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出会いと別れ






祖母が急死した。

朝に「おばあちゃん、亡くなったって。」

という一言で起こされて頭が回らなかった。

元々は夏から段々と認知症が進んでいって

サービス付き高齢者向け住宅に住むようになって

介護度が5まで上がって

ああ、弱るのなんか一瞬だな。って思っていた

つい1週間前に施設に行った時は

まだよく話していたのになあ。



もう歳やから、精一杯生きてくれたと思う

じいちゃんの介護もしつつ、自分が動けなくなる姿を身に染みて感じていたであろうばあちゃんは、棺桶に入っていたけれど、何だか他人事のようで。

いつも不安そうな顔をしていた最期とは違っておでこのシワもなくて、安らかな顔をしていて。


ようやく、自由になれたのかなあと思った。


新卒で介護職をしていた頃は

「よう1人でお世話するなあ、偉いなあ。」

と褒めてくれて、

「はよいい人見つけや〜」

とパートナーが出来ることも楽しみにしてくれて。


仕事も辞めて更に恋人とも別れた今のわたしは

ばあちゃんに何が報告できるだろう。






その2日前までは

好きな人というか、ずっと片思いしていた人と会ってきた


絶対わたしはその人としあわせになると決めた

だから恋人とも別れたし、言い寄ってくる人も居たけれど

手放した


でも実際会ってみると、尚更この距離感が良いのかもと思ったり。


どんな人にも平等で且つあまり干渉し過ぎない彼は、

どんなにアプローチしても自主規制をかけるのかもしれない


お互い石橋を叩きまくって渡る受け身タイプだからこそ難しいなって感じた


でも彼との時間はずっと楽しくて、ずっと笑っていた。


最後にわたしはあなただから会ってるし、わたしだってちゃんと人を選んでるよって言ったら

物好きもいるもんだなと彼は言った。


精一杯の彼に対する気持ちと感謝の言葉を口下手なりに言ったのだ


こんなわたしでも、ちゃんといち人間として見てくれて受け止めてくれて楽しいと言ってくれて。

それだけでも十分出逢う価値があった人。


色々と手放して失ったけれど、

あなたに会えてよかったと思った。




祖母の死は、まだまだこれから引きずると思う


それ以上にみんなで支えて助け合って

いい報告が出来るように生きていかなくちゃなあと思う。



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