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ずっと憧れていた東京で生きていく

死ぬまでずっと大阪に住むはずだった。自分がまさかずっと憧れていた東京に住むとは想像もしていなかった。2023年1月に上京した。大阪を離れるのは正直寂しさしかなかったのだけれど、少しずつ東京に馴染めてきた実感がる。まだ知り合いもい少ないし、仕事も多いわけでもないため、同業者が開催するイベントに足を運んでみたり、近所のカフェを開拓したりしている。何もかもが新鮮で、この感動もいつかなくなってしまうかもしれないと恐怖を隠せない。

ずっと憧れていた東京だけれど、大阪はご飯も美味しいし、仲がいい友達や家族も住んでいるため、地元を離れる理由がないと思っていた。社会人となって、さまざまな仕事をしていく中で、少しずつ人生で一度は東京での仕事に挑戦したいという思いが強くなっていく。それはただの妄想の域を超えず、とうとう30歳になっていた。

当時から東京に移住しなくても十分に飯を食えるほどの仕事があったし、移住した今でも大阪が恋しいと思えるほど大好きな街だ。地元を離れたくないという思いから、ずっと東京に移住しない理由ばかりを探していた。東京と大阪を比べては、東京を何も知らないくせにやっぱり大阪の方が住みやすいとなる。物価が高いし、人も多ければ、建物も高い。満員電車はまっぴらごめんだし、やっぱり移住はやめようと決心する日々を過ごしていた。

当時は東京には行きたいときに新幹線で通えばいいと思っていたのだけれど、やっぱり現地の仕事がしてみたかった。友達がたくさん東京に移住していく。楽しそうなストーリーをInstagramに載せ、自分とは違う世界に行ってしまったと勝手に落胆する。少しずつ東京に行きたい欲が強くなってきたため、2ヶ月に一度のペースで東京に足を運ぶようになった。冷たいと聞かされていた東京の人と実際に触れ合って、あの盲信は嘘だったんだと知る。東京でできた友達は温かい人ばかりで、足を運べば運ぶほどに東京に移住したいという熱が上昇していく。

夢と絶望に塗れた東京は行くところではあるけれど、住むところではないよと東京から大阪に帰ってきた人の話を聞いた。それは実際に住んでみないと分からないものだ。単にその人は東京が合わなかっただけの可能性もあるし、自分にとっては都の可能性もある。自分で見たものしか信じない。だからこそ、実際に東京に移住すると腹に決めた。

大阪から東京に足を運び、不動産屋さんの案内のもと物件を見ていく。最初は荻窪に住むつもりだった。荻窪は電車の線が何本も通っているし、友達も住んでいる。居酒屋も多いし、大好きな喫茶店もたくさんある。でも、荻窪には条件に合う物件がなかった。荻窪は人気のある街なんですよと不動産屋さんが言う。すっかり肩を落としてしまったのだけれど、ないものはないと切り替えた。

そして、物件巡りの旅が終わる。静かな街でバルコニーがついている部屋と出会ってしまったのだ。中央線からは離れるけれど、これほど希望条件に合う物件とは2度と出会えないかもしれない。渋谷や新宿へのアクセスもいいし、何より大きなバルコニーがある。ここでなら楽しい新生活を営めるはずと、急いで物件のオーナーさんに連絡をしていた。ついに決まってしまった東京移住。一縷の不安はあったのだけれど、それを遥かに凌駕する胸の高鳴りが確かにあった。ずっと憧れていた東京に住むことができる。まだ見ぬあたらしい世界がたくさんあって、あれもこれもしたいと頭の中が東京でいっぱいになった。

大阪を離れる少し前にお世話になった人とたくさんお会いした。いつでも帰ってこいよと皆が言ってくれる優しい人たちだ。いや、俺は東京で頑張るんだと直接は言えなかったけれど、ずっと胸の内に熱い思いを秘めていた。ずっと住んでいた大阪を離れる。それはとても勇気のいることだったけれど、上京して2ヶ月ほど経った今は寂しさはほとんどなくなっている。

実際に東京に住んでみて、人の多さと建物の大きさに圧倒されている。渋谷や新宿に足を運ぶたびにああ、僕は東京に住んでいるんだと心が高鳴っていく。この感動もいつかは薄れていくのかもしれない。それでも僕はここ東京で生きていく。そして、たくさんの刺激を受けて、東京に移住して良かったと思える体験をしていきたい。

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