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4月は世界に希望を運んでくる

4月は世界に希望を運んでくるようながする。気温の上昇によって、街に繰り出す人の数が増えた。公園にはたくさんの人がいて、至るところにシートが敷かれていた。ニュースでは連日桜の開花情報が流れている。明日は雨なので本日が見頃の場所が多い。そのため、いつも以上に街は混雑していた。たくさんの人を笑顔にする桜の効力の偉大さには頭が上がらない。桜が咲いているのを目にするたびに、心が奪われている自分がいる。この景色をあと何℃見られるのだろうか。そんなことを考えながら、ひらりと舞い落ちる花びらを眺めていた。

4月という節目は何かを始めるのにもってこいだ。まず世間が始まりを歓迎している。入学式、入社式など新年度の始まりによってたくさんの人が新しいステージへと舞台を変える。何かを始める人の目は希望に満ちた力強さを感じるし、自分にもできるかもしれないいう不思議なパワーが湧く。待ってましたと言わんばかりの嬉々とした表情の維持は簡単ではないけれど、その姿をずっと維持し続けている人がいる以上は、自分にだってその可能性は十分にあるのだろう。

自転車で街を駆け抜けていると、公園で町内会の祭りが開催されていた。公園の中に集まるたくさんの親子たち。老夫婦の方が車椅子を押しながら人並みをかき分けていく。フランクフルトが200円になったよ!という掛け声を放つ出店のスタッフ。桜まつりという名目で集まった人たちは例外なく楽しそうな表情を浮かべていた。

ベンチに腰掛けながら桜を眺めていると、町内会企画のビンゴ大会が始まった。どんな景品がもらえるのだろうか。そんなことは子どもたちにとってはどうでもいいことなのかもしれない。ビンゴ大会を全力で楽しむことさえできれば、きっと満足なのだろう。「マイクを持った子どもが舞台の下にいる人たちに向けて番号を言い放つ。その度に「ある!」「⚪︎⚪︎さん〜番引いてよ〜」などの声が出る。リーチになった子どもが大きな声を上げた。それに釣られてたくさんの視線がその子どもの方へと向いた。なんと希望に満ち溢れた場所なのだろうと1人で歓喜した。これほど素晴らしい日常が当たり前のように流れる今日という日は本当に素晴らしい。

ただ街に桜が咲いただけなのに、街中の人たちに笑顔が宿っていく。人間はバカじゃない。毎年のように桜の開花に喜ぶのには十分な理由がある。花に魅了されし者たちは、きちんと理解した上でまんまと桜に魅了されているのだ。それはきっと4月が運んできた希望による作用なのだろう。絶望に塗れた1年の始まりだったけれど、今日のような風景を見ると生きることを前向きに捉えられる。新年度という節目は何かを始めるのにもってこいだ。周りに流されるのも悪くない。そう思える瞬間は、きっと新たな行動を起こした人にしか訪れない瞬間なのだろう。

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