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大丈夫かわからないけど手を離すのだ


わが子が小学校に入学して1か月。

新しい環境に慣れられるかな、事故に遭わないかな、と色々心配し、最初は夫が登校に付き添っていてくれた。私は仕事で息子より先に家を出てしまうので。
しかし息子は案外自立心旺盛で、

「なんでパパついてきてるの」
「もう一緒に来なくていいよ」

と1週間ほどで言うようになり、割と早い段階でひとりで登校するようになった。

私が子供の頃は、親と一緒に登校するのは入学式の日のみで、それ以降はみんなひとりで登校していたような気がするのだが、今は防犯や交通事故防止、本人の精神的不安軽減の観点から、小1の最初は子どもの登校に付き添う人が多い。

付き添いを止めるタイミングは家庭によるけれど、まだほとんどの1年生が親と一緒に登校するなかで、息子はひとりで学校へ向かっている。

本人は「余裕。大丈夫!」というけれど、SNSでは

「案外あぶなっかしい歩き方をしていたり、泣いていたりする1年生が多い。親御さんはできたらなるべく付き添ってあげて」

という声もきくので、なかなか心配だった。

そんな中、息子と一緒に登校する機会が訪れた。

はやくも土曜授業&授業参観があったのだ。

休日だというのに6時台に起き、子にご飯を食べさせ、化粧をし、ストッキングを履いて家を出るのは大変しんどかったが、はじめて息子と一緒に登校するのは面白い経験となった。


ちゃんと通学路を間違えずに歩ける息子。
(私と違って、空間認知能力が高い)

交通指導員さんに、はっきりと挨拶ができる息子。
(昔はシャイで小声でしか挨拶できなかったのに!)

お友達と並んで歩く息子。

案外しっかり、歩いていた。

途中、同じ保育園出身の親御さんとも出会い、

「もうひとりで登校してますよね?」
「よくみかけますがしっかり歩いてますよ!」

という話もきけてほっとした。

朝は人目も多く、交通量の多い箇所や信号のない横断歩道には交通指導員さんが立っていてくれるので、危険は少ない、ということもよく理解できた。

とはいえ「息子はしっかりしていて安心!」かというとそんなことは全くなく、4月はまだ小学校生活に不慣れなのもあり、ミスや忘れ物が多く落ち込む日々だった。

というか親である我々も全然ダメだった。

宿題が毎日出るものと理解しておらず、学校でやったものと勘違いして私が荷物から抜いてしまったり
(結果、息子が宿題を忘れた子になってしまう)、準備しておいた上履きを息子がうっかり忘れていってしまったり。

主に息子と我々親の連携不足が原因で、

「学校でのことは言ってもらえないとわからないんだよ」

と息子と話したり、私も手厚くフォロー出来ない分、夫との連携にもっと気を配ったりするようになった。

要するに息子も私たち親も、全然完璧じゃなくて、
不完全でぼろぼろとミスを連発していた。

ああ、つらい。しんどい。恥ずかしい。

それでも、手を放すしかないのだ。

そうやって人はできるようになっていくのだ。

ということを久しぶりに感じた。


完璧主義の気がある私は、ミスをするとめちゃくちゃ落ち込んでしまう。
親のせいで息子が困ったり、「忘れ物が多い子」みたいになってしまうのは本当に忍びない。

できることなら完璧にフォローして、瑕疵ひとつない姿の息子にしてあげたい。

でも、そうじゃない。

息子は新しい環境に自力で慣れていかなければならないし、ミスした時の相談やリカバリー方法も身に着けていかなければならない。

親が案外うっかりしていることもそろそろ知っていいし(本当に申し訳なく思っている……)、連携を取るには、息子の意欲も必要だ。

だから心配でも、不安でも、多少のケガや失敗は覚悟して、手を放すしかないのである。

と、ぼろぼろに疲弊しながら実感した1か月であった。

おかげで息子も「これに名前つけてって」「明日○○持っていくって」と話してくれるようになった。

痛い目をみせてごめん……でもとても助かる。

私自身、割としっかりしているつもりだったので、
自分への信頼度もだいぶ下がった。

かなりしんどかったけど、羅針盤の利かない環境で失敗したり痛みを感じつつもがくのは

「あーそうそう、”新しい環境”ってこうだったわ」

と、久しぶりで、楽しいといえば楽しい気もした。

ある意味、刺激的ですよね。

自分が小学生だった頃と変わっていることも多く、新鮮な発見も多かった。

この1年は初めてのことだらけできっと色々やらかすのだろう。

もちろん誠実に取り組むけど、多少のミスは諦め、なんとか乗り越えていきたいと思う。
なるべく致命的な失敗は避けられるといいな。

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