内なる編集者を育てよう
私は長年、編集者として雑誌や書籍などの制作にたずさわってきました。
専門職扱いされることも多いのですが、私は特別な技能が必要な職種ではないと思っています。
なぜなら、文章を書く人はすでに誰もが「編集者」だからです。
メールを送信するとき、SNSに投稿するとき、事前に文章を読み返してチェックしますよね。
意識しているかどうかはさておき、そのときあなたの「内なる編集者」が仕事をしているのです。
しかし、「内なる編集者」に的確な仕事をしてもらうのは、簡単ではありません。
なぜなら、自分が書いた文章は自分と一体化しているからです。
自分と一体化しているので、客観的に見られず、誤字脱字や文章の矛盾をスルッと見逃してしまうのです。
では、どうすればいいのでしょうか?
文章をチェックする前に「文章から自分を引きはがす」アクションをプラスしてみてください。
いろいろな方法があると思いますが、ここでは2つの方法をご紹介します。
①時間を置く
文章を書いたら、投稿する前、送る前にひと呼吸置く。
お茶を飲んだり、別のことをしたりして、意識を1回別のところに飛ばします。
時間を置いてから改めて文章に向き合うと、文章と自分との間に距離が生まれ、客観的に見られるようになります。
夜に書いた文章は朝に見返したほうがいいとよくいわれますよね。
文章を客観的にチェックするオーソドックスな方法なので、実際にやっているよ、という方も多いのではないでしょうか。
②別のデバイスでチェックする
パソコンで書いた文章をスマホでチェックしたり、プリンターで印刷してからチェックしたり。
物理的に別のデバイス(もしくは紙)の上に文章をのせてみます。
すると、1行あたりの文字数など文章の「見た目」が変わるので、違った視点から見られるようになり、削ったほうがいい言葉や足りない言葉に気づくことができます。
特にnoteやブログの投稿は、PCで書いたら必ずスマホでもチェックするのをおすすめします。
一文の途中で改行していたり、写真と文章の間隔があきすぎていたり、改行が少なくて読みにくかったり、文章以外の「見た目」の違和感にも気づくことができるからです。
いずれにしても、自分の文章を編集する際は
「文章と自分との間に距離を生み出す」
ためのアクションが必要ということですね。
これを自覚的に行えるようになると、あなたの「内なる編集者」が育ち、いい仕事をしてくれるようになるはずです。
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