130日間の毎日投稿を振り返って(&10月の目標)

あいさつ

みなさん、初めまして。竜泉寺成田です。どうして「初めまして」なのかといいますと、僕のことを知っている人などほとんどいないからというのはもちろんなのですが、こうして、等身大のままにまともに話すというのはTwitter以外では初めての試みになるからです。

僕は小説であっても、エッセイであっても、批評であっても、そのうちに本当の自分というものを出してはいけない、そうしてしまった途端にそこには文学性がなくなってしまうと思っている節があります。ですから、僕は「ある目標」を達成するまで素性、というのもおこがましいですが、本音に当たるような素直な言説というものを語るのを避けてきました。そして、その考え自体は今も変わっていません。
では、どうして今回は作者が全面に出てきたのか疑問に思われると思います。それは一言でいえば、「ある目標」というものが途切れたからということになります。「一言でいえば」などともったいぶりましたが、別にそれ以上でもそれ以下でもありません。

少しだけ詳しく話しますと、もともと僕は「一年間の毎日投稿を終えた後、初めて作者が顔を出す」という青写真を描いていました。一年間、プライベートも何も明かさず、作品だけを投稿していくというスタイルを格好いいと思ったのです。
なんとかその理想を実現できるようにルールギリギリのことをしながら、文字通り手段を選ばず毎日投稿を続けていたのですが、先日、僕の弱さのせいでとうとうその計画は破綻しました。

当然の報いだと思います。そもそも毎日投稿をすると言いながら、時間も守れず、とりあえず下書き投稿をしてなんとか間に合わせる(本当は間に合ってもいないのですが)といったやり方をしている時点で結果は目に見えていました。今回の直接の原因は体調不良でしたが、遅かれ早かれその瞬間は訪れていたことと思います。
というわけで、当初僕が思い描いていた淡い理想は、最も情けない形で朽ちました。そんな意気地なしの臆病者が、この期に及んで朽ち果てたはずの理想を持ち続けていいはずもなく、僕は人生で初めて書いた『決行』という未熟な作品を公開することで、当初のスタンスに一旦の終止符を打つことにしたのでした。これが、僕が冒頭で「初めまして」と気取った、しょうもない理由の一部始終です。

こんなちっぽけでしょうもない僕ですが、約130日間に及ぶ毎日投稿で、そして毎日投稿から離れてみた今、感じていることをできるだけ素直に書いてみたいと思います。

毎日投稿を続けてみて

・いつも読んでくださった方々へ

まず、最初に一丁前に感謝を述べたいと思います。もちろん反応をくださる方は皆さんありがたいのですが、率直に言えば、僕が毎日投稿を続けることができたのは、定期的に反応を下さった数名の方のおかげです。記事への「スキ」はもちろん、Twitterの「いいね」も大変励みになりましたし、また、「コメント」時折いただける「コメント」にはいつも助けられていました。たとえ、PVやスキが伸びずとも、そういった方々から反応をいただけるだけで、「創作を続けよう」という気持ちが回復していき、心くじける日も投稿することができたということをここに述べさせていただきます。本当に救われました。ありがとうございます。そして、これからも少し覗いていただけたら幸いです。

・書き続けることのメリット

思い返してみると、結構大変だったという気がします。まあ、死ぬほど大変かと言われるとそうでもないので、そこが僕の甘さだと反省していますが、それでも生活の中心が毎日投稿になるくらいには時間を費やすことになりました。正直、クオリティを下げようと思ったこともありますし、ちょっと字数を減らしたりしたことや、なあなあになってしまったものもありますが、毎日投稿を続けていると何だか調子がいい1週間というものが出てきて、そこで出せた質を下げられないような小さなプライドが生まれてきます。そうして、どんどん字数が増えて、投稿時間が遅れて、さらには収集がつかなくなって……ということもありました。

けれど、トータルで見た時、そのストイックとも呼べるかもしれないプライドは意外と悪くなかったようにも思います。この一週間『決行』を掲載しながら思ったのですが、やはり、文章力と言いますか、文章のリズムだったり風通しの良さだったりといったものは初めの頃に比べて後期の方が大分上達している気がしました(「決行」は戒めのためにもあえて修正せず載せてあります)。

これもまた、視野の狭い、自惚れがちな僕のことなので、後から見返せば「この程度で何を言って嫌がるんだカエル野郎が」という恥ずかしい結果にもなりかねないのですが、ここでは僕の今感じている思いを素直に書くということが大事な気もしますので、その自惚れには少し目を瞑りたいと思います。ウンウン唸りながら、これでいいのかと不安になり、「ええいままよ」と何とか放り出してきた作品も、思いの他に力になっていたようで、それを考えると、意外にもクオリティを保たねばというある種の強迫観念にも近いようなプライドは、少しは役に立ったようでした。

・習慣づける力

他にも、継続力や、何か一つのものを完成させるという遂行力がついた気がしています。今、久しぶりに物を書いているのですが、書かないあいだ何をしていたかというと、長らく出来ていなかった読書に勤しんでいました。面白いもので、毎日投稿を続ける前は1時間たりとも集中できなかったはずなのに、今では同時並行で4冊を読み進めているんですから、ここには流石に毎日投稿の効力を認めざるを得ません。

