏稼業をしていることに引け目を感じている者などなど。。


また、加助が本当に善い人すぎて心が洗われるんです。社会生活では必然的に他者と関わりますよね。

▷上手くいかなくて落ち込む日
▷イライラしたくないのに止められない日

こういう時に読むと、段々と優しい気持ちで溢れ、穏やかな状態の自分を思い出せる。そんな一冊です。
興味がある方は、ぜひ読んでみてください!


ここまで読んでくださり、誠にありがとうございます!!

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