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5.地域との繋がり

今、父の病気を振り返ると、かなりストレスがかかっていたことを思い出します。

治療方針で父とぶつかった時は、静かに泣いていました。
泣いているけど、父に水をとってほしいと言われて、泣き顔がバレないようにそっけなく渡す。そして部屋に逃げる。

帰宅途中の電車の中で病気について思い出し、涙が溢れる。そっとマスクを広げて顔を隠す。誰に相談したらいいのか分からず、毎夜ネットサーフィンを繰り返す。

こんな感情の起伏が毎日のように続きます。先が見えない未来。
父の体調が少しでも良い時は家も明るくなりますが、ご飯が食べられない、排泄ができない、身体が痛い、、等、少しでも悪いことが起これば今までの明るい気持ちは無くなります。

もっとも具合が悪い時、お世話になったのは、地域の訪問医療、訪問看護の皆様でした。それこそ、排泄からお風呂の介助、痛みを和らげるマッサージ、そして家族のメンタルケアなど、様々気持ちが明るくなるような働きかけを行なっていただき、家族としても大変に心強い存在でした。

恥ずかしながら、病気が発覚するまで、自分の住む地域にこのような仕組みがあることや、地域の方がサポートしてくださることは知りませんでした。地域包括ケアシステムと呼ばれるものでもありますが、本当に誰かが支えてくださる状態はメンタル状態がおかしくなっている家族にとって、とてもありがたく、安心できる状態でした。

やはり毎日、
家族と病気の父だけの空間では、マイナスな気持ちになり、思わずぶつかり合うことが増えてしまいます。ある意味で外部の方が新しい風を運んできてくださり、楽しい雰囲気作りをしていただけると、とても前向きになれます。

また、訪問医療の医師が訪れてくださると、家族としても安心します。
もし、今、何かに悩んでいて、どうしようもできない方がこの記事を見ているなら、ぜひ地域に相談することや地域の訪問医療や訪問看護という仕組みがあることも調べてみてください。

事態に直面しないとわからないこと、本当に多くあります。
自分自身に関係のない、と思い込んでいることだと何も情報が入ってきません。今回、私が痛切したことであり、反省したことでもあります。

自分の住む街、もう少し具体的に伝えるとすると、自分のライフスタイルや生き方については常日頃からアンテナを張って、考え続けなくてはなりません。

病気を有する人、有しない人関係なく、何を大事にして生きていくのか、考え続けるべきなのだと、強く感じました。

話は逸れましたが、孤独ではない、誰かが何かしらの支えを持って接してくださる。ということを忘れないでください。一人で悩んでいても答えは出ません。そしてどちらかというとネガティブに考えてしまう傾向が高いです。

困った時こそ、人を頼り、そして地域を頼り、いつか自分が還元できるように!と思いながら元気に豊かに過ごしてください。

人は誰かに支えられて、生きている、ということを実体験として感じ、私もまた誰かを支えられるような存在になりたい、と強く感じたお話でした。



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