じん

自分の好きな漫画やアニメの話を中心としつつ、政治・歴史関係の硬めの話題も取り上げていく…

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自分の好きな漫画やアニメの話を中心としつつ、政治・歴史関係の硬めの話題も取り上げていく予定です。更新頻度は低めです。すみません。

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Vガンダム最終回考察:いくつもの愛をかさねて(再掲)

※2023年5月に公開した記事を再度掲載します。 今回は公開期限を特に定めない予定です。 『機動戦士Vガンダム』30周年の一環に、ファンとしてささやかながら貢献したいとの思いです。 いつの日になるか不明ですが、改訂版を出したいと考えております。 前書き(能書き) 本年2023年はTVアニメ『機動戦士Vガンダム』の放映開始30周年に当たります。 その記念の一環でしょうか、BS11で3/31~5/19の毎週金曜19:00~19:30に『機動戦士Vガンダム』セレクションが放映さ

    • 「ぼくたち」のファーストガンダム Ⅴ

       序 私のような1980年台中盤生まれの者にとって、『機動戦士Vガンダム』は実質的な「ファーストガンダム」に当たる。 「SDガンダム」でガンダムの世界に触れ、『逆襲のシャア』『F91』などを映画やビデオで見てきた流れを経て、本格的なシリーズとしてTVでリアルタイムで初めて触れたのが『V』である。 「伝説の白いモビルスーツ」というフレーズは、本来・初代ガンダム(RX78-2)を指すものであるが、この言葉で私が真っ先に思い浮かべるのはいつもヴィクトリーガンダムである。当時の作品紹

      • 宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』感想(ややネタバレあり)

         スタジオジブリの映画『君たちはどう生きるか』をようやく観てきました。 以下、若干ネタバレありの感想です。 ㅤ  自分の中では、正直に言うと消化不良、ストーリー展開が「どうしてこういう流れになるのだろう」「なぜこれが禁忌扱いになっているのだろう」という部分が少々分かりづらかったです。 しかし、ファンタジー要素は、ジブリ作品らしさが活きていて、物語のラストもハッピーエンドになっていて良かったですね。 私の中では、『風立ちぬ』より良いと感じました。(といいつつも『千と千尋の神隠

        • マテリアル・パズルについてちょっと語る2

           『マテリアル・パズル』シリーズ全巻を読破してみて、最終巻で主人公ティトォを通して土塚理弘先生が伝えたかったのは、このことじゃないかなと考えている。  巧く表現できているとは思えないのだけれども、ティトォと煌めきの少年の対話を読んでいると、16巻でさりげなく描かれていたこの一節を想起してしまった。 ラスボスの二人のうち、一人が本当の生に執着していたことも、もう一人が「心をひとつに戻す」ことに主眼を置いていたことにも、当てはまるような気がする。  作中に登場するあらゆる魔法の中

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        Vガンダム最終回考察:いくつもの愛をかさねて(再掲)

          『マテリアル・パズル』についてちょっと語る。

          見出しの図は、同書第14巻 p.56(※電子版)より 王道少年マンガ『マテリアル・パズル』の魅力を少し語りたい。 しかし、知名度がいま一つなこともあり、良いシーンを例に挙げると、ネタバレになってしまうから、なかなかもどかしいです。 ということもあり、準主人公・ミカゼ(御風)の台詞と一コマを紹介。 ティトォ、アクア、プリセラが本作の主役ですが、読者目線でこの3人の旅につき従い成長していくのがミカゼというキャラクターです。 村の危機を救うため、不老不死の魔法使い・アクアの元

          『マテリアル・パズル』についてちょっと語る。

          【独断と偏見で選ぶ】『機動戦士Vガンダム』この話は「見てください!」リスト(15選)

           BS11で本年・2023年3月末~5月中旬に『機動戦士Vガンダム』セレクションが放映されていました。全51話中、8話に選定されたものです。 しかしながら、本作品の魅力を味わうにはあれだけでは不十分だと指摘せざるを得ません。本当は、「全話見てください!」と言いたいところなのですが、初めてVガンダムの世界に入ろうとしている人にはそれではハードルが高いかと思いますので、上記リストの通りだいたい1クール(+α)分に収めたおススメのストーリーを挙げます。  「終盤は1話たりとも落とし

          【独断と偏見で選ぶ】『機動戦士Vガンダム』この話は「見てください!」リスト(15選)

          鬼滅の刃 遊郭編ラストについての改めての感想

           遅まきながら、先日 特別編集版としてTV放映された「鬼滅の刃」-遊郭編のラストについて改めて感じたことを記します。  妓夫太郎と梅(堕姫)が兄妹の絆を取り戻すシーンで泣いてしまう、という意見が多いように感じますが、私はその前段階のこの一連のシーンにとても心打たれました。 僭越ながら、この箇所はアニメ版よりも原作の方が表現として上回っているように感じます。  口論の合間に挟まれる足の描写や妓夫太郎の台詞の途中で現れる手に違和感を覚えつつも、妓夫太郎の怒りにばかり気を取られ

          鬼滅の刃 遊郭編ラストについての改めての感想

          前年・2022年に読んだ書物の感想(1)