まあ、もちろん毎日活字に嫌が応にも触れなければならなかったという習慣から僕自身の活字への苦手意識が一層薄れているということはあるのですが、それよりもやはり毎日目標を達成するということの習慣が染み付いたことが原因な気がします。また、毎日投稿をしている日々は常にネタ不足でおちおちインプットをする時間もありませんでしたので、インプットの大切さというものを強く感じられたのも大きかったですね。

ずっとアウトプットをしていたらいつの間にかインプットの習慣もつけられたということを考えると、毎日投稿で僕はいくらか成長をできたように思います。

・「達成したという事実」がもたらしてくれるもの

最後に、月並みですが、毎日投稿をすると自信がつくものです。とはいっても、これは僕に限った特殊ケースかもしれませんが、かつての僕は「作家になりたい」とは口ばかり、書くことも読むこともせず、ただYouTubeから垂れ流しにされる情報を消化し続けるばかりの、木偶の坊でした。書こうと思っても気がつけば17時。気持ちはなお焦るばかりで、現実逃避でまたネットサーフィン。いつの間にか、深夜になっていて、明日のためにと自分を正当化して就寝し、次の日、またYouTubeを見て1日を終えるという自堕落な日々を過ごしていたせいか、僕の心は常に空白でした。何もなさず、ただ時間をむさぼり食らう日々に嫌気が刺し、一念発起しようとしても変わらぬ自分が一層情けなく、結局現実から逃げ回ってまた何もなさない。そんな自分が嫌で嫌で仕方なく、僕は常に誰に対しても引け目を感じてビクビクとしていました。そんな状態では将来、作家になりたいだなんて口が裂けても言えず(書いてないから当然です)、友達にも隠していました。

けれど、毎日投稿を続けて3ヶ月ほどが経ち、久しぶりに友達に会った時、すっと「毎日投稿をしているんだ」という言葉が口から出てきて、僕は驚きました。何より、そんなことを恥ずかしげもなく言えたという事実よりも、それを言ってしまった後の自分の信じられないほどの落ち着きに戸惑いました。結局、僕の焦りは「作家になりたい」と言っているのに何もしていないという負い目にあったということを、情けないですが僕は毎日投稿を3ヶ月も終えたその時にようやく気がついたのです。恥ずかしげもなく言うと、今まで投稿してきたものの中に、自分でもある程度自信のあるものがあったようで、「何なら作品を見てもらって感想をもらいたい」などと大それたことまで思えたほどでした。一つのことを長く継続できたということもまた僕に前を向くことのできるエネルギーをくれたのか、僕はほんの少しだけ明るくなったようで、友達は「前のお前なら半年に1回で限界だったけど、今なら来月でもいいや」と言ってもらえました(以前の僕の卑屈を思うとゾッとしますが)。これもまた、無理にでも毎日目標を達成し続けたことの成果なのかと思います。

まとめ

……と、まあ、結果を見ればちっとも成功のしていない毎日投稿を、恥ずかしげもなく、まるで大成功だったかのように語りましたが、僕の中の自制心という名のチューニング機を取り外してしまえば、大方このような実感になるのではないでしょうか。と言われても、そんなの知ったこっちゃないでしょうが、少なくとも僕は、大変だったこの130日間は案外、無駄ではなかったように思っています。これがあと2回も続くのだと考えると、1年継続することの凄まじさを思い知りますね。これを6年やりきった水溜りボンドさんは本当にすごい。体力も精神力も思考力も桁違いです。いつかまた、自分を追い込みたい時、1年を目指すかもしれませんが、どうだろう、もつかなあ。その時もまたどっかでポカをしそうな気もしますが、まあ、その時の自分に託してみることにします。

10月の目標

ということで、毎日投稿はしばらく途切れますが、投稿自体は続けて行くつもりです。とりあえず、10月は「自動方面決定機」と「独占禁止」、そして毎日投稿が途切れるきっかけとなった「夢風呂」を終わらせたいと思います。「目が光る」も毎週続けたいな。そして、ショートショートを少なめに5本を目標にして、その代わりクオリティをちゃんとあげられるように頑張りたいと思います。ただ、投稿時間は決めないようにします。結局、9月ちゃんと目標通りアップできたのは2つくらいしかなくて、自分の不甲斐なさが情けないばかりです。本気でやろうとして、その体たらくなので、締め切りを設けるのはもう少し慣れてからにしたいと思います。アウトプットは少なめですが、今月はとりあえず授業とか読書とかインプットを頑張ってみるつもりです。時に読書感想文でも挙げられたらいいなあ。以下、今月の目標です。

〈アウトプット〉

・「自動方面決定機」、「独占禁止」、「夢風呂」を完結させる
・「目が光る」毎週更新
・ショートショート5本
・自己分析をする

〈インプット〉

・本を10冊読む
・映画を10本見る
・筋トレをする

あと、今まで余裕がなくてできなかった短歌作りや、140字小説、SSGなども息抜きにやっていきたいと思います。本当は賞レース用のも考え始めようと思ったのですが、一旦未完作品を完結させて、もう少し頭を休ませてからにすることにしました。来月から頑張ります。
さて、長々とした駄文を読んでくださり(もしここまで読んでくれた方がいたならの話ですが)、ありがとうございました。これでこの記事は終わりです。毎日投稿は途切れますが、創作活動は続けていくので、今後とも竜泉寺成田をよろしくお願いします。それでは。

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