見出し画像

アメリカ大陸のラグビー①(北米編)

Hola
こちらグアテマラ及び全ラテンアメリカではイースター休暇(聖週間)が今日で終わり、次の休暇は年末まで無し。凹む。日本の祝日の多さは世界屈指。

さて、今回はアメリカ大陸+カリブのラグビーついて。
東にはカリブの島々、北はカナダ、南はチリまでの合計で35カ国存在するため、北米ラグビー連盟と南米ラグビー連盟に分かれている。
サッカーとは若干異なり、北米にはメキシコ以北+カリブ諸国が加盟、南米にはグアテマラ以南の全ての国が加盟。(サッカーではグアテマラ、ホンジュラス、パナマ、コスタリカ等の中米諸国は北米連盟= CONCACAFの管轄)

オレンジ線から上は北米、下は南米。雑ですいません。

北米ラグビー連盟(Rugby Americas North)
~アメリカ・カナダのBIG2とフィジカルモンスターのカリブ諸国~

1)基礎データ
連盟発足: 2001年
加盟国: 18カ国
ランキング順(2022年4月現在) 
1. アメリカ合衆国_18位
2. カナダ_21位
3. メキシコ_43位
4. トリニダード・トバゴ_53位
5. ガイアナ_56位
6. ケイマン諸島_57位
7.ジャマイカ_67位
8.バミューダ諸島_68位
9.セントヴィンセント・グレナディーン_78位
10. バルバドス_81位
11.バハマ_99位
*上記の国以外に、サンタルシア、フランス領ギアナ、マルティニーク、ドミニカ共和国、キュラソー、タークスアンドカイコス諸島、英領ヴァージン諸島の7か国が北米連盟に加盟しているが、World Rugbyには未加盟の為ランキング外。

......なかなかエキゾチックな顔ぶれ。

過去W杯出場歴のあるチーム:
カナダ
アメリカ

何より、アメリカとカナダが頭二つ抜けている印象。
アメリカは2017年に発足したMLR=メジャーリーグラグビーが海外から多くの代表クラスの選手(特に大洋州、南米)と契約し、地道にレベルを上げている(元々強いが)。
数年前にはSNS上でトライアウトの広告をよく目にした。

ジャマイカ等のカリブ諸国は身体能力には長けれいるものの、やはり技術、戦術、何より競技人口の少なさによりBIG2には遠く及ばない。とは言え、カリブの強さ速さは本物で、ボロ負けしていても強豪相手に大抵1トライ、2トライは決めている印象がある。
何より、”原石” のモノが違う。
例えば2018年の中米カリブ大会(五輪連盟主催=7’s)では、ロンドン五輪200m銅メダリストのWarren Wier(ウォーレン・ウィア)がジャマイカ代表として出場した。ちなみにタイムは200mが19秒79、100mが10秒02…。
試合映像を見たところ、タックルは怪しかったが普通に止めていた(というより普通に追いついてしまう…)。アタックでは案の定、容赦なく味方から蹴り込まれ走り回されていた。
SNSを見ると現在ではプレーしていないようだ。

陸上選手時代のWarren 
写真: ジャマイカラグビー協会
中米カリブ大会にてラグビー選手のWarren
写真: ジャマイカラグビー協会



そして北米連盟ほぼ唯一のスペイン語圏のメキシコ。
サッカーやボクシングが中心のスポーツ大国だが、これらのスポーツに比べると、やはりラグビーは人気・実力ともにかなりの遅れを取っている。
(*個人的な意見だが、日本とほぼ同じ人口を抱える国にも関わらず、人気スポーツが少ないことがサッカー・ボクシングの強さに繋がっていると思っている。日本はサッカー・野球・格闘技・ラグビー・バレー・水泳・陸上競技・体操・冬季競技等の多くの競技に才能が分散されている)
しかし南米の中堅国パラグアイやコロンビアに勝利したこともあり、一定のレベルには達している。日本との直接対決は無し。
代表選手の大半がメキシコ国内リーグ所属、数人がアメリカのチームに所属している(恐らくメキシコ系アメリカ人)。
一部の選手はサプリメント会社や飲料会社(ラテンアメリカではPower AdeやGatoradeが定番)のサポートを受けている可能性もあるが、基本的には全員が本業を持っているアマチュア選手だと思われる。

メキシコvsケイマン諸島
写真:北米ラグビー連盟

2)主要大会
一応、北米ラグビー管轄内での最高峰の大会はRAN(=Rugby Americas North) CHAMPIONSHIPとされているが、実質はティア3のチームのみの出場のため、アメリカ・カナダ・メキシコ・ケイマン諸島は不参加。
直近の優勝国は15人制ではバミューダ諸島、7人制ではジャマイカ。

ティア1のアメリカとカナダはAmercias 6 Nations=アメリカ大陸6ネーションズ(対アルゼンチン、チリ、ウルグアイ、ブラジル)に参加。
アメリカはこの大会で過去2回優勝経験有り。*アルゼンチンは2軍で出場していた。

ティア2のメキシコとケイマン諸島はAmericas Rugby Challenge=アメリカ大陸チャレンジリーグ(対パラグアイ、コロンビア)に参加している。
*北米最下位チームはティア3内の北米トップと入れ替え戦。 

アメリカラグビー・チャレンジリーグ
写真: メキシコラグビー協会


3)W杯への道のり(2023年フランス大会のケース)

北米連盟への固定出場枠は無く、北米・南米を合わせたアメリカ大陸全土で出場権を争う。
前回の日本大会でアルゼンチンが上位12チームに入ったため、アルゼンチンは予選免除。よって今回はアメリカ大陸で2枠。
予選方式は割と複雑で:
⓪先ずは北米でプレーオフが行われ、順位を決める
1枠目:
①チリ・ブラジル・パラグアイ・コロンビアで上位2チームを決める(チリとブラジルが突破)
② ①を突破した2チーム+ウルグアイで南米3ネーションズという総当たり戦を行う
③3ネーションズの1位が北米1位と戦う(ウルグアイとアメリカがH&Aで対戦)
④ ③の勝者がW杯出場権獲得(ウルグアイが出場権獲得)

2枠目:
①南米3ネーションズの2位チームが北米2位チームと対戦(3ネーションズ2位のチリとカナダが対戦し、チリの勝利)
②勝者は1枠目の敗者と対戦。ややこしいなぁ。。。(チリとアメリカが対戦)
③ ②の勝者がW杯出場権獲得(6月に行われる予定)

ラグビーの予選はいつも複雑だと感じる。1発勝負的な要素が少ないため番狂わせが起きにくく、結局毎回同じ国が出場しているような気がする。
今回はカナダが出れなくなり、W杯初出場を目指すチリがあと1歩のところまで来ているが。

今回の記事はこれで終わり。

次回は私の専門(?)とする南米編。

Buena onda!!!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?