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何事もないことも奇跡らしい



毎日ぼーっとしてるだけ。
ただベッドの上にいて、好きなように過ごすだけ。
高校生の頃の引きこもり時代を思い出す。
あの頃は親が何時に帰ってくるかを気にしながら、負の感情が渦巻いていた。
今はお腹の中に仲間がいる。愛に溢れた時間。
もうこんな愛おしくて静かな時間は2度とやってこないんだろうな。



あ、そっか、私は破水してるのかと改めて実感したのは
入院から1ヶ月が過ぎた1月24日。妊娠24週3日。

その日の夢は生理中で、ナプキンからはみ出して漏れちゃう、汚れちゃう、嫌だなって思った瞬間に起きた。
そしたら下着が濡れていた。
ああ、これが破水か、ついに来たのかな。
でもお腹も痛くないし、パンツ濡れたな、くらいの少量の水。

朝の回診に来た、助産師さんに報告。
赤ちゃんの心音も問題なし、張りもなし。
お産が進んでいる様子もないし、引き続き様子見になった。



28週くらいにかけては特に、赤ちゃんが成長するのに比例して羊水も増えていくらしい。
エコーをすると赤ちゃんの大きさは大きくなっているけれど、羊水の量に変わりはない。
私の羊水の保有量は決まっているのかしら。
いつ診ても、どんなに赤ちゃんが大きくなっても、顔の前に2-3cm確認できるだけ。
入院が決まった頃は300gに満たなかった赤ちゃんも24週で600gを超えた。


これ以上は保水できません!と子宮から言われてるみたいに
この日から毎日少しずつ羊水が流れた。
夫に生理用ナプキンを買って届けてもらう。




夫は私と付き合って結婚するまで、女の子のこと、女性のことを何も知らなかった。
保健の授業を真面目に受けてたらからかわれる時代。
本当に珍しく、友達間でも恋愛のことや性のことに触れずに育ってきた。
私が初めての彼女。
付き合って、驚いた。

赤ちゃんがどうやって産まれるのか、つくるのか、知らなかった。


そんな夫と結婚して妊娠して、生理用ナプキンを買ってもらっている。
まだ我が子は産まれていないけれど、我が子が成長したなと思った。
これからもそのまま変わらずに、人を大切にできる人のままでいてください。



1ヶ月を過ぎたら、助産師さんたち、先生たちに会うたびにたくさん褒めてもらった。本当にすごいことですよ!って。
とりあえず何事もなく、ただ毎日をベッドの上で過ごすのみ。
気が滅入ったり、取り乱したり、泣いたりしなかった。
私の特技かもしれない。

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