           時機を逸するのが完全にデフォルトになっております。正月にアップするつもりだった、前年に読んだ真面目な本に関する感想を今年も書いてみます。 (2/21追記『1★9★3★7』における阿川弘之の言葉を誤記していたため、修正 「みっともない」→「恥ずかしい」) 辺見庸 『完全版1★9★3★7 イクミナ』   日中戦争が始まり南京大虐殺が発生した1937年を起点として、旧日本軍による侵略行為をさまざまな文学的作品・当時の世相を交え、また辺見さんご自身の体験・人生史も挿入しつつ論じ

          前年・2022年に読んだ書物の感想(1)

          劇場版『からかい上手の高木さん』感想

          ※トップ画像は、映像ディスクのジャケットより ©2022 山本崇一朗・小学館/劇場版からかい上手の高木さん製作委員会 東宝株式会社  今年何本か観た映画の中では『劇場版 からかい上手の高木さん』が個人的にとても良かった。 TVアニメ1~3期も予習を兼ねて視聴し、原作も読んでいく中で、予想していた以上にハマってしまった。 「女性にモテない男の願望を反映した、ただの萌え作品だろ」と侮っていたのだが、10代前半の恋愛が要所要所で瑞々しく描かれていて、作品の世界に魅入ってしまった。

          劇場版『からかい上手の高木さん』感想

          からかい・からかわれ

           自分自身の恋愛・結婚は諦めているので、フィクションや他人の色恋沙汰で潤いを得る。 大体そんなカンジです。   というわけで、『からかい上手の高木さん』。 隣席の女子にからかわれ続ける男の子が、何とかして仕返しをしようと作戦を練りつつも、大抵勝負に負けてしまうという、中学生男女のやり取りを描いた作品です。 高木さんに詰め寄られてドギマギする西片君を見ていると、ついつい頬が緩んでしまいます。  2000年代の流行曲を高木さんがカバーするのも、この作品の魅力のひとつですね。 映

          からかい・からかわれ

          100分de名著 ハイデガー『存在と時間』感想

          序論 学生時代、私は哲学科に所属し、ハイデガーを主たる研究対象としてきました。 いや、「研究」というのは誇大表現ですね。また、自分自身、哲学を「専門」にしているとは呼び難いです。 とはいえ、大学卒業後も彼の著書を断続的に読み、彼が考え続けてきたことが他の哲学者たちに比べて自分にはしっくりする感じがあるので、私はハイデガー学徒の一員という意識があります。  4月にNHK-Eテレ「100分de名著」で『存在と時間』が取り上げられました。これを視聴し、遅まきながら感じたことを書き連

          100分de名著 ハイデガー『存在と時間』感想

          憲法記念日の県民集会に参加して

           憲法記念日に石川県民集会で、日本体育大学の憲法学者・清水雅彦教授の講演を聴講してきました。  「少林寺拳法の拳法ではありません」という一見すると小中学生レベルの冗談につい笑ってしまいましたが、体育大学で教鞭をとられているので、なかなか含蓄のあるジョークだと後で気づきました。 「勉強した」という自己満足で終わってほしくない。こういう集会にほかの人を誘ってください。 という旨の教授の言葉は耳に痛い。このような真面目な集会に誘える友人が私の周りにはいない・・・(そもそも友人が

          憲法記念日の県民集会に参加して

          2021年に読んだ本(真面目なもの)の感想など(2)

          全体的にやや左傾なので、そのあたりはご容赦を。 エドワード=サイード『オスロからイラクへ戦争とプロパガンダ 2000-2003』  2003年と先のイラク戦争前後に執筆されたもので、少し古くなっていますが、これも名著ですね。  如何にイスラエルがパレスチの民衆の生活を脅かしているかが分かります。  要するに(言葉は悪いですが)、武力侵略してパレスチナの人々の土地を奪い、そこに居座り続けているのがイスラエルの姿です。村々をブルドーザーで壊し入植地にし、そこに世界中のユダヤ人

          2021年に読んだ本(真面目なもの)の感想など(2)

          2021年に読んだ本(真面目なもの)の感想など

          略儀ながら明けましておめでとうございます。  本来であれば、昨年末に書いておきたかったものですが、備忘も兼ねて、年をまたいだこの時期に簡単に書き記しておこうと思います。  全体的に、やや左傾的なので、人によっては不快感を持たれるかもしれませんが、そこはどうかご容赦を。 ジョージ=オーウェル『1984』 す、凄ぇ・・・ の一言です。 名著として以前から気になってはいたのですが、実際に読んでみると圧倒されました。  現在のイギリスを中心に、アメリカ大陸など大西洋を挟んだ国々

          2021年に読んだ本(真面目なもの)の感想など

          『うしおととら』を読んで

           ギャグ、ラブコメ、スポ根、SF、社会派・・・、色々なテーマのマンガを読んできたが、年を経ると、やはり、胸焦がす王道少年マンガが一番だと感じる。  この1年の間、コロナ禍の外出自粛を兼ねていくつかの作品を読んできたが、その中でも1990年代の名作『うしおととら』が特に感慨深かった。 単行本累計発行部数2500万部[1]を記録し、アニメ・漫画ファンには言わずと知れた傑作である。  恥ずかしながら、私は今回が完全に初読で、予備知識などはほとんど持ち合わせていなかった。(主人公のフ

          『うしおととら』を読んで