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【シンガポール・15時間トランジット②】初めて空港の床で野宿しました

今回は前回の続きです。

短時間ではありましたが、久しぶりに観光らしいことをして、何だか心が満たされた夜でした。長距離フライトと寝不足で体は疲れているはずなのに、脳は元気で、時間さえあれば、もっとシンガポールの街をフラフラしたかったくらいです。

さて、シンガポール観光はこれで終了です。翌朝にはバリ島に向けて出発しなければなりませんから、チャンギ空港に戻って、ある程度休息を取る必要があります。

ただ、休息とはいっても、今回はホテルの部屋など取っておりません。次のフライトが午前7時15分の早朝便ということもあって、たかだか5~6時間の休憩のために2万円以上もするエアポートホテルの部屋を取る気にならなかったのです。また、市内にホテルを取るにしても、出発が早朝のため、色々と不便を感じ、ホテル泊は見送ることにしました。

というわけで、今回のトランジットではチャンギ空港の制限エリア内で野宿することに決めており、そのつもりで荷物なども準備してきました!本日は、その様子について書いてみようと思います。

注)空港によっては、制限エリア内に滞在できない(24時間運用ではない)空港もありますので注意が必要です。


チャンギ空港到着&出国審査

空港に戻ってきた時間は正確には覚えていませんが、23時30分頃だったかと思います。翌日の飛行機はターミナル1から飛ぶので、MRTの駅から再びターミナル1へと移動しました。

私のフライトの最終目的地はバリ島で、そこまでの搭乗券は既に発行されているため、新たにチェックインする必要はありません。よって、そのまま出国ゲートへと向かいました。

出国審査に関しては、あまりに簡単過ぎて拍子抜けしました。というのも、出国ゲート(自動ゲート)でパスポートをかざし、ゲートが開いたらそこはもう既に制限エリア内で、煌びやかなお店がずら~っと並んでいるのです。本当に機械によるパスポートチェックと生体認証だけで、手荷物検査などは一切ありませんでした。確かに、思い出してみたら、チャンギ空港の手荷物検査は搭乗ゲートに入る前にあるんですよね。つまり、たとえ入国しなかった場合でも、次の飛行に乗るためには再度手荷物検査を受ける必要があるということになります。

仮眠場所を探す旅

さて、あっさりと制限エリアに戻ってきた私は、早速『寝床』を探す旅に出ます。とは言え、闇雲に歩いても疲れて体力を消耗するだけなので、ある程度プランは立てていました。

プラン① ターミナル1で横になれるロングタイプのソファを探す
プラン② なければ、ターミナル3に移動して探す
プラン③ それでもなければ、ナップルーム(有料)の利用を考える
プラン④ それも無理なら、早々に諦めて地べたに寝る!

チャンギ空港には、座り心地の良さそうな大き目の椅子やソファが沢山あり、電源も比較的確保しやすいです。しかし、横になって寝れるようなロングタイプのソファとなると話は別です。当然あるにはあるのですが、常に誰かが使用していて、少なくとも私はロングタイプのソファに「空き」があるのを見たことがありません。

けれども、普通のソファでは身体が辛くて休まりません。よって、最悪は地べたで寝ることも考えて、グッズを用意してきました。

① ターミナル1で寝れる椅子を探す

出発便がターミナル1なので、ここで寝床が見つかれば最高です。ひとしきり歩いてみて、ロングソファのエリアは見つけましたが、残念ながら空きはありませんでした。でもまあ、予想通りの結果ですね。

② ターミナル3で寝れる椅子を探す

次にスカイトレインに乗って、ターミナル3へ移動しました。ターミナル3はいつもトランジットで利用しているので、もう何処に何の施設があるのか分かり切っています。しかし、ここでもロングソファの空きは無し。

