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ヘビーユーザーのわたしが『メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間』を読んだ

メルカリで100件以上取引してきた、24歳メルカリヘビーユーザーのわたしが『メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間』読んでみた。

読み進めるうちに、このCM観たなーとか、この機能増えたなーとか、あの機能にこんな裏話があったのかーって、読んでいてすごく興奮したので、メルカリをよく使っている人にぜひ読んでほしくて、初めて書評を書いてみた。

読んだ理由

最近読書の習慣がまったくなくなってしまっていたけど、昨年結婚をした旦那が本をよく買ってくる人なので、ちょっと拝借して読んでみることにした。

その決意表明はこちらのnoteにも書いた。

旦那が積み上げた本の山の中で、わたしでも読めそうと思ったのが『メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間』だった。

また、フリマアプリのような新しいサービスがどのように広まっていくのかもちょっと興味が。

一応、半年前まで広告代理店で働いていたもんで(´∵`)

2017年度の経済産業省「電子商取引に関する市場調査」によると、「フリマアプリ市場規模」は4,835億円にのぼると発表されている。

ネットオークション(個人間取引)市場規模は3,569億円なので、それを大きく上回る市場規模!

2012年に初めてフリマアプリが登場してから約5年で、どのようにしてこの巨大市場を築いていったんだろう。

いつも何気なく使っているものだからこそ、知りたくなった。

作者

奥平和行
1999年、日本経済新聞社入社
2010年〜2014年には、米シリコンバレー支局でITやスタートアップを取材。
2017年より編集委員。
IT、自動車、スタートアップなどをカバーする。

とてもよく取材されていて、まるで再現ドラマをみているようでひさびさに本を読んだわたしでもすごく読みやすかった。

週末を執筆に充てることを許し、最初の読者として原稿の精度を高めることに協力してくれた妻にも感謝の気持ちを伝えたい。

と、あとがきで奥様への感謝を伝えていることにも好感。完全に妻目線。笑

内容

この本は大きくわけて、メルカリ誕生前、誕生から現在まで、これからの三部構成になっている。

・共同創業者、山田進太朗氏のメルカリ開始以前
・メルカリ創業からの苦悩や挑戦の5年間
・これからの挑戦について

急成長によって生じる苦悩やそれを解決し続けてきた激動の5年間が、創業メンバーやメルカリ成長の核を担ってきた人物へのインタビューによって詳細に書かれている。

まだメルカリがサービスをスタートしてまだ5年ということもあり、事細かに当時のことを知ることができる。

登場人物は多く苗字が被っている人もいるので、あれ?誰やっけ…となることもしばしば。笑。だけど、それだけ多くの人によってメルカリが成長してきたということ。

巻頭に写真付きで登場人物の紹介が載っているので、混乱したらそこを見返せば問題なし。

ビジネス本というよりは、ノンフィクションドラマのような感じ。

起業したいとか、ビジネスに役立てたいという人よりも、単純にメルカリに親しみのある、メルカリの今までやこれからについて知りたい!という人向きかもなあ。

最後には、現在進行形で今後の挑戦についても書かれているので、何かしたいがいまいち踏み出せない毎日に、これを読んで、闘争心(?)をくすぐってもいいかも。

1番わくわくするところ

読んでいて1番驚いたのが、実は、「フリル(現ラクマ)」の方が先にサービスを開始していること。

もちろんどちらも利用していたけど、フリルを知ったのは、メルカリを使い始めて1年後だったので、フリルが後発だと勝手に思っていた!

わたしと同じようにメルカリから始めた人も多いんじゃないかなあ。メルカリはやっているが、フリルはやっていない、という人も多い気がする。

なぜそうなったのか?それはCMを出すという、強気の作戦によるものだったことが本を読んでわかった。

当時はスタートアップ企業のテレビCMは珍しく、あったとしてもゲームがほぼすべてだった。
フリマアプリのCMを流し、ユーザーを一気に獲得することが可能なのか。前代未聞の大勝負が始まろうとしていた。
「トレンドセッターの20代、30代の女性をまず動かしたい」。小泉は社内で説明した。当然、フリルの「得意客」を一気に奪いにいく思惑もあった。

この作戦が見事的中し、一気にユーザー数を増加させたメルカリ。

この、CM冒頭の「メルカリ!」っていうの聞いたことあるよね???

これも、ターゲットを考えて作られていて、おお!、てなった。

最終的なサウンドロゴは20代、30代は全員、聞き取ることができたものだ。一方、それ以上の世代になるとおぼつかない。「メルカリ?」などという反応もあった。ターゲットなる層が違和感を覚えるかどうかという微妙なライン、軽めの違和感を持つぎりぎりのあたりが落としどころになった。

こういったひとつひとつも、狙って作られている、とわかるとすごくおもしろい!

利用者としては、ユーザーが多い方が売れやすく、欲しいものも見つかる。だから結局メルカリ使ってるんだよなあ。先に多くのユーザーを獲得したことの貢献は偉大だろう。

新しいことを始めるのは、先手必勝のように思うけど、後発でありながら市場のシェア6割を占めたメルカリの戦略には痺れた。

まとめ

起業家でも、なんならビジネスマンでもないわたし(´∵`)

そんなわたしが読んでみたら、再現ドラマを見ているようで、どんどん引き込まれるように読むことができた。

メルカリの作戦にまんまとひっかかってるなあ、と、思うことも多々あった。

例えば、わたしは第2弾のテレビCMがスタートしたその日にアプリをダウンロード、第3弾のCMスタートその日に出品をしている。

そんなこと、この本を読まなかったらわざわざ認識しなかったことだと思う。

でも、知ることで、自分が消費者側としてうまく誘導されていることに、おもしろく感じた。

やられたー!みたいな笑。

ぜひ、この本をきっかけに、そーいえばあの商品を使い始めたきっかけってなんだっけ?と考えてみるのもいいかも。


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