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徒然なる相想草【140字小説】

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ルリニコクみみみの140字小説をまとめました!オチがある系の話ではないけれど、読んだらなんだか「ふぁああ」となるみたいです。
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【140字小説】薔薇の言葉

薔薇のような言葉を受け取った。 それはとても美しくて、 とても嬉しかった。 小さな花瓶に…

【140字小説】嘲笑

声が聞こえる。 きっと私には関係がない。 ただの言語。音韻。 私を笑っている。 不快。でも…

【140字小説】シャッター

屈折した光が 街の凹凸に跳ね返り、 眼球をしつこく刺激する。 たまらず閉じると つまらぬ雑…

【140字小説】ハロウィン

色々な格好をした。 ふたりきりの6畳半。 そこはどこの交差点よりも 賑やかで煌めいて。 やが…

【140字小説】理想郷Tube

また四角を見つめてる。 星の壮大な皺。 那由多の命が泳ぐ水たまり。 比べものにならない ち…

【140字小説】相違

なぜか腕が痒い。 掻きむしると 爪の隙間に鋭い痛みが走った。 硬く銀色に輝いたそれは 指先…

【140字小説】変態

ある朝、足が生えた。 揺らぐ世界を見上げ 日陰で飯を食らい 髄まで吸われた友を想い 力の無さを痛感した。 そんな日々が愛おしい。 すぐに両手も生えて 未来に旅立つ時がくる。 あれほど願った自由の時が 近づくほどいまが愛おしい。 水の中は不便だけど それでも少しだけ、青い。 /ルリニコクみみみ

【140字小説】甦生

消えていた。 内臓を掻き分け 平穏を焼き尽くす炎。 それこそ生だった。 つまり、死んでいた…

【140字小説】943

夜9時43分。 針を確認して 煙草に火をつける。 割り切りづらい数字に 心が重なる。 テレビを…

【140字小説】おさかな地獄

生臭い。 表情もないまま 群れてただ時を生く。 銀色に光るは 見栄を張りし安物のスパンコー…

【140字小説】異種

コインが回る。 金属音が響く中、Aは目を瞑る。 彼は聴いていた。 その音とリズムで詩を描い…

【140字小説】起床

パッパラッパラ、近い音。 けたたましく。 パッパラッパラ、着替える。 泥水のように。 パッ…

【140字小説】人付き合い

細めの木々。 冷たそうな岩肌。 そんな山の上に建つ、 幾つかの塔が印象的な白い城。 顔を黒…

【140字小説】うさぎ

今夜も、白い顔を描いて 肌を寄せあい笑ってる。 ドンキの赤いカラコンは 可愛く脆いアタシの心情。 傷つけられてて、気が晴れる。 アナタを求める、か弱い被害者。 きっと世界の誰よりも。 魔法が解けちゃう、その前に。 夜が明けちゃう、その前に。 もう少しだけ笑いたい。 /ルリニコクみみみ