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足関節捻挫は‘クセ’になるの?

『捻挫はクセになる』って良く聞きませんか?
実はその通りで、足首の捻挫は再受傷が多いのは事実です。
再発率は70%とも言われます。

では、何故再発するのか??
身体の動かし方から再受傷の多い理由を考え、予防法を含めて解説していきます。

捻挫をすると起こる身体の変化

捻挫をすると身体にはどのような変化が起こるのでしょう?
1番分かりやすいのは、ひどい捻挫をした時の靭帯損傷です。
靭帯を損傷したので関節の安定性が無くなり、捻挫を繰り返す。
そういう事もあるでしょう。

しかし、靭帯損傷のない人でも再び捻挫をする事は多いです。
捻挫を含めてですが、関節を痛める(炎症を起こす)と、関節の感覚が鈍くなります。特に関節が腫れるとこの傾向は強くなります。
さらに痛みがあるため、その後体重が掛けられなかったり、動かさない時期が続いたりすると、さらに感覚は鈍くなります。

関節の感覚が鈍くなる?

関節の感覚とは、専門的には【運動覚】や【位置覚】という言い方ですが、目で見なくても関節が『どれくらい曲がっていて、どのように動いている』が’分かる‘ことです。
読者のみなさんも、今、目をつぶってもらって、それぞれ指が何度くらい曲がっているかとか、脚がどのようになっているかなどは分かりますよね。
動かした時も曲がったのか伸びたのかを感じます。
この感覚は、通常だととても繊細で、角度でいうと数度、距離で言っても僅かなズレしかありません。

捻挫などのケガをすると、このズレが大きくなり関節がどの位置にあるかが正確ではなくなります。
これが関節が鈍くなるという事です。

捻挫を繰り返す因子とは?

因子は1つではありません。
ケガをして筋力が小さくなる事も原因です。
ここでは、つい見逃されがちでとても大事な【感覚】にフォーカスします。

感覚が鈍くなると、自分がイメージしている状態と実際の感覚が違うため、

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図のように真っ直ぐな状態をイメージしていても、実際の足首の状態が下の図のようになっていたらどうでしょうか?

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スポーツで言えば、この状態で着地をしたり、逆方向へカットを切ったりすれば足を捻るリスクは大きくなります。

このときもう1つ問題になるのは、反応にかかる時間です。
感覚が鈍くなると、『あ、捻りそう!』って察知するまでに時間がかかります。
捻り掛けたときに、即座に反応出来れば、筋力で正常な関節の位置まで戻すことが出来ますし、身体を倒すなどして体重を逃がすことで重症化する事も避けられます。

足首の感覚の状態を‘観る’には?

足関節の感覚を評価するには、本来それなりの器具が必要ですが、簡単にそれも分かりやすい方法を紹介します。

まずは、片脚立ち。
片脚でバランスを取ります。足首の感覚や筋肉の状態が悪いとバランスが取りにくくなります。
但し、視覚や他の関節の状態も影響するので、足首だけの状態を観る事が出来ません。

僕が1番オススメするのは、【足首を回す】運動です。
爪先を地面に着けてやるのと、宙に浮かして回すのとやってみてください。
捻挫を繰り返しているような状態の足首は上手く回らないはずです。特に回し慣れていない回転方向と回転方向を切り替える瞬間は、動きがギクシャクすると思います。

これが問題なく自分の思い通りに動けば、足首の感覚はおおよそ問題ないと判断しています。

捻挫を予防するには!!

最後に捻挫の予防方法を紹介します。
ここに来て真新しい事ではないのですが、先程紹介した【足首を回す】運動がとても良い方法です。

宙に浮かした状態でクルクル足首を回します。回転方向を切り替えても問題なく出来るようになったら、どんどん速くまわすようにします。
始めのうちはなかなか上手く出来ませんが、段々と思い通りに動かせるようになります。
爪先を地面に着けた状態でもやってみます。
普段慣れている方向は簡単に出来るでしょうが、反対回しは爪先がズレてしまったり、動きが小さくなってしまうでしょう。
やればやるほど出来るようになりますので、これも自分が思い通りに動かせるようになるまでどんどんやってください。
僕はスポーツのウォーミングアップには必ずやってます。

もう1つの予防方法は、【テーピング】と【ブレース・装具】です。これらには、関節を固定する以外に、前述の‘関節覚’を改善する働きがあります。

他にも動き方や身体の使い方で、捻挫のリスクは変化しますが、込み入った話なのでまた別の機会に。

最後に

足首の捻挫を繰り返している人にはもちろん、リハビリテーションに従事する方にも、評価する上で確認してほしい所です。
簡単に出来るので、いつでもどこでも出来るので是非オススメですよ!

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