政令指定都市めぐり【第18回】

昨日の記事でも触れた大阪阿部野橋駅や天王寺駅は、奈良方面の南大阪線や関西空港方面の阪和線につながっている。

今日は、大阪府のもう一つの政令指定都市である堺市に移動しよう。

堺市には、堺市駅がある。堺市駅もまた、大阪駅から大阪環状線で天王寺駅まで行き、そこからつながる阪和線の路線上にある。

大阪駅からは、JRの快速に乗れば、約30分で堺市駅に到着する。

堺市の行政区は、①堺区、②東区、③西区、④南区、⑤北区、⑥中区、⑦美原(みはら)区の7区で構成されている。

堺市は、大阪市住之江区や住吉区と南北で接しており、堺区と北区が市境で隣接している。

堺区が、堺市の玄関口であり、市役所の庁舎もあるが、政令指定都市では珍しく、堺市役所の本館の一部が堺区役所となっている。

なので、堺市堺区役所と呼ばれている。

大阪市住之江区と、堺市堺区や堺市西区は、ともに大阪湾に面している。

堺区には、世界に誇れる文化遺産があり、4年前の令和元年に、仁徳天皇陵(=大山古墳)が世界文化遺産に認定された。

仁徳天皇陵は、世界三大墳墓の一つであり、クフ王のピラミッド(エジプト)と秦の始皇帝陵(中国)と並ぶ最大規模のお墓である。

ただ、大山古墳として併記されているように、そのお墓が果たして仁徳天皇陵なのかどうか疑わしいとする学説もある。

仁徳天皇は、第16代天皇で、4世紀から5世紀前半(300年〜450年)の間に生きていたとされている。

ちなみに、誰もが馴染みのある推古天皇が、第33代の天皇であり、彼女は554年から628年まで生きている。

仁徳天皇陵は前方後円墳であり、上空から見ると大きな鍵穴のような形をしている。付近には、同じく文化遺産に認定された百舌鳥(もず)古墳群もある。

阪和線の堺市駅の次の駅が三国ヶ丘(みくにがおか)駅と百舌鳥駅であり、JRに乗れば、堺市駅からたったの3〜4分で古墳群エリアに足を運べる。

古墳時代にあまりロマンを感じない人は、せめて堺市の「堺」の由来や、三国ヶ丘駅の「三国」とは何なのかに関心を持ってほしい。

実は、三国(みくに)というのは、文字どおり「3つの国」であり、昔の「摂津国」「和泉国」「河内国」を指している。

これら3つの国境(くにざかい)で発展した都市だから、「堺」市なのである。

摂津国は、今の兵庫県東部(西宮市)にまで及ぶ広い国だった。

摂津本山、泉佐野、河内長野などの地名は、かつての旧国名の名残りである。

そのエリア上に大阪市や堺市という政令指定都市が誕生したという事実から、歴史の重みが感じられるのだ。







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