正直、この時点でロングソファを見つけることは諦めました。下手に粘り過ぎても時間と体力を消耗するだけなので、諦めのタイミングも大切です。

③ Ambassador Transit Lounge でナップルームの空きを確認する

最後の足掻きとして、ターミナル3にある Ambassador Transit Lounge(アンバサダー・トランジット・ラウンジ)を訪れてみました。ここは誰でも使用可能な有料ラウンジなのですが、ラウンジサービス以外にも、『ナップルーム(有料)』と呼ばれる仮眠用スペースの用意があり、そこではシングルベッドの使用ができます。料金は6時間パックからで金額はそこそこ高いですが、エアポートホテルよりかは安くつくだろうと思い、とりあえず聞くだけ聞いてみようと訪れてみました。

フロントデスクの方に空き状況を伺うと、「午前2時からなら提供できる」とのこと。この時確か午前12時10分くらいだったかと思います。さすがに2時まで待つのは大変ですし、そこからだと結局利用できるのは3~4時間くらいなので、使用するメリットが感じられませんでした。

よって、今回は『地べたで寝ることが確定』となりました!

④ 安全に寝れそうな場所を探す(地べた)

床で寝ることが確定し、何故か心が躍る私。まるでこうなることを望んていたかのようです(笑)

24時間運営のチャンギ空港では、地べたに寝てる人達をよく見かけます。もう当たり前のように床で寝ているんです。なんなら寝袋とか枕とか毛布とかのお休みセットを持ち込み、しっかり寝ている人も少なくありません。そのためか、『地べたで寝る』ということに対して、私もあまり抵抗を感じていませんでした。

さて、問題は『どこで寝るか』ということです。あまり人が多いところだとうるさくて敵わないですし、かといって人が全くいないところだとセキュリティの面で心配です。「静かだけど、適度に人の目もあって…」。そんな場所を探した結果、とても良さそうなスポットを2階に見つけました!飲食店やサービス施設の無いところなので人の行き来はとても少ないですが、横がガラス張りなので人の目も届きます。周りでは既に2グループが横になっていたので、寂しくもありません(笑)

当日の私の寝床
2階部分なので、お店や人が集まる1階と異なり、適度に静かでした。
けれどもガラス張りなので、周囲で何が起きているかが分かりやすく、開放感もあります。
私の周りでは、既に2組のグループが休んでいました。
めぐりズム
旅行用のアイマスクの代わりに、こちらの「めぐりズム」を日本から持ってきました。
疲れていたので、ラベンダーの香りと蒸気によるリラックス効果は絶大でした~。
※低温やけど防止のため、着用したままでの就寝はお勧めいたしません。
私は大丈夫でしたが、自己責任ですのでどうぞお気をつけ下さいね。

さて、寝床が決まれば、あとは寝る準備です。近くのコンビニでお茶と水を買い、トイレで洗面と歯磨きをし、同じ場所に戻りました。防寒目的で持ってきた膝掛けを枕に使い、日本で買ってきた「めぐりズム」をアイマスク代わりに装着し、準備は万端です(笑)

睡眠時の盗難に関しては、私の場合、あまり心配はしていませんでした。空港の制限エリア内は誰でも入れるわけではありませんし、いるのはパスポートで身元の知れた人達です。また、セキュリティの方々も常に目を光らせています。ついでに私の眠りは浅いので、少しでも刺激を感じると目が覚めてしまいます。

とはいえ、自己防衛は大事ですから、貴重品は人の目に触れないところに保管する、人の目の届きにくい所には陣取らないなどの点では、十分気をつけていました。例えば、私は内ポケットのあるブルゾンを着ていたので、携帯等はそこに入れていました。また、PCの入ったバックパックは抱き枕のようにして抱いて寝ました。尚、盗まれてもダメージが少ない荷物は、写真の通り、そのままトローリーに放置です(笑)

