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読書感想文 『屍人荘の殺人』

【屍人荘の殺人】

今村昌弘さんのデビュー作

・第27回鮎川哲也賞受賞

・このミステリーがすごい!2018年度版
・週刊文春ミステリーベスト10
・2018 本格ミステリ・ベスト10
・第18回本格ミステリ大賞
国内ミステリーランキング4冠

本作は主人公が参加した映画研究部の夏合宿にて起こるクローズドサークルものミステリー

クローズドサークルものの中でも、二重の密室を使った状況と、〇〇○による想定外の襲撃から生き延びるという、タイムリミット要素の2つが掛け合わされているのが特徴的な印象。
これは昨年刊行された『方舟』にも通ずるが、ミステリを解く楽しみと、タイムリミットに迫られるドキドキ感をどちらも得られる良作である。

何といっても数々の伏線回収が鮮やかであった。

これは伏線だろうなと思って読んでいた箇所を遥かに上回る数の伏線があったことを回収時に知ることとなった。
これから読む人は是非とも、文章から、見取り図から、これまでの読書経験からこの物語の真相にいち早く辿り着くよう挑戦してみてほしい。

このミステリの真相に触れた時、伏線回収の鮮やかさに感服したことに加え、一抹の哀愁を覚えた。何故かは本作を読むことで共感できる人もいるはず。
『トリックが凄い』で終わらない作品であったからこそ、ミステリランキング4冠を成し遂げ、今もこのシリーズにファンが多くいる所以ではなかろうか。

今村昌弘さんの執筆と、このシリーズの記念すべき、第一作であった。

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