普段、しっかり体を横にしないと眠ることができない私ですが、今回は抱き枕もプラスに働き、いつの間にかすっかり眠りに落ちていました。

おまけ情報:野宿するなら知っておいた方が良い事

思いのほか快適で、結構ぐっすりと寝ていた私ですが、途中誰かの声で目を覚まします。「Ma'am. Excuse me, Ma'am」と言いながら、誰かが私の肩を叩いています。アイマスクをずらし目を開けると、私は軍の制服を着た数人のセキュリティに囲まれていました。そのうちの一人は大きな銃を携えています。

普通なら驚いてしまう状況でしょうが、私はこういったセキュリティチェックがあることを事前に知っていたので、すぐに状況を把握することができました。「Ma'am, could you show me your passport and boarding ticket?」と聞かれたので、パスポートと搭乗券を差し出します。トランジット待ちであることを確認すると、セキュリティの方々は「Thank you」と言って去っていきました。

チャンギ空港内では、このようにセキュリティの方々が巡回しています。悪いことをしていなければ、恐れる必要は全くありません。むしろ、こうやってパトロールしてくれることによって空港内の安全が保たれているわけですから、とても有難いことですよね。しかし、知らないでいるとビックリしてしまうかと思いますので、野宿される方は、彼らの存在を念頭に置いておくと良いかと思います。

眠りにつく前
奥に1組の家族と、反対側に1組のカップルがいただけでしたが…
起床時
起きたら結構人が増えてました(笑)
大判ブランケット持参の方もチラホラ。

Ambassador Transit Lounge でシャワー

さて、先述の Ambassador Transit Lounge(アンバサダー・トランジット・ラウンジ)では有料でシャワーを使用することができますので、バリ島へのフライトの前に浴びてきました(30分/ S$20)。

タオルやシャンプー等のアメニティはありましたが、レビューでシャンプーの評判があまり良くなかったので、私は使い切りのシャンプー&コンディショナーを日本から持参しました。公共の化粧台にはドライヤーもありますので、髪もきちんと乾かすことができます。

ターミナル3にあるアンバサダー・トランジット・ラウンジ
ラウンジの他、空きがあればシャワーやナップルームの利用もできます(有料)。

朝食はご当地のカヤ・トースト

シャワーを浴びて身なりを整えた後は、ターミナル3からターミナル1に戻り、朝食探しです。最後に何かしらご当地ものが食べたいなと思い、カヤ・トーストを選択しました。

Kaya Toast(カヤ・トースト)とは、こんがりと焼いたトーストにカヤジャム(ココナッツ、砂糖、卵、パンダンリーフで作ったペースト)と薄くスライスしたバターを挟んだもので、シンガポールの定番朝食メニューです。これを温泉卵に絡ませて食べるのが通らしいのですが、甘いトーストと温泉卵の組合せが如何なるものか全く想像できない上に、めちゃくちゃ高カロリーそうなトーストに慄く私(笑) でも、食べてみない事には分かりませんからね!何事も挑戦です!

カヤ・トーストは甘かったですが、嫌な甘さではなく、植物由来のような甘さと言いますか、餡のようで結構食べやすかったです。飲み物は、コンデンスミルクの入ったコーヒーが一般的と聞いていましたが、甘い食事に甘い飲物は無理そうだったので、私は砂糖なしの紅茶にしました。

ご当地カヤ・トースト(飲物付きでS$6)
温泉卵があまりに美味しそうだったので、パンにはつけず、
結局そのままタレをかけていただきました(笑)
充電しながら搭乗待ち

全体の感想

空港の地べたで野宿するのは初めての経験でしたが、思いのほか快適に過ごすことができました!むしろソファに縮こまって寝るより快適だったように思います。早朝フライトでなければ市内のホテル等に宿泊しますが、今回のように、空港にいた方が便利な場合は、また野宿しても良いかなと思いました。

とはいえ、これはあくまで私の体験談であって、安全面・体力面において全て『自己責任』です。決して空港内野宿を推奨する記事ではありませんので、そこの所はご理解下さいね!

さて、シンガポール編はこちらで以上となります。
次回からは、いよいよバリ島旅行記となります!(←やっと!